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カテゴリ:読んだ本(その他・海外)
ウッドハウスの「ジーヴズの事件簿」についての日記で,国書刊行会版と文藝春秋社版とで,ジーヴズの職業の訳について「執事」と「従僕」の違いがあることは書いた。
英和辞典直訳的には,「執事」はbutlerの訳,「従僕」はvaletの訳となるのだが,「比類なきジーヴズ(国書刊行会)」のあとがきで,訳者の森村たまき自身がジーヴズはbutlerではなく,valetであるが,それを「家僕」「従僕」とすると「いかにも軽々しい」ということで,「執事」という訳にしたと断っている(ここの部分,本を図書館に返してしまったためちょっと不安,苦笑)。 問題提起型のタイトルにして申しわけなかったが,訳語そのものは訳者の好みであり,読む側はそれを自分なりに解釈していけばいいわけだし,日本の少なくとも自分が属するような環境では「執事」も「従僕」も見かけないので,要するにどちらでもいい気がする。 ところで,英語で考えた場合どうなるか? ジーヴズ自身は自分を「gentleman's personal gentleman」であるといっているが,バーティやダリア伯母にとって,ジーヴズはbutlerではなく,valetであるようだ。 この点に関しては「執事たちの足音」のcountsheep99さんが,「出ましたジーヴス その2」で,とても詳しくかつ楽しく考察されていて,それによると, 主人のまわりに「さぶらふ者」だけでは物足りない。と書かれていらっしゃり,卓見だと思う。 butlerとvaletの仕事の内容だが,Wikipedia英語版を見ると,場合によってはかなり近いことがあるようで,valetの項目を見ると,「小さな家ではbutlerがvaletの役割を兼任する」し,「独身者の場合はvaletが家政をみる(butlerの役割)」といった内容が書かれている。 また,同じくWikipedia英語版のJeevesの項目には次のように書かれていた(バーティの発言の出典は不明,意訳)。 よく誤解されるが,ジーヴズはbutlerではない。valetが雇用者個人に仕えるのに対し,butlerは雇用者の家に仕える。しかし,バーティは何回かジーヴズをbutlerとして貸し出していて,「必要とあればとても有能な執事になれる」といっている。そういえば,countsheep99さんの別のページ,『それゆけ、ジーヴス』 特製おめざの作り方の中の,英語のレシピを紹介した記事(Remorse code - www.smh.com.au)の中に次のような文があった。 This was the concoction that Jeeves the butler served to Bertie Wooster ……ここでは,Jeevesを「butler」だといっている。 Wikipediaにあったように,Jeevesがvaletなのかbutlerなのかは欧米でもけっこう曖昧なんだと思い,笑ってしまった次第である。 ちなみに,英語版のWikipediaにはJeeves関連(ジーヴズやバーティだけでなく,伯父,叔母,ビンゴ,ホノーリアなども)の多くの項目があるので,行ってみるとけっこう楽しめます。 「比類なきジーヴス」の日記は→こちらから, 「よしきた、ジーヴス」の日記は,→こちらから, 「それゆけ、ジーヴス」の日記は,→こちらから, 「ジーヴズの事件簿」の日記は→こちらから, 「ジーヴズオムレツを作る」の日記は,→こちらからどうぞ。 登場人物と関連ホームページをフリーページのウッドハウスメモ(ジーヴズシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。 ウッドハウスの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (ウッドハウス)からごらんください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/02/22 01:26:11 AM
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