2007/07/29(日)00:27
カナスピカ(秋田禎信)
秋田禎信の「カナスピカ」(2007)を読んだ。
「魔術士オーフェン」や「エンジェル・ハウリング」で楽しませてもらっていた(ただし,どちらも途中で止まっている,笑)秋田禎信の「初の青春小説」ということで期待度も不安度も大!! だった。
最初に断っておくが,主人公の少女は中学2年なので「青春小説」のちょっと手前である。
また,講談社の紹介ページ(→こちらから)には「初恋ストーリー」とあるが,読んでみるとわかるが実は2回目である(笑,最初は幼稚園のとき)。
魔術師も精霊もいない「現実の世界」でどんな話を展開してくれるのかと期待し,また半分は「どうなるのかな?」という不安をもっていたのだが,主人公加奈が恋心を抱く相手が異星人が造った地形観測衛星だったことがわかり,やられた!! と思い,以降とっても楽しく読めた(笑)
「現在の日本の女子中学生が道ばたで急な雷雨にあい,雷に撃たれたアマガエルが男の子に変身してしまうのを目撃して彼に恋心を抱く」というとんでもない展開を許せないという人以外にはオススメの作品。
もちろん上記の「 」内は,驚きという読者の特権を守るための私の完全なでっちあげで,作品内に雷雨もアマガエルも出てきません(微笑)
黒いスーツにサングラスというMIBを思わせる集団が出てきたり,中学校の中での友達との微妙なかかわり方が出てきたり(「たり」でつないでいる割には関係ない,笑)読ませてくれる要素は本筋以外にもたっぷりある。
47064秒に1回空を見上げるのだが,これは13.07時間に1回ということ。しかも「1日のうちの」ではなく「歩いているうちの」だから,1日4時間外を歩くとして3日に1回。
カナスピカとの出会いがあったあとそれが2233秒に1回,つまり37分に1回になるのだから,加奈にとって,出会いが大きな変化をもたらしたといってもいい。
そこらへんが「テーマ」なのだろう。インパクトはちょっと弱いが,読後感のよいスッキリした作品だった。
ところで,カナスピカは地球の重力には影響されないのだが,彼の保ちたいとこだわっていた高さ26499メートルは静止衛星になる35786メートルのちょっと手前ということで,もちろん「高さ」はあとから調べたのだけれど,なんとなくうれしかった(笑)
秋田禎信の作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (秋田禎信)からごらんください。
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