2007/01/25(木)00:37
拝啓、父上様-第2話-
「1話,2話は見たものの3話目から見なくなってしまう人が数多くいるかも知れないなぁ……」というのが,2話目を見終わっての正直な感想。
なにしろ地味,というか動きがない(笑)
料亭「坂下」の後ろ盾であった大物政治家熊沢の死は,ドラマ全体の「前提」であり,ここで回復して元気になったりしたら,ドラマはそこで終わってしまうわけで,その意味では1,2話にはストーリー性というかドラマ的盛り上がりが全くないのは当然でもある。
ドラマの「前置き」に2話分を避ける制作サイドの余裕というよりも度胸には敬服させられるのだが,それを喜んでいる自分のような人間は少数派のような気がする(笑)
で,今後,雪乃が中心になって騒いでいるように「女将VS若女将」でドラマが盛り上がっていくかというと,それもなさそうだ。
対立構図は出てくるだろうけれど,「坂下」の中でただ一人病床の熊沢と会うことができた花板の竜次が,「坂下の売却→新坂下として名前を残す」という律子の構想を熊沢から聞き,花板を降りることを約束してしまっている以上,「流れ」は変わりようがないからだ。
その流れの中で,一人一人が自分の道を決めていくのだろうけれど,それをどのように収め,どのように盛り上げていくのか?
実は,そこらへんが気になって,自分自身は見るのをやめられそうにないのである(笑)
ところで,第2話を見ていちばん印象に残ったのが,タバコ。
出演者がおいしそうにタバコを吸うシーンが多い,今となっては実に珍しいドラマなのだ。
板前は「舌」を守るため吸わないという設定なのか,男でタバコを吸っていたのは政治家の真田だけだったが,雪乃,浮葉を始めとする女性陣の吸うタバコのおいしそうなこと……
今では嫌われもののタバコだが,江戸時代の初夢では5番目に縁起のよいものとされいたわけで,そこにも舞台となっている「神楽坂」の特殊性というか古さというかがさりげなく表現されている。
そして,古臭いといえば,「拝啓,父上様」に始まる一平の語り口の古さというか,硬さというか,若いくせに小難しい言葉を使って……というか(笑)
違和感を感じる人が多いと思うし,自分自身1話目ではちょっと違和感を感じていた。
ほぼ近い世代が抱く違和感はさらにそれ以上だろう。エリと時夫から同じ日に「大人」といわれたのは,彼らからすれば一平が「異邦人」であるということの宣言にほかならない。
しかし,エリお嬢さんから誘われて「初めて」といっていた一平を見て気づいたのだ。
7年目にして初めての「新入り」が時夫で現在23歳ということは,中学を出てからずっと「坂下」が一平の生活の場だったわけで,そこにいるのは竜次と保だけ(まあ,実際には仲居さんや芸者さんたちもいるしルオーさんもいるし……,それでもやはり大人ばかり,笑)!
朝の早さなどを考えると,中学時代の友達と頻繁に遊んでいることも考えられず,言葉が大人びてしまうのはある意味当然のような気もする。
そしてここにも,「特殊社会」に隔離された個人が描かれているわけで,フランス語を話す少女との出会いが一平をどのように変えるかにも興味がわいてくる。
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番組ホームページ:拝啓、父上様
キャスト
田原母子
一平:二宮和也 雪乃:高島礼子
坂下
坂下夢子(女将):八千草薫
律子(若女将):岸本加世子 保:高橋克実(娘婿)
坂下エリ(保と律子の娘):福田沙紀
小宮竜次(板長):梅宮辰夫
中川時夫(見習い):横山裕
しのぶ(仲居):黒瀬友美
芸者
浮葉:木村多江 ことえ:池津祥子
少女(フランス語を話す謎の少女):黒木メイサ
熊沢清次郎(政界の怪物,律子の父):小林桂樹
真田公正(代議士,雪乃の元旦那):小野武彦
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