2008/03/18(火)13:34
『4コマ哲学教室』
哲学書コーナーに不似合いなブタの絵に惹かれ、家に連れて帰りました。
4コマ哲学教室
南部ヤスヒロ+相原コージ 共著
高校教師の南部ヤスヒロ氏が、相原コージ氏の4コマ漫画を教材に
哲学を優しくレクチャーしてくれる本です。
「俺は何のために生きているのか」
社会に背を向け、人類永遠のテーマとも言えるこの問いの答えを探しに
旅にでた青年「浩」は、養豚場の「ブタ公」と出会います。
「俺は食われるために生きてるよ」
悩む浩とは対象的に、ブタ公の答えは明快であり、
淡々と言う様子はショッキングでもあります。
ここから、生きる意味を探す浩と
食われる運命も受け入れている、ある意味悟りきったブタ公の
凸凹コンビの旅が始まります。
4コマがシリーズになっていて、
「ブタ公、分かったよ、俺は○○のために生きているんだ」
という浩と、それに対するブタ公の答え、という問答形式で進んでいきます。
このブタ公の答えが、理路整然としてシビレちゃうんですね。
この問答に、哲学の理論を重ねて南部氏が解説してくれます。
(心理学もちょっと入っているようです)
様々な理論のエッセンスの部分が分かるので、
興味を持ったら、専門書に進んでね、というまさに哲学の入り口に
いざなってくれる内容になっています。
もとは南部氏が、自分の生徒たち、つまり高校生に
哲学に興味を持ってもらおうというところから作られたのだそうで、
身近に哲学が感じられるという点で面白いのではないでしょうか。
相原氏の漫画は、昔「コージ苑」くらいは読んだ記憶があるのですが、
もう内容は覚えていません。
この4コマ漫画は「漫歌」生きる意味シリーズの中からの抜粋。
他のも読んでみたくなってしまいました。
最後、涙もろい私はウルウルしてしまいましたよ。
短いやり取りの中に、いろいろ考えさせられることがあります。
何度も読み返したくなる本です。