2007/04/13(金)01:06
コールドゲーム(荻原浩)
荻原浩の「コールドゲーム」(2002)を読んだ。
中学,高校と野球漬けで過ごし,神奈川地区予選二回戦を六回コールド負けで終わった高校3年生の渡辺光也は,小学校,中学校と一緒だった山岸亮太から喫茶店「シャングリラ」に呼び出され,中学2年生のときの同級生何人かが「トロ吉」に脅迫状を受けたあとで襲われたことを知らされる。
「トロ吉」こと廣吉剛史は中2のときクラスメートから苛めを受けていて,中3になると転校してしまった生徒で,苛めの司令塔は高校を中退して働き始め横浜に住んでいる亮太だったが,真っ先に狙われるはずの亮太のもとに脅迫状は届いていない。
亮太と光也に2年3組の悪ガキの一人だった清水郡平も加わって「北中防衛隊」を作り,元クラスメートを守るとともにトロ吉の居場所を突き止めようとするのだが,「復讐」はさらに進み……
と,あらすじめいたことをこれ以上書くとネタバレになりそうなのでやめておくが,4年の間に大きく,強くなったトロ吉の影に怯える元同級生たちの恐怖が実によく伝わってきた。
トロ吉の正体というか「実行」犯が両親であったことにはけっこうびっくりしたが,確かに伏線は貼られていた(笑)
怖さとしては,現実の行動よりもそれを死んだトロ吉があらかじめノートに記していたところだなぁ。
ところで,実はわたくし,「シャングリラ」のマスターが真犯人かな思い込んでいた「おばかさん」なのです(笑)
この人は「何かやりそうだ!」という気がずっとしていたからだけれど,クライマックスにあんな形で登場するとは思わなかったので,びっくりとともに、少し感動(笑)
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