間違いだらけの入浴時間
一日のうちで一番入浴に適した時間帯はご存知だろうか?世間では、夕食後に食休みしてから入るのが一般的といわれている。かくいう私もかつてはそうだった。だが、実はこの時間帯に入浴するのはあまり望ましくない。殊に冬場は避けた方がよいという。それと朝眠気覚ましに入浴またはシャワーする人もいる。これも(冬場に限るなら)健康にはよくないのだ。入浴すると身体が温められる。温められた身体は血流がよくなる。血流は温められた血液を身体に送り、身体全体が中からも温められる。風呂から出てしばらくの間、ぽかぽかと身体が暖かいのはこのためだ。しかし、同時に周囲の空気によって熱がどんどん奪われ始める。熱が奪われる前に保温すれば問題ないが、身体が温まっているのでクールダウンを求めてしまう。結果、湯冷めすることとなる。これは外気と体温の差が大きいほど顕著だ。つまり外気と体温の差が小さければ湯冷めするリスクが軽減されることを意味する。ここから考えれば、入浴に適した時間はなるべく気温が高いうちに入るに越したことはない。もちろん一日のうちで一番気温の高い時間に入るのは休みの日でもなければ難しいに違いない。それゆえ、自分自身の生活リズムの中で可能な限り気温が高い時間帯を選んで入浴するよう心がけたい。そういう意味では、帰宅してすぐに入浴するという昔の人の習慣は実に正しかったのだ。当然、どんどん気温が低下する夜遅くや一日のうちで一番気温の低い朝は入浴に適さないことが明らかだろう。布団に包まっているから体温が下がらないということもなく、風呂上りだから防寒着を着るということもあるまい。自ら湯冷めする危険を冒していることになるのだ。加えて温度差は、心臓麻痺などの危険性も孕んでいる。浴室と脱衣所の温度差を少なくして、これらのリスクも軽減しておこう。