ロマンスあり,ドタバタあり,長編22作品中18番目にあたる
カーターディクスンの「時計の中の骸骨」
(The Skeleton in the Clock,1949,小倉多加志訳)
は,これまででもっとも読みやすかった。
時代は1947年7月。
ロンドンでせり落とした,振り子のかわりに骸骨がついた奇妙な時計とともに,ヘンリー・メリヴェール卿はマスターズ主任警部を引き連れて,バークシャーの宿屋に行く。
目的は,その近くのフリート荘で20年前に起きた墜落事故の再調査だが,そこに若者たち(?)の恋のもつれ,伯爵未亡人ソフィア・ブレイルとH・Mのドタバタ騒ぎ,ペンティコスト元刑務所での度胸試しと,そこの絞首台の下で見つかった宿屋の娘の死体……などなどがからまってあっという間に読み終わってしまった。
そこで解き明かされる謎は,納得いくものであり,もしあちこちで同じような謎解きを見かけたとしたら(おおもとが同じようなものはよく見かける気がするのだ),ほとんどのものよりこの作品のほうが時間的に先行していることを思い出すべきだろう。
生誕100年記念に1冊は読んでおこうといった場合,オススメの本である(ただし,まだまだ残っているので,今のところという保留つき,笑)。
カーター・ディクスンの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (カーター・ディクスン)からごらんください。
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