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テーマ:最近観た映画。(40124)
カテゴリ:cinema
20日の日曜日、久し振りに京都シネマに行ってきました。 Once~ダブリンの街角で~ 貧しく寂しいストリートミュージシャンがもう一度ダブリンからロンドンへ 出てみようとするところまでの短いストーリー。 88分なのであっという間にエンドロールという感じでした。 主演の男性はグレン・ハザード。 アイルランドのバンド、ザ・フレイムスで活躍中のミュージシャンです。 チェコ移民の女性役はマルケタ・イルグロヴァ。 彼女も、チェコのSSWらしい。 監督も元ミュージシャン。 サントラもヒットしているようです。 始まりから現在好況のアイルランドとは無縁な雰囲気で 男性がストリートで歌うシーン。 昼間は誰もが知っているヒット曲、 夜にオリジナルを歌っている。 ボロボロで穴があいたギターを弾きながら。 好況だけに、労働力不足で移民が多いわけですが、 チェコ移民の女性がとても興味を持って彼に話、質問攻めに。 そして、音楽を通して心が通い始める・・・ というストーリーなのですが、 二人とも非常に素朴で好感がもてます。 一応ラブストーリーなのですが、 最終的にはラブストーリーというよりも 既婚で子供を抱える女性と恋人をロンドンに置いてきた 寂しさを抱えた二人の 日常的でありながら深い、人間同士の出会いだったという感じでしょうか。 結末はハッピーエンドではないけれど、 心暖まるものでした。 もっともキーとなる台詞が、 二人でバイクで出かけた海の見える美しい場所で 彼が彼女に習ったチェコ語で 「彼(チェコにいる夫)を愛してる?」と彼女に尋ねるのですが、 微笑みながら返した一言。 チェコ語なので彼にも観る人にもわからないのです。 もちろん、字幕も出ません。 さて、なんと返したのでしょうか? ネタバレはこの日記の最後にあります。 いくつか印象に残るシーンを挙げると、 ストリートで歌う彼に話しかけて 本職は掃除機の修理ということを聞き出した彼女は 早速翌日自分の壊れた掃除機をズリズリ引いて持ってくる。 まるで、犬でも連れているように。 とても、新鮮で微笑ましい映像でした。 その掃除機をズリズリしながら ピアノを弾きたくても高くて引けない彼女がいつも通う ピアノを弾かせてくれる楽器屋さんに行き 二人でセッションをする。 その時、彼女の中の音楽を愛する心と才能が 目覚めるのです。 セッションシーンは幾度となく出てきますが、 やはり心奪われました。 パブのような場所で次々と客が歌を歌うシーン。 カメラワークが良かった。 巣のアイルランドを見たような感じがありました。 面白かったシーン。 いざ、ロンドンへ出るためにデモテープを作成するにあたり バンドメンバーが必要、ということで シン・リジーの銅像の横で歌うストリートミュージシャンをスカウト。 シン・リジーってアイルランドの英雄なのねぇ・・・と思いました。 それか、皮肉ってたのかな・・・ ヴァン・モリソンとかU2ではなかったところが 何か面白かった。 彼が彼女の家に遊びに行ったときに(お母さんと小さな娘が居る) 隣人の同じチェコ移民たちがゾロゾロ 彼女の家にあるテレビを観に入ってくるシーンや、 そして、デモテープを作成するために借りるスタジオ使用料融資を依頼する場面も クスリとしました。 融資を頼んだ銀行員は実はミュージシャン志望?だったのか 突然ギターを弾きながら歌いだしたりしたのです。 始めは全く乗り気でなかったエンジニアーを唸らせやる気にさせたほど 最高のデモテープを録音出来た彼は 彼女をロンドンへと誘うのですが 結局彼女は断るわけです。 そのあたりが日常性を持ちながらありきたりの出会いにしていない この映画の良かったところでしょうか。。。 彼女は夫をチェコから呼び寄せ 再び家族で生活を始める・・・ 確か、10代かハタチそこそこの設定だったと思いますが、 強く逞しい女性です。 そんな彼女に彼はピアノをプレゼントするのです。 さて、海の見える場所で彼の質問に返した彼女の言葉は 「あなたを愛してる」 でした。。。 オフィシャルサイトはこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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