郵政詐欺、遠藤)
郵政詐欺、遠藤)リョウさんがひさしぶりに、遠藤の事務所を訪れたときには、FMのあるところに引っ越ししたあとだった。このときは、のちにインターネットで注意がその少し後に呼びかけるのだが、遠藤が郵政詐欺にひっかかりはじめたところだった。「日本郵政保有の不動産物件を安く売却できる」と架空取引を持ちかけ、紹介料などを要求する手口の詐欺だったが、遠藤のところには北海道の元代議士横川議員の名刺などがあった。遠藤が被害にあった郵政詐欺は、「郵政に力のある国会議員がいるので縁故入札できる。1物件あたり300万円のエントリー料が必要」という話だ。遠藤のそれは1件について300万円を活動資金として出すというものだった。日本郵政は「裏取引などありえない。不審な点があれば問い合わせしてほしい」と郵政のHPでも注意が呼びかけたが、遠藤が日本郵政の不動産の動きを調べるとなにか、それらしい動きのものもあるため、なおさらだまされてしまったようだ。これで、1000万円とられている。つまりは、郵便局が民間になるときに郵便局の土地が、「不透明な事業者選定手続き」,「不当に安い譲渡価格」がその代議士の力によって行われる活動費といったものだった。その後「日本郵政の不動産を破格で払い下げさせることができる」ということで、購入資金をだましとるという報道があった。初回、林太郎さんがその話を遠藤から聞かされたのは、遠藤の会社が仙台市本町にあったときだ。「郵政に強い国会議員」とやらの名刺や大量にコピーされた郵政の所有する、あるいは、郵政の使用している土地のゼンリン地図がそこにあった。「これ、あやしいですよ」と林太郎さんは止めたが、「きみね、こういうときに出せる人間しか金は儲けられないんだよ」と、意見は変えることはなかった。一方で、かんぽの宿の明らかな不正入札や、社長が竹中平蔵氏の実兄の会社が、郵政の旧社宅を複数、破格の安値で2006年12月から07年1月までで買収していることが出ている。「そんなうまい話」はあることにはあるが、貧乏人人脈には決してそんな話はまわってこないと知るべきなのかもしれない。リョウさんが林太郎さんに遠藤を紹介したときには、もはや遠藤は行き詰っていた。あとで考えれば。低頭だったが、真摯に働くという感じではなく、楽して儲けるという気持ちのままだった。遠藤をはめたその詐欺師は、仙台の大年寺というところに住んでいた。この住宅の購入時期を考えると、遠藤の出した900万円もそれにあてられた可能性はある。遠藤は、ほとんど毎日そこに通い、大声で「○○!でてこーい」と叫んでいたため近所では有名になっていた。