私はだいたい7時半には仕事場に着いて、コーヒーを飲みながらメールを確認したり、本を読んだりして、8時半の始業に備えている。
今日は出勤と同時に病棟から連絡があり、「Yさんが6時半頃に呼吸停止されました。ご家族が先生の診察を待っておられます。お願いできますか?」
夜中に旅立たれても、当直医には診察してもらわず、私に最後の診察をしてもらい、死亡診断書を書いて欲しい、ということなのだ。
そしてさらに死後の処置、いわゆるエンゼルケアをするのに小一時間はかかる。今日は私は外来。それが終わるのをご家族は待ってくれており、12時にお別れ会を開催し自宅に帰られた。
こういうパターンがホスピスでは多いのだ。
もう一人、Tさんも朝から呼吸状態が悪くなっていた。妻が昨日から泊まっており、外来に行く前に「来られる家族はみな呼んでおいてくださいね。」と声をかけておいた。
16時に呼吸停止されたが、そこで妻から直訴。「あと1時間くらいで長男が出張先から駆けつけるので、それまで最後の診察は待ってもらえますか?」
結局、来られたのは17時半。死亡確認し、診断書を書く。そして一息ついたところでもう一度訪室、ご本人とご家族に挨拶をして18時過ぎに帰路についた。
「ホスピスに来て先生に診てもらって、安らかに旅立ってくれて、最期も先生に看取ってもらって、本当に良かった!」とどちらのご家族からも感謝の言葉を頂戴する。
ご家族のグリーフケアとして大切なことである。でも、やはりそこは時間外労働、いつもより疲れはドッとくるのだ。