2007/03/25(日)00:57
塗仏の宴(京極夏彦)-その2-
京極堂シリーズ本編第6作である,京極夏彦の「塗仏の宴」(1998)について,その1の続きです。
今回も,最初からネタバレだらけになります。また,「宴の支度」と「宴の始末」は同時に扱っています。
宴の時系列
6つの章から成る「支度」だが,出来事が起きた順に並んでいるわけでもない。
フリーページに「タイムテーブル」(→こちらから)をもとに時系列順に整理すると次のようになる。
しょうけら(三木春子の話)…3月20~22日
猫目洞で木場が三木春子に会うってから岩川警部補が工藤信夫を逮捕するまで。↓
うわん(村上兵吉の話)…4月中旬
一柳朱美が兵吉を見つけ,尾国が彼にかけられた磐田の術を解く。↓
ひょうすべ(加藤麻美子の話)…4月下旬
京極堂が尾国加藤にかけた後催眠を明らかにする。関口は1,3月にも加藤・宮村に会っている。↓
わいら(華仙姑と淳子の話)…5月24~26日
気道会に襲われた華仙姑と淳子が条山房に助けられてから,榎木津に保護されるまで。↓
ぬっぺっぽう(関口の話)…5月28日~6月10日
関口が妹尾の来訪を受けてから戸人村で意識を失うまで。↓
おとろし(織作茜の話)…5月27日~6月11日
茜が東野を調べるようにとの羽田隆三の依頼を受けてから絞殺されるまで。
「始末」では,関口が妹尾の来訪を受けた翌日の5月29日が最初のターニングポイントになる。
この日以降,淳子は条山房と,華仙姑は藍童子と行動をともにし,探偵榎木津も鬼刑事木場も姿を消してしまう。
6月14日にはいろいろな情報が京極堂のもとに集まり,翌15日榎木津の帰還によって京極堂は重い腰をあげることを決意する。
17日夜から18日朝にかけてすべてが明らかになる「宴」。
韮山から戸人村への行進では榎木津の活躍がやたら目立ったが楽しかった。
時代・場所,登場人物,妖怪などをフリーページの京極夏彦メモ2(塗仏の宴)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。
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