2007/06/04(月)19:33
ハードボイルド・エッグ(荻原浩)
荻原浩の「ハードボイルド・エッグ」(1999)を読んだ。
滑稽でおもしろくて楽しく,最後にホロッとさせられる,「荻原調」全開の話。
タイトルからもわかるように語り手の最上俊平はフィリップ・マーロウに憧れる「探偵」で,体格もよく,「人ならぬもの」相手に日々奮闘。
捜索の依頼を受け,大きな「チビ」を倉庫で見つけて連れ戻すが,依頼主は消えてしまい,しかたなく預けた先から脱出した「チビ」に殺人の疑いがかかる。
再び捜し始める「探偵」の前には「警察」や「中塚組」が立ちふさがり……
と,ネタバレにならないようにかなりデフォルメした要約ですが……(笑)
「探偵」最上も含めて,誰も彼もがどこか「王道から外れている」のがなんとも,よい。
ハードボイルドを気取る最上は喧嘩にやたら弱く,行きつけの「J」のマスターはリュウ・アーチャーに憧れつつも,店を最後には「おでんの治作」に変えてしまい……
ダイナマイト・バディの写真で応募してきた秘書兼探偵助手として「大活躍」する片桐綾のキャラクターや,彼女と最上とのやりとりがとてもよかったのだが,詳しくは書かない(笑)
さらっと気軽に読める作品だが,ゲンさんや登校拒否の小学生の「適度」な活躍,柴原夫婦の変身,ガルシアの埋葬など印象に残る部分も多く,読後感もよかった。
荻原浩の作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (荻原浩)からごらんください。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
→ ミステリ・サスペンス・推理小説全般
(↑関連トラバの集積場所)
こちらもクリックをよろしく! →
このブログのRSSのURL → RSS
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
楽天ブックス
ハードボイルド・エッグ 荻原浩
記事関連のオススメ日記
ミステリの部屋(samiadoさん) 昼下がりの迷宮~(あむあむ108さん)
ヨカッタ探し(anna2号さん)