123561 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

どんぽのばぶ5984のブログ

どんぽのばぶ5984のブログ

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

どんぽのばぶ5984

どんぽのばぶ5984

カレンダー

楽天カード

お気に入りブログ

「自由になるという… New! 森の声さん

あきらめない New! ブルーミント555さん

ほっとする音楽、猫… ショコラ0813さん
三文風信 miki mamaさん
● 安心なお米屋さん ●安心なお米屋さん

コメント新着

王様の新しい服2019@ Re:王様の新しい服 第1回(1/3)(08/16) 世界的には「The Emperoe`s New Suit 」と…
伊勢理咲子@ Re:伊豆キャンプ2019 キャンプ寸描レポート(08/01) バブさん、今年もお世話になりましたー(*^…
どんぽのばぶ5984@ Re:デイサービスで朗読 始めの一歩跳びました(07/15) 連日お会いしているご利用者さん達です。 …
どんぽのばぶ5984@ Re:二日前65歳10カ月になりました(07/13) たまたま今朝気が付きました。 明治後期か…
どんぽのばぶ5984@ Re:第27回朗読会ばぶの会  (報告)(05/18) 今回の朗読会で『なめとこ山の熊』を読み…

フリーページ

ニューストピックス

2019.08.17
XML
カテゴリ:ばぶさん童話

王様の新しい服 2019 The Emperoe`s New Suit  第3回 (/3)

 

 

原作 ハンス・クリスチャン・アンデルセン  

朗読台本  脚色 曵田原 宏  

 

 

詐欺師はまず布をはた織り機から外すふりをしました。

そしてハサミでショキッショキッショキンと切る真似をして

糸のついていない針で 

チクチクツンツン チクチクツンツン

チクチクツンツン チクチクツンツン

縫い上げ服を完成させました。

「♪ラッパラパッパ ラッパラパッパ ラッパラパッパッパー♪

たった今、王様の新し服が出来上がりました!」

その知らせに王様と大臣全員が大広間に

ざわざわ そわそわ どきどき と集まりました。 

 

詐欺師はあたかも手のひらの中に服があるかのように披露しました。

「あ~皆様、まずはズボンです。」

「は~い、続きまして上着です。」

「え~最後に…」

「マントです!」

「これらの服はクモの巣よりもはるかに軽いのです。」

「まるで何も身に着けていないように感じる方も

大勢おられるでしょう。 けれども、 世にも珍しいこの服が

『特別で、価値がある』という理由がまさにここにあるのです。」

二人の詐欺師は誇らしげに宣言しました。

「なるほど。確かにその通りだ。!」

みんなは声をそろえて感心しました。

とは言っても本当のところは何も見えていません。

もともとそこには何もないのですから。

ノッポの詐欺師が言いました。

「どうか王様、ただいまお召しになっているお洋服を

お脱ぎになってくださいませんか?」

デブの詐欺師もたたみかけるように言いました。

「よろしければこの大きな鏡の前で

王様のお着替えをお手伝いさせていただきたいのです。」

王様は身も心も軽やかに うきうきと服を脱ぎました。※♪小さな喫茶店♪

タラタ タッタン タターララッタン タターララッタン タターラ上着も    

タラタ ラッタン タターラ チョッキも タターララッタン タターラスカーフも

タタラ ラターラ タッタララッタ ラッタン タターラタラ タラララベルトも

タラタ ラッタン タターララッタン タターララッタン スッポンポンのポン 

ズボンも靴下もなにもかも

ぱっぱっ ぱぱぱと脱ぎ捨てて

瞬く間にパンツ一丁になりました。 

 

二人の詐欺師は

あれやこれやと新しい服を着つけるふりをしました。

着替え終わると王様は あっちからもこっちからも

鏡に映る自分の姿を興味津々覗き込み

実に満足そうに大きくうなずきました。

「な な なんと美しい!……よくお似合いです、王様。」

「この世のものとは思えないほどの美しさ。」

「色合いも、模様も、言葉ではとても言い表せません。」

「まさに素晴らしい服で目がくらくらしてしまいます!」

その場にいた誰も彼もが口々に褒め讃えました。

 

その時パレード係の隊長がやってきて王様に言いました。

「パレードの用意が整いました。」

「うむ、予も身支度は す・べ・てぇ~え おわったずぉ~~お。

どうだぁ皆の者、この服は予に似合っておるかな?」

王様は鏡の前で

バレリーナのようにクルッと鮮やかに回って見せました。

なぜなら王様は自分の服に

見とれているふりをしなければならなかったからです。

ラッパラパッパ ラッパラパッパ ラッパラ パッパ ダー

ラッパラパッパ ラッパラパッパ ラッパラ パッパ ドォヴァー

ズンツッツッツッツッツン 

ズンツッツッツッツッツン         ※♪ボレロのリズム♪

いよいよパレードの出発です。

お付きの召使はありもしない服の裾を軽やかに持ちました。

王様はきらびやかな天蓋の下、威風堂々と行進していきました。

 

街の人々は通りや窓から王様を見てこんな風に叫んでいました。

「ひゃぁ新しい王様の服は、  なんて…なんて珍しいのでしょう!」

「それにあの長い裾と言ったら、本当に良くお似合いだこと」

誰も彼もが自分には新しい服が見えないということを

気づかれないようにしていました。

今の仕事は自分にはふさわしくないだとか

自分は馬鹿だとか思われたくなかったからです。

「でも、おうさま、はだかだよ」

突然、小さな子供が王様を指さして言いました。

「だって、おうさま、はだかだよ。

おなかのまわりのお肉がプルンプルンしてるし」

「なんてこった!ちょっと皆の衆聴いておくれ、

無邪気な子供の言うことなんだ。」

横にいたその子の父親が思わず叫びました。

子供の言ったその一言が街中の人々の間に

ひそひそ ざわざわ ぞわぞわぞわぁあ っと伝わっていきました。

「おいっ、おうさまははだかだって・・・よ。」

「え?王様がどうしたってぇ?」

「おうさま は・・・はだか」

「はっ・だっ・かぁあ?」

「うん。はだか!」

人々は面白がって口々に言いました。

「王様は はだかだ」

「王様は はだかだ」

「王様は はだかだ」

ついに人々は大きな声で一斉に言いました。  せ~の。

「おうさまは は だ か だ」

王様は大弱りでした。

王様だってこの時にはすでに判りきっていたのです。

みんなの言うことのほうが間違いなく正しいと。

《でも、今更パレードを止めることなどできるものか》

と、そのまま、今まで以上にもったいぶって歩き続けました。

召使は仕方なく、ありもしない裾を持ち続け

恥ずかしそうにうなだれて

王様のあとをしょぼしょぼ歩いていきました。

 

 

ふと見上げると

どこまでも青い空に白い雲が一つ、

ぽっかりと 浮かんでいました。

                       

                     (おわり)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2019.08.17 20:40:52
コメント(0) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.