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2007/02/04
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カテゴリ:睡眠天国
ある通販番組を見ていたら、寝返りの少なさが安眠のバロメーターになるようなことを言っていた。
その番組では、睡眠時に何度か眠りが浅くなって目が覚めるのと寝返りを結びつけて、寝返りの回数が少ないほど安眠していると結論付けている。
だが、本当にそうだろうか?
そもそも寝返りと言うのは、身体の同じ面をずっと下にしていることで、その面が圧迫され、皮膚に血液が十分流れなくなるのを予防する効果がある。
寝たきりの病人の身体の向きを変えてやるのは、もちろんこれに起因することからだ。
身体の同じ面をずっと下にしていることで、その面が圧迫され、皮膚に血液が十分流れなくなると、やがては、その部分が損傷を受けた状態となってしまう。
いわゆる“床ずれ”などと呼ばれる状態だ。
つまり寝返りには“床ずれ”を予防する働きも持っているのである。
ところが、この寝返りを安眠していないからだと結論付けての主張。
これは、少しおかしくないだろうか?
人間に限らず生き物の睡眠は、常に深い状態と言うのはあり得ない。
本来は、眠りが浅くなったり深くなったりを波のように繰り返すものなのだ。
その眠りが浅くなった時に寝返りをうつ。
これは、前述のように本能的に必要な行動だ。
この行動が抑制されるということは、大局的に見て好ましいとは言えない可能性がある。
即ち、ずっと同じ面を下にしたままで寝ているのと同じ状態になる訳だ。
寝返りを抑制するのとしないのとでは、どちらが身体によいのかは火を見るより明らかだろう。

商品を売りたい気持ちはわかる。
だが、強引に捻じ曲げて結論付けるのはよくない。
それでは、どこかの捏造番組と一緒である。
ましてや素人には簡単に検証できないのだから、いい加減な根拠を振りかざしては欲しくないものだ。





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Last updated  2007/02/04 06:44:12 PM
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