オリジナル・サウンドトラック 宙わたる教室 [ jizue ]
第9話 恐竜少年の仮設
三浦(仲野温)に実験装置を破壊され、怒りに駆られた岳人(小林虎之介)は他の部員とも衝突。誰も部活に来なくなり、科学部は空中分解してしまう。岳人は一人では直せない実験装置を前に「諦めることには慣れていたはずだったのに…」と涙を流し、学校にすら来なくなる。藤竹(窪田正孝)は7年前のある出来事と岳人を重ね、似たような道をたどらせてしまったことに胸を痛めた。そして悩んだ末、藤竹はある人物を訪ねる。
今回も素晴らしい内容でした。
実際、今から25年前、大学院に進んで実験をやろうとしたが、その原資となる金がなかった。
旧帝大以外、どこの大学、どの学部、どの教室も交付金は少ないし、大学院生では科研費も当たらない。
そうすると、教室の運営費用は如何せん、講師以上が獲得する科研費と、どこからかの寄付に頼るしかなかった。
誰に寄付をしてもらう?企業に頼らざるを得ないわけで。
そうすると、企業に金を出してもらえるような実験をせざるを得なくなる。
教授たちは自分たちのやりたいことよりも、企業の顔色をうかがわざるを得なくなり、卑屈にならざるを得なくなる。
その腹立たしさから、結果のでそうな実験をする教室員、大学院生を優遇し、結果の出せない教室員、大学院生には辛く当たるようになる。
そんなところに、データの捏造、パワハラ、アカハラが生まれる素地が作られていく。
このドラマはそういう日本の科学者に対するアンチテーゼである。
基礎研究にお金を出さなくなった日本は、論文の総数も減ったし、引用される論文も減った。数も質も落ちているのである。
科学教育費を増やすことが大事なのだが・・
総理大臣、文部科学大臣、ドラマを観てくれ。
明るい未来はまず行政が目覚めることにかかっている。