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第 6 章


<籠の鳥> 作詞:千野かほる  作曲:鳥取春陽

 一 逢いたさ見たさに怖さを忘れ 暗い夜道をただ一人

 二 逢いにきたのになぜ出てこない 僕の呼ぶ声忘れたか

 三 貴郎の呼ぶ声忘れはせぬが 出るに出られぬ籠の鳥

 四 籠の鳥でも知恵ある鳥は 人目忍んで逢いに来る

 五 人目忍べば世間の人に 怪し女と指ささる

 六 怪し女と指さされても 実があるならこわりゃもの

 七 指を指されちゃ困るよ私 だから私は籠の鳥

 八 世間の人よ笑わば笑え 共に恋した仲じゃもの

 九 共に愛した二人の仲も 今は逢うさえままならぬ

 十 ままにならぬは浮世の定め 無理に逢うのが恋じゃもの

十一 逢うて恋して別れる時は なぜか涙が流れくる

十二 落ちる涙はまことかうそか 女心はわからない

十三 うそに涙は流れぬものを ほんとに悲しい籠の鳥 ほんとに悲しい籠の鳥



< 夢 >

 夢は叶うもの 願っても叶わぬもの

 たとえ叶わぬとわかってはいても

 たとえひと時 ほんのひと時

 夢をこの手に抱きたい

 たとえ叶わぬとわかってはいても

 僕の心が叶わぬことを認めない

 夢は叶うもの 願っても叶わぬもの

 一時の夢だとわかってはいても

 ひとたび君を 抱いてしまえば

 この時が 未来永劫続くものだと

 僕の心が誤解する



< 赤い月 >

 西の空 ネオンサインのすぐ上に

 黒い雲に溶け込むように 赤い月がぼやけて浮かぶ

 澱んだ漆黒のドロの海に だいだい色の絵の具を垂らしたように

 不気味に赤い月が 黒い雲に滲んでかすむ

 遠く離れた海辺の部屋から 君もこの月を見ているのか

 君の瞳には この月がどんな風に映っているのか

 君はどんな想いを胸に この月を見つめているのか

 君の肩を抱き 二人寄り添っていられるなら

 君の髪を撫で 優しく唇を重ねたなら

 この赤い月が 艶やかなバラの花に見えるのだろうか
  


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