ステンレスとは?

鉄って赤さびが出て、時間とともに劣化しボロボロになちゃいます
鉄のばあいは赤茶色、銅のばあいは緑青色と
どの金属も空気中の酸素などと反応する性質があり変質してしまうようだ

「さび」とは金属が酸素などと反応し化合した結果できた「酸化被膜」化合物のことでした、

ところがところがアルミのような見た目で変化無しのような
同じ「酸化被膜」でも、さびるといわれるものと、さびないといわれるものとがありますが、
その区別は見た目で「きれい」か「きたない」かということによるようです。
サビないといわれるものも実はサビてはいるが見た目で判らないような化合物の性質の違いがあるようです、
(金や白金は単品でも化学反応(酸化)を起こさない物質ですが産出が少なく
ゆえに高価な貴金属、重量や硬度、コスト面から見ると使用目的により必ずしも優等生とは言いがたい面もある。)

そこでステンレスに注目して調べてみました
サビない金属と思っていたらちょっと違って「錆びにくい」が正しいようで
気になってちょっと調べてみました、
さびに強い鉄、ステンレス、なぜサビにくいのか?

食器等で18-8とか18-12ステンレスとかよく聞きますし
高級な物にはこの数字が誇らしげに刻印されています
さて、この数字は一体なにを意味するのか?

ステンレスは、Fe(鉄)をベースに、Cr(クロム)・Ni(ニッケル)などを混ぜた合金で
クロムを混ぜる事により鉄がさびるより先にクロムの酸化皮膜ができて腐食に強いのだそうだ、
(クロム 18%)に 、(ニッケル 8%)とかの比率で合金にすると、ほらこの数字18-8

鉄に対してクロムとニッケルの割合を表しているのでした。
(18-8は食器用に適した比率のステンレスのようで、さらに高級品では18-12がある)

なぜサビにくいのかというと
『鉄がさびるよりも先にクロムの酸化皮膜ができることを利用した時間差攻撃による結果です』
クロムは表面に強い酸化皮膜(不動態皮膜)ができるので、腐食に強い金属となるようです
(クロム比率を高くする事によりその効果は大きくなるがコストも高価となる)
ニッケルは酸化皮膜の生成をさらに高める役目があるようです。三位一体?

鉄の持つ弱点(美観、 強度、耐食性、耐衝撃性)が改良された比較的安価な合金でした

ステンレスの事がよくわかってきました。


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その道の権威曰く

『鉄に12%以上のCr(クロム)を含ませると、鉄が酸化するよりも先にCr(クロム)が酸化し、
表面全体に酸化クロムの膜(100万分の3mm)ができます。
この膜は、無色透明でとても薄いので肉眼では識別できません。
しかし、この膜は化学的に安定で(化学変化しにくい)とても強固です。
また、ち密で酸素を通さないので酸化鉄(さび)の発生を防ぎます。
この酸化クロム膜は加工・切断などでキズついても、
Cr(クロム)が適量(12%以上)あれば空気中の酸素と結合してすぐ再生します。
ただし、この膜を再生するときにステンレス内部のCr(クロム)の含有率は低くなっていきます。
ニッケルはこの不動態をもっと形成しやすくする働きをします。
このようにCr、Niの量が多いほど錆びにくくなるのです。』


『Cr、Niの量が多いほど錆びにくくなる』とありました
合金との意味合いから鉄より他の金属が多い割合になってくると鉄がベースでなくなって
よりコスト高の合金が出来てしまって意味が無くなってしまいます
ステンレスと言う名称の陰も薄くなってきますね。『脇役が主役になちゃ~…アカン』
ちなみに調べてみた
ステンレスと呼べるのは
クロムが12%以上、 35%以下の鉄系合金と定義
また、ニッケル含有率が20%を超えるとニッケル合金となるそうです。

ステンレス製品が高価になる理由は、
ステンレスは、鉄(軟鋼)に高価な金属を混ぜているため材料費が鉄に比べ高いこと以外に、
硬く靭性(ねばり)があるので加工の難しさによる要因が大きい。そうです
コスト面を考えると用途により使い分ける必要がありますね!

鉄に比べ強度があるため、鉄より薄い(細い)材料を使っても強度を得ることができる面がある。
比重7.93で、鉄の重さとほぼ同じ



ここからは専門的になってくる
ステンレス(Stainless)とはステイン(Stain)汚れ、とレス(Less)無いの造語
SUSとはStainless Used Steelの頭文字をとったもの(汚れの無い鉄とでも訳すのかな)

200番台 Cr-Ni-Mn系
300番台 Cr-Ni系
400番台 Cr系

代表的なステンレス鋼
JIS規格
ステンレスの材質記号は、SUS(さす)で
SUSの後に3桁の番号などをつけて、ステンレスの鋼種を区別する。
JIS規格だけでも、200余りの鋼種があり、一般的に使われ入手出来るものは数種類。

【SUS304】
Cr18%、Ni8%を含む。この含有率(%)をもって、(18-8ステンレス)と表すことがある。

SUS310S・SUS309S
Cr、Niを増やした高級耐熱鋼。1000℃くらいの熱に耐えるので、炉材や熱処理器具などの
過酷な条件で使われている。なお、耐熱性は、SUS304<SUS316<SUS309S<SUS310S 
の順。価格も順に高くなる。SUS310SがCr25%・Ni20%の合金で、それ以上の含有率のものは、
ニッケル合金の範疇になっていく。

【SUS316】
SUS304を基に、Ni量を増やし、モリブデン(Mo)を2~3%添加した鋼種。
SUS304より耐酸性、耐熱性が向上する。
化学薬品・海水などを扱う環境などで、耐久性・耐食性がある。

【SUS430】
Cr18%、Niなし。磁石がくっつく。(18-0ステンレス)
SUS304に比べ、耐食性に劣るが、安価なため、厨房(台所)用品・家庭雑貨などで多く利用されている。

SUS440C・SUS420J2
Cr13%の鋼種(マルテンサイト)で、焼き入れ(熱処理)で硬くなるため、バネ用途や刃物に
利用される。ステンレスのスケール(定規)や包丁・ナイフなどは、この材質のものが多い。

『ウィキペディア(Wikipedia)』
JISによる分類
JISによれば、ステンレス鋼は、その金属組織により次の5つに分類される。

マルテンサイト系ステンレス鋼 (martensitic stainless steels)
フェライト系ステンレス鋼 (ferritic stainless steels)

オーステナイト系ステンレス鋼 (austenitic stainless steels)
オーステナイト・フェライト二相ステンレス鋼 (austenitic-ferritic duplex stainless steels)
析出硬化ステンレス鋼 (precipitation hardening stainless steels)

この内、炭素の少ないフェライト系および炭素の多いマルテンサイト系のステンレス鋼は一般に
鉄(Fe)-クロム(Cr)合金のクロム鋼であり、

オーステナイト系ステンレス鋼は
鉄(Fe)-クロム(Cr)-ニッケル(Ni)合金のクロム-ニッケル鋼である。

ステンレス鋼として最も代表的なものは、オーステナイト系の18%クロム(Cr)8%ニッケル(Ni)の(18-8)ステンレス鋼である。

ステンレス材料例
記号 種類 代表的な化学成分
SUS201 オーステナイト系 Cr (16~18%)、Ni (3.5~5.5%)、Mn (5.5~7%)、N(0.25%以下)
SUS202 オーステナイト系 Cr (17~19%)、Ni (4~6%)、Mn (7.5~10%)、N(0.25%以下)
SUS301 オーステナイト系 Cr (16~18%)、Ni (6~8%)
SUS302 オーステナイト系 Cr (17~19%)、Ni (8~10%)
SUS303 オーステナイト系 Cr (17~19%)、Ni (8~10%)、Mo(0.60%以下の添加ができる)
SUS304 オーステナイト系 Cr (18~20%)、Ni (8~10.5%)
SUS305 オーステナイト系 Cr (17~19%)、Ni (10.5~13%)
SUS316 オーステナイト系 Cr (16~18%)、Ni (10~14%)、Mo (2~3%)
SUS317 オーステナイト系 Cr (18~20%)、Ni (11~15%)、Mo (3~4%)
SUS329J1 オーステナイト・フェライト系 Cr (23~28%)、Ni (3~6%)、Mo (1~3%)
SUS403 マルテンサイト系 Cr (11.5~13%)
SUS405 フェライト系 Cr (11.5~14.5%)、Al (0.1~0.3%)
SUS420 マルテンサイト系 Cr (12~14%)…炭素量によって細かく分類される
SUS430 フェライト系 Cr (16~18%)
SUS430LX フェライト系 Cr (16~19%)、TiまたはNb (0.1~1.0%)
SUS630 マルテンサイト系析出硬化型 Ni (3~5%)、Cr (15~17.5%)、Cu (3~5%)、Nb (0.15~0.45%)

代表鋼種の特徴および用途
SUS410 13Cr鋼の代表的な鋼種で、ねじ成形加工後、ねじ特性を具備させるため調質熱処理を行なう。

SUS430
18Cr系の代表的な鋼種で、圧造性は優れていますが、冷間加工硬化は小さい。
したがって、タッピングねじのようにねじ山強度、締付トルクを必要とするねじには適しません

SUS304
オーステナイト系ステンレス鋼の代表的な鋼種である。
当鋼種ぱ冷間加工を与えると硬化します。
このように冷間加工硬化性がいちじるしい材料をねじ成形加工した場合、成形時の変形抵抗が大きく、
工具類の折損、あるいはねじ頭部に圧造割れを生じます。したがってかんたんな圧造にしか使用できません。

SUS305 SUS304の圧造性改良型である。
冷間加工硬化性の改善を図るためにSUS304にNiを約3%多く添加したものです。
耐食性もNi添加によって多少向上しています。

SUS316
当鋼種は本来耐食性材料として開発されたものです。耐食性元素として、
Cr、Ni以外にMoを2~3%添加しており、組織的にも安定したオーステナイト組織です。
したがって冷間加工性が小さいために強度を必要とする小ねじには適用されません。

SUS305J1
SUS305よりも冷間圧造性の向上を目的として開発されたものです。
ナペ頭サラ頭十字穴付きねじのように、苛酷な加工に耐え、切削性も比較的良好です。

SUSXM7
18%Cr-8%Niに3%Cuを添加した材料です。
冷間庄造性に優れているため、ナベ、トラス頭十字穴付き小ねじ等の苛酷な圧造にも耐えるとともに、
305J1より圧造時の工具寿命の点でも優れています。

マルテンサイト系ステンレス鋼
マルテンサイト系ステンレス鋼は、高温に加熱後、急冷することによって、マルテンサイト変態により硬化します。
マルテンサイトは硬度が高くてもろいので適当な調質熱処理を行ない、靭性を回復させ、
良好な機械的性質を得て構造用鋼として使用される場合が多い。
耐食性はオーステナイト系ステンレス鋼に比べて劣るりますが、強度が高く、かつ耐摩耗性に優れています。

フェライト系ステンレス鋼
フェライト系ステシレス鋼は、焼なまし状態でフェライト組織を示し、焼人れによって硬化しない。
また冷間加工において多少の硬化はするが、オーステナイト系ステンレス鋼に比べて硬化は小さい。
フェライト系は、ステンレス鋼の中で圧造性は優れている分類に属し、苛酷な冷間成形加工にも耐え、
耐食性はマルテンサイト系ステンレス鋼より優れています。

オーステナイト系ステンレス鋼
この系続の鋼種は焼なまし状態で完全なオーステナイト組織を示し、焼人れによって硬化はしません。
オーステナイト系ステンレス鋼は冷間加工によっていちじるしく加工硬化を生じ、
冷間圧造成形加工が他の系統のステンレス鋼に比べてむずかしい。

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耐食性
テンレス鋼は実際には使用方法を間違えると「普通鋼よりも速く孔があく」ことがある。
ステンレスの「さびにくさ」はその「不働態皮膜」によるが
ある塩素イオン濃度と水があれば、不働態皮膜が破壊され、局部電池が形成されるので、
腐食は素地の内部に向かって進行する(孔食)など、使用条件によっては腐食する。
その対策として、Cr 濃度が高ければ皮膜がより強固になり、腐食しにくくな る。
また Cr、Mo には不働態皮膜を補修する機能がある
その環境に応じたステンレス鋼種を使用することで、腐食は防止できる。
当然ながら、環境を改善することも対策のひとつである。

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従来は「磁石につくのは安いステンレス」と言われていましたが、
近年では、磁石につくフェライト系の中にも Cr 量を高め、
Mo、Ti、Nb 等を添加して、耐海水性ステンレスの代表と言われてきた SUS316 よりも
耐食性の高い鋼種も実用されている。
オーステナイト系では、「スーパーステンレス」と呼ばれる、
チタンに匹敵する耐食性を有する高 Cr-高 Ni-高 Mo 鋼種もすでに使用されている。
(Tiに匹敵高耐食ステンレス鋼の例、Cr19%+Ni25%+Mo7%)常温強度はSUS304、SUS316に比べ30%程高


結局チタンの方が優秀な金属なのか重量も(同体積比)軽い、しかも合金ではない
硬く靭性(ねばり)があるので加工の難しさはステンレス以上に難解でそのぶん高額らしい。

 鉄   比重(20℃) (7.87g/cm3)
チタン 比重(20℃) (4.51g/cm3)

参考値(一辺が1センチのサイコロの重さ)
 プラチナ  比重(20℃) (21.45g/cm3)
  金   比重(20℃) (19.32g/cm3)
  銀   比重(20℃) (10.49g/cm3)
  銅   比重(20℃) ( 8.95g/cm3)
アルミニウム 比重(20℃) ( 2.70g/cm3)
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参考にしたページ
元素記号および比重表
www.coguchi.com/data_s/genso/index.html

鉄も調べて見ると奥が深い
例えば砂鉄って磁石でくっ付けて砂場等で集めた事があるでしょう、
雨ざらしになっているのに何故か(赤茶色ではない)錆びてないです、
鉄のフライパン、中華鍋、南部鉄等なぜか黒色ですがどうしてなんでしょう?

赤さび,主成分は含水酸化鉄(III)Fe2O3・H2O,赤色のあらい粉末で、はがれやすく,腐食は鉄の内部まで進行。
黒さび,高温酸化で生じる主成分が四酸化三鉄Fe3O4,ち密で内部におよばない。
性質の差には生成時の温度が大きく影響を与えているようです。

砂鉄や「たたら法」という独特の製鉄技法について詳しく解説されております。謎が解るかも、
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/tigaku2.html



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