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あれこれ備忘録 ホスピス医のこころを支えるもの

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粗忽のたかびー

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2024.10.05
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テーマ:告知について(3)
カテゴリ:緩和ケア

約3週間前に登録のための体験入院をした70代男性。
心房細動があり抗凝固薬を内服していた。

胃がんが2年前に分かって化学療法を1年半続けてきて心機能も腎機能も悪化、半年前にホスピス初診外来を受診。その時は主治医に見捨てられたということですね、と話していた。
1ヶ月に一回、ホスピス外来を受診していた。

一ヶ月半前くらいから家でよく転ぶようになり、心配した家族から相談があり、半月待ってもらって入院した。

その時、本人は「抗がん剤をやめて半年も生きられるとは思わなかったです。あとは生きられるだけ頑張ります。」と話した。家族は「半年前に予後半年から1年と言われていたんですけど、こんなに急に悪くなるんですか?」と話していた。
病の軌跡を示して、ここからは週単位で悪くなります、一ヶ月を頑張れるかどうかです、と説明して退院してもらった。

そして4日前についに食べられなくなりホスピスに緊急入院。黒い便もでているとのことであった。胃がんからの出血でしょう、抗凝固薬のリスクがベネフィットを上回っているので、中止しましょう、と説明した。痛みも強くなっていたのでモルヒネの内服を始めた。一週間を頑張れるかどうかでしょう、と説明をした。

そして、今日は意識状態が悪化し、家族に再度面談、数日のうちにお別れになるでしょう、と。

そうすると家族が、抗凝固薬をやめたこと、モルヒネを始めたことが死期を早めたのではないか、と悲しい顔で言ってこられた。

もう一度、最初から1時間かけて説明をして、自然の流れであることを理解してもらった、と思う。

悪いニュースは伝わりにくいものなのだ。








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Last updated  2024.10.05 22:28:24
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