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テーマ:今日のこと★☆(89677)
カテゴリ:日本の行事
鹿の角切り、である。
奈良は春日大社から贈られた鹿を飼育している。 野山はもとより奈良公園の敷地面積には到底及ばない、狭~い飼育檻で飼っている。 仔鹿が毎年のように生まれる。 近親交配である。 (今年になって、新しい鹿を入れたらしいが) つまりストレスモリモリの鹿達である。 牡鹿の角は3歳を過ぎれば枝が出て立派になってくる。 そしてもうすぐ発情期を迎える。 となると、勃発するのはメス争奪戦なのだ。 メスから見たら、角の立派さもオス選びのポイントだと思うのだが、傷つけ合ってはいけないので角は切っちゃうの。 殺鹿事件に発展するかもだし、檻を破壊するかもしれないしね。 まずは神事が執り行われる。 斎場を舗設し、神饌を供え、祝詞を奏上し、玉串に祈念を込めて捧げる。 参列者の後ろでは、市の関係者のミセス達がおでんを作り、甘酒を振る舞っている。 「オネエさん、おでん食べてって~♪」 返事は微笑みで。 (この格好で食べれる訳ねーだろ!) (食べたいけどさ。) この1日限定の、“角切り御守”と“つのきり手拭”も頒布している。 いよいよ別檻から、対象の鹿がまずは一頭だけ放されると、ドーン、ドーン、と太鼓を打ち鳴らしはじめる。 すると、地元の猟友会10人くらいがハッピにハチマキ姿、縄を使って巧みに鹿を追う。 既に立派な角が生えている訳だから、いつ胸腹を一突きされるかわからない。 檻の中の人々は命がけと言っても過言ではないだろう。 男、だね。 雰囲気的には、闘牛が穏やかになって間延びした感じかなぁ? されど、縄がかかり損なったり、鹿vs人の力比べになったり、突然鹿が身を翻して人に向かったりするのは、やはりハラハラするし、息を詰めて見入ってしまう。 逃げ回る鹿の角の先の方に、かろうじて縄がかかって追い詰めに入ると、太鼓の音が加速する。 (uzuは太鼓の音には特に興奮を覚えるので、ことさら昂揚感が増す。) いよいよ鹿が身動きできなくなると、角と脚と胴をそれぞれに持って、敷いてあるムシロに押さえつける。 鹿はかなり興奮しているので、隙あらばいつでも逃げてやる、って様子。 落ち着かせるために水を含ませると少しおとなしくなる。 そして晴れて、世話人(41歳以下既婚男性の地域選抜12名)の代表が白丁という白装束で、角を切る、という運び。 (のこぎり使用) 奈良では、“発情期を迎え気が荒くなった雄ジカが角で人を傷つけないように”とのことで江戸時代初期から行われているそうだ。 300年も行われている行事なのね。。。 本場のと違って、うちのは鎮守の杜の中で薄暗いし、会場も観客も10分の1くらいだけど。(^_^;) いやはや、あちらの鹿は半野生というのか、毛並が美しいね~☆ うちの鹿達も富士山にでも放してやれば美しくなるだろうけど、寒くて繁殖できないだろうし、苦情を言う人達も出てくるだろうし、行き場がないから、あんな狭い檻に閉じ込められて、獣臭を放っている。 かわいそうな子達だ。 でも山に放したら、一番に猟友会の餌食になっちゃうか。。。
最終更新日
2004年10月12日 23時43分11秒
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