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坂本龍馬(RYOMA)♪旧司法試験合格までの日記

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2009.07.26
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カテゴリ:司法試験
一 乙の罪責

1 乙が、甲と共謀して、Aの頭部を殴りつけた行為(第一行為)は、不法な有形力の行使にあたるので、暴行罪の共同正犯の客観的構成要件(60条、208条)に該当する。
 もっとも、乙は、Aが甲・乙に殴りかかった「急迫不正の侵害」に対して自分たちの身体の安全という「権利」を守るために反撃したので、正当防衛(36条1項)が成立するか。
 この点、乙は、Aが殴ってきたのに対し、木の棒でAの頭を殴る反撃をしており、「やむを得ずにした行為」とはいえないので、正当防衛は成立しない。しかし、「防衛の程度を超えた行為」(36条2項)にあたるので、過剰防衛が成立し、任意的減免の対象になる。

2 次に、乙が、丙とともに、Aの頭部を殴りつけた行為(第二行為)は、傷害致死罪の共同正犯(60条、205条)が成立するか。
 まず、第二行為は、第一行為と一体となる過剰防衛の対象として取り扱うべきではない。なぜならば、Aが倒れ込んだ後は「急迫不正の侵害」が止んでいるからである。
 ここで、傷害致死罪のような結果的加重犯に共同正犯(60条)が成立するか。結果的加重犯は、基本犯に重い結果発生の危険があるので、相当因果関係のある結果が生じたときに重く罰する趣旨である。とすれば、共同行為と相当因果関係のある重い結果が生じたときは、共同正犯の成立が認められる。
 では、因果関係が認められるか。Aの死亡結果は、だれの行為から生じたか不明であるから。第二行為との間に相当因果関係は認められない。そうすると、暴行罪の共同正犯に留まるとも思える。

3 しかし、乙は、第一行為と第二行為にわたって共同正犯としてAに対する攻撃に関与しているから、A死亡結果を帰責できる。
 よって、乙には、第一行為と第二行為を包括して傷害致死罪の共同正犯(60条、205条)が成立する。そして、第一行為の限度で任意的減免の対象となる(36条2項)。

二 甲の罪責

1 甲が、乙と共謀して、Aの頭部を殴りつけた行為(第一行為)は、不法な有形力の行使にあたるので、暴行罪の共同正犯の客観的構成要件(60条、208条)に該当する。
 では、正当防衛(36条1項)が成立するか。
 甲は、この機会を利用してAに怪我を負わせてやろうという積極的加害意思を有していたので「防衛するため」といえるか。正当防衛の成立につき「防衛の意思」が必要か、必要であればいかなる内容か、が問題となる。「…ため」の文言から、必要と解する。そして、その内容としては、「急迫不正の侵害」が存在することから、これに対し対処する認識で足り、攻撃の意思とも併存しうるが、積極的加害意思まで存在するときは、もはや「防衛のため」とはいえず否定されると解する。本件では、甲は、積極的加害意思を有するので、正当防衛は成立しない。
 次に、乙に過剰防衛が成立することから、甲にも過剰防衛が成立しないか。共同正犯は「正犯」であり、狭義の共犯における要素従属性は問題にならないので、過剰防衛の成否は個別的検討すべきである。したがって、乙に過剰防衛は成立しない。

2 では、A死亡の結果を帰責できるか。
 第一行為とA死亡の結果との間の因果関係は、不明である。
 第二行為については、「反撃するため」という第一行為の共謀が及ばず、共同正犯は成立しない。
 そこで、同時傷害特例(207条)により帰責できないか。まず、共同正犯関係がある場合にも、207条は適用される。単独犯に適用があるのに、より帰責範囲が広がるはずの共同正犯関係がある場合に適用がないとすれば、不均衡だからである。次に、致死結果にも207条は適用される。致死は、傷害のさらなる加重結果だからである。
 したがって、第一行為と第二行為の間に207条を適用し、A死亡結果を帰責できる。

3 よって、甲には、傷害致死罪(60条、207条、205条)が成立する。

三 丙の罪責

1 丙が、乙と共謀して、Aの頭部を木の棒で殴打した行為(第二行為)は、暴行罪の共同正犯の客観的構成要件(60条、208条)が成立する。
2 では、丙がすでに第一行為によってAが路上に倒れているのを認識のうえ加勢したことから、第一行為もふくめて承継的共同正犯(60条)が成立するか。
 共同正犯が一部実行の全部責任を問われる根拠は、共同実行の意思のもと相互に利用補充しあって犯罪を実現する点にある。ところが、後からの加勢者には、先行行為について共同実行の意思も相互利用補充関係も認められない以上、承継的共同正犯は成立しないと解する。
 したがって、第一行為もふくめて承継的共同正犯(60条)が成立することはない。
3 しかし、207条により、A死亡の結果まで帰責できる。
 よって、丙には、傷害致死罪(60条、207条、205条)が成立する。
                     以上(75行、50分)

非公開日記 (半角10000文字以内)
本試験基準で25点。なんの面白みもない、ふつうの答案。うでの運動。






Last updated  2009.07.27 06:41:23
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