カテゴリ:地球に優しい
高校の化学の授業で、消石灰の水溶液(石灰水)に二酸化炭素を通すと、
二酸化炭素が反応して炭酸カルシウムの沈殿ができると習った。 Ca(OH)2+CO2→CaCO3 + H2O 消石灰というのは、運動場にラインを引くあの白い粉である。 これを水に溶かして、その中に空気を通せば、二酸化炭素が石灰水に吸収される。 だから、ビルの屋上などに設置されているクーリングタワーの水を石灰水にしておいて 屋上で、空気と接触させれば、空気中の二酸化炭素が吸収される。 公園の噴水を石灰水にしておいて、空気中の二酸化炭素を吸収させる。 あるいは、煙突から出る煙を石灰水に通して、二酸化炭素を外に出さない。 炭酸カルシウムになった後もさらに二酸化炭素を吹き込むと CaCO3 + CO2 + H2O → Ca(HCO3)2 という反応で、炭酸水素カルシウムとなって、さらに二酸化炭素を吸収してくれる。 どう?画期的でしょ! この原理を応用して、二酸化炭素回収装置を世界中に作れば 地球温暖化の原因となっている二酸化炭素の増加を抑制することができる!!!! でもね、よ~く、考えてみたら...... 炭酸水素カルシウムCa(HCO3)2は単体では存在できず、水溶液を加熱すると 二酸化炭素を発生して、炭酸カルシウムCaCO3に戻ってしまう。 また、消石灰Ca(OH)2は生石灰CaOを水に溶かして作る。 CaO + H2O →Ca(OH)2 で、この生石灰CaOは炭酸カルシウムを加熱して作る。 CaCO3→CaO +CO2 生石灰の製造の過程で二酸化炭素が放出されていたのである。 結局、石灰水による二酸化炭素の回収というのは、 元々自分が放出した二酸化炭素を捕まえているだけなのである。 つまり、トータルの二酸化炭素量は減らない。 な~あんだ。 化学的なこんな方法で二酸化炭素を捕まえるよりも 木を植えて、緑を増やし、植物に二酸化炭素を吸収してもらう方が コストも安くて、現実的に効果があるんでしょうね。 石灰水の話は比較的単純なので、無意味な技術というのが、簡単に見破れるのであるが、 少し複雑になると、見かけ上は省エネだったり、環境に優しかったりするが、 よ~く考えてみると、トータルでは省エネになっていなかったり、 環境に優しくなかったりすることも、あるかもしれない。 例えば、太陽電池発電や風力発電。 効率の悪い太陽電池や風力発電の場合は、製造のために使われる石油エネルギーの方が 発電による発生エネルギーを上回ってしまう時もあるのでは? →人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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