ヘンリー・メリヴェール卿シリーズ長編22作品中5作目にあたる,
カーター・ディクスンの「パンチとジュディ」
(The Punch and Judy Murders,1937,白須清美訳)
を読んだ。
事件は1936年6月15日から16日にかけて。
イヴリン・チェインとの結婚式を翌日の午前11時にひかえたケン・ブレイク
(シリーズ第1作の「黒死荘殺人事件」(→日記はこちらから)の語り手)のもとにH・Mからの電報が届いたのが15日の午後1時。
卿の強引な呼び出しによってロンドンからトーキーまで出かけたケンを待っていたのは,「泥棒の七つ道具」をもってドイツ人の留守宅に忍び込むという指令。
だが,途中で自動車窃盗容疑で警察署に連れて行かれたり,目的の「カラマツ荘」に忍び込むと,死体が待っていたりと散々な目に会う。
やっとのことでH・Mと連絡をとることができたケンは,さらに列車でブリストルまで行くように指示され,駅ではロンドンからケンを追ってきたイヴリンと合流することになる。
その後もドタバタは続くのだが,最初不可能と思われた事件の状況が,次第に整理されメリヴェール卿によって解き明かされるのはいつもと同じ。
今回は犯人の意外性と,犯人に対するメリヴェール卿の態度に特徴があった。
また,結婚式の顛末については,結論があまりにもおもしろかったので,ここでは書かないことにしておく。
タイトルの「パンチとジュディ」は当時有名であったと思われる子ども向けの人形劇の登場キャラクター(またはタイトル)で,「現実味がないこと」を表しているようだ。
カーター・ディクスンの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (カーター・ディクスン)からごらんください。
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