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2006/05/29
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シリーズものが年代順に出版されていない場合,発行順に読むのがよいか,年代順に読むのがよいかけっこう迷うことがある(例えば,ナルニア国物語などは「発行順ではなく年代順」に読むのがよいと,以前から思っている)。

ロバート・ファン・ヒューリックのディー判事シリーズについていうと,

「中国迷路殺人事件(1951)」←670年 蘭房(ランファン)知事(時代順4)

「中国梵鐘殺人事件(1958)」←668 蒲陽(プーヤン)知事(時代順3)

「中国黄金殺人事件(1959)」←663年 平来(ポンライ)知事(時代順1)

「中国湖水殺人事件(1960)」←665年 漢源(ハンユアン)知事(時代順2)

「中国鉄釘殺人事件(1961)」←676年 北州知事(時代順5)

と,まず上記の初期5作品(リンク先は楽天ダウンロードのグーテンベルク21)を発行順に読むのがオススメ(図書館以外,書籍の形では入手しにくくなっています)。

というのは,著者にはこれに先立つ「Dee Goong An(狄公案,未訳)」という著作物があり,もともと「中国迷路殺人事件」は「続狄公案」として,「中国梵鐘殺人事件」は「続々編」として書かれたもので,初期のものほど元の「狄公案」のスタイルを保っているからである。
※「狄公案」は作者が戦前に日本で入手した「武則天四大奇案(副題は狄公案)」を英訳したものとの由。

年代順に読む必要がないというのは,「狄公案」のスタイルそのものにも関係してくる(←類推。「狄公案」は読みたいけれど読んでいないので)。

ディー判事の物語の舞台が唐であるにもかかわらず,「迷路」,「梵鐘」,「湖水」それぞれの書き出しは明の時代の話である。
「迷路」では,昔の名高い刑事事件を研究していた明の永楽帝時代の人物がある日偶然にディー判事の子孫と名乗る老紳士と出会う。食事と酒を飲みながら話を聞くうちに眠ってしまい,気づくと一人残されていた。話の内容だけは覚えていて……というところから「中国迷路殺人事件」の日記に書いた内容が展開していく。

「梵鐘」は,犯罪に関わる古道具を集めている明時代の(引退した)茶商人の話,「湖水」は,明の首都裁判所の調査官が漢源(ハンユアン)で経験する不思議な話から始まっている。

これは「迷路」の著者の後記にある次の部分を形として表したものだ。

「中国の明代の作家たちの,舞台はしばしば何世紀も前にとるけれども,小説を書くにあたっては16世紀の人間と生活とを描写するという習慣を,私は採用した。同じことは挿絵についてもいえ,唐代というよりはむしろ明代の習慣と服装になぞらえている。」

これは「明の記述がない」他作品においても共通した作者の考え方であり,上記の初期5作品以降の作品のほとんどが,上の5つの赴任県での他の事件や,近県に出張したときの事件を扱ったものであり,作者が「事件の時代順に書くこと」にこだわっていないのも,明代から唐に遡ってエピソードを語るということであればうなずける。

とはいうものの,やはり「時代順」というのは気になる。ということで,ディー判事が赴任した県と作品の関係を,フリーページディー判事メモ(ディー判事の経歴(赴任先)と作品)にまとめておいたので,参考にしてください。

「県知事」を「卒業」して中央政府の高官となったディー判事についての作品は,「柳園の壺」(大理寺丞,中央裁判所長官)→「南海の金鈴」(大理寺卿)の2つなので,初期5作品の次にそれを読んでしまう手もある!!

また,「迷路」の後記には

「中国の伝統にしたがって,私は作品の終わり近くに罪人処刑の描写を加えた。中国人の正義感は,罪人にふり当てられた罰を詳細に述べることを求める。」

とあるが,このような場面は結局「迷路」,「梵鐘」でしか出てこない。
その意味でも,最初に読んでほしいのはやはり「迷路」あたりからということになる(「迷路」と「梵鐘」は上梓されるかなり前にできあがっていたようで,「梵鐘」に対する言及が「迷路」にかなり出てくる。その意味では「梵鐘」→「迷路」の順もありかなと思う)。

ちなみに,スタイルといえば,知事が3件の全然別々な事件に同時にかかわるというのも,おそらく「狄公案」を踏襲したものだと思われる。
著者による「迷路」の後記には次のようにある。

中国の多くの探偵小説のなかで,知事は同時に三件以上の全然別々の事件に携わる。この興味ある特徴を私はこのシリーズで維持し……一県には実におびただしい人々が住んでいたのだから,しばしばいくつもの犯罪事件に同時に対処せねばならないというのは,まさに理にかなったことなのである。

これも後期になるとだんだん崩れていくが,まあ当然だろうなあ。

この文章を書くにあたっては,「柳園の壺」の特別付録「座談会」と「真珠の首飾り」の解説(杉江松恋),その他を参考にしています。

時代,場所,登場人物などをフリーページのディー判事メモに簡単にまとめてありますので,ごらんください。
ロバート・ファン・ヒューリックの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (ロバート・ファン・ヒューリック)からごらんください。



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Last updated  2006/06/02 07:44:04 PM
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