2007/01/19(金)21:20
さくら草(永井するみ)
けっこうオーソドックスな「刑事もの」ともいえる,永井するみの「さくら草」(2006)を読んだ。
14歳の少女が殺され,その遺体がラブホテルの駐車場で発見される。
担当する刑事は(いっぱいいるが,主人公として),警視庁のベテラン刑事俵坂昭三と被害者がプリムローズの服を着ていることを指摘し,捜査の足がかりを作った江東署少年課の刑事白石理恵。
白石刑事は同僚の男性刑事にはぶっきらぼうのくせに,女性や年少者への質問はていねいで的確,一方の俵坂刑事は,最初彼女と組むのを嫌がって管理官と直談判をしたものの,いったんコンビを組んだら白石刑事に任せるべきところは任せ,編成替えで彼女が担当から外されそうになったときは「必要な人材」と提言するなど,要するにいいコンビなのだ。
プリムローズとは,十台前半の少女に人気のある高級志向のジュニアブランドで,プリロリ(プリムローズ・ロリータ)が存在し,ネット上で少女たちの写真やビデオが売買されてもいる。
マスコミはプリムローズの服を着ないようにとの論調を強め,逆にプリムローズの商品を買おうとする人々も増える中で,プリムローズのゼネラルマネージャーである日比野晶子はブランドとそのイメージを守ろうと必死になる。
そして,さらに事件が起こり……といった展開になるのだが,白石理恵と日比野晶子という,職種は全く異なるが自分の仕事に熱意をもっている2人の女性を中心に,ストーリーがうまくまとめられている。
ミステリとしては,「少女はなぜ犯人の誘いにのってしまったか?」の理由が意外かつ,解き明かされれば納得できるものであって,印象に残った。
永井するみの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (永井するみ)からごらんください。
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