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2006年03月06日
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カテゴリ:恋愛系
さて、胃もたたれて太田胃散でも必要そうなげっそり長い日記(しかも70%くらいコピペという)の後に、突然こんな日記です。

以前、ちょっと書いたのですが、最近暫く、いや結構長い事、音楽の妖精が耳元で囁いてくれなかった、歌声を俺も聞き取れなかったのです。

予感だけはあったのだけれど、今日、一気にそれは覆って、その上、3歳の頃だったか、ヴィクターの電子オルガンを滅茶苦茶に押さえていた頃から、曲がりなりにも、自分は音楽を続けて来た事に、間違いはなかったのかもしれない、何より、そのころからずっと音楽を愛して、続けていて良かったと今まで曲を書いてきた中でも特別な感慨を持って思えた。

で、私にとって癒しの女神なあの人なわけですが、私が音楽書く事知って、自分も表現したかった、みたいなことを一度言わはったことがあるんです。別に今からやっても遅くないじゃないですかって言った。そしたら、昔こんな詩を書いてたことがあるんですけど・・・って控えめにいくつか詩を送ってくれていたのです。曲になりますか?って言われてええ、きっと少し言葉をいじるようになるかもしれませんが。と言ってあったのです。

最初、その詩を読んでとてもその言葉には共感したのですが、”歌詞にするには歌詞っぽく編集しなきゃ曲出来ないかなぁ”と思ったからなのです。

今考えると、音楽の横暴です。男が何故男らしく在らねばならない?とか思っているような私が、歌詞が歌詞らしくないと、等という事を思ったのです。なんたる愚かさ。

前のカウンセリングでも先生と少し話した事で、今日の胃もたれ12000文字日記でも書いたように、ジェンダーなりなんなり社会の”常識”の枠に収まるのがものすごくいやな俺なのに、音楽、詩、そういう、自分のクリエイトするものを枠に入れる、常識に納めようとするなんて、なんて事だろう、恥ずかしい。と思ったのです。自由でいいじゃないか。形式なんてクソ食らえでも良いじゃないか。

そう気付いたのです。そんな私をカウンセラーの先生はとても楽しそうな顔で

”目が輝いてる”

と仰って下さった。



昨日までの日でちょっと思いついたギターリフを発展させて、”形式的”なインスト曲を一曲作った。AメロがあってBメロがあって、展開して戻って終わる。自分の何かを確認する為のまずは、っていう無理のない儀式。ギターの録音の仕方、自分を追いつめすぎない新しい感覚を発展させ、カンも取り戻すリハビリ。

そんな大したことない曲かもしれないし好みじゃないかもしれないそれに、まだもう少し途中だけど、って言って昨日その人にあげた。

今日はそれを仕上げるかなぁって思っていたのだけれど、その人の言葉を、詩を見ていたら、

「ああ、俺もう、下らない枠に捕らわれずにこの言葉を音に出来る」

って確信した。

その瞬間から、すぐ妖精の声が戻って来て、耳元で囁くように、溢れ出すように歌ってくれて。私は、逃さないように、急いで急いで、鍵盤でそれを確かめて、急いで打ち込んで行く。コヒーメーカーで珈琲淹れてたのを忘れて煮詰まりそうになっていたのを回収して一口飲んで、また、耳を澄ませて、どんどん、打ち込んで。一時間だったかもしれないし30分だったかもしれないし、2時間か3時間だったのか自分でも解らない。けれど、兎に角、妖精の歌がその人の言葉に合うまでずっと聞き続け、鍵盤を押さえ、打ち込み、どんどん溢れる旋律に構成がどうなるとか形式がどうなるとかそんな事を考える暇も、考えるつもりもなく、それは出来上がって。

兎に角、その、メロディーと、コードの響きだけが最小限、聴き苦しくないように音だけ調整し、純粋にメロディーだけを聴いてもらって、曲にジャンルのイメージを感じないように慎重に音色を選んで、録音した。

妖精が耳元から離れて、私もこの世に意識が戻る。いつでも聴かせられます、とメッセージを打って、存在を忘れていた珈琲をチョコレートを食べて。映画を見てたその人からメッセージが来て、いつでも送って下さい、と。

まだ、本当に最小限の骨子だけ。でも、聴いてほしくて、でも気に入ってもらえるものか、ドキドキしながら送って。


素敵な曲、感動です、って来て。そこまではお世辞でも言ってくれるかもしれないのだけれど

突然、

「涙止まんない」

って。詩を書いた時の気持ちをそのまま音にしてもらった感じだって言って貰えて。曲を聴いて泣いたのは某バンドのある曲以来だって言われて。俺もそのバンドは自分がこうやって今も音楽をやっていることに大きな影響をくれたバンドだったから、とても嬉しくて。

それより何より、自分の曲で喜んでもらえたり、感激して貰えた事はあったし、それだってとても嬉しかった。けれど、今まだ私はあの人に手が届いてるわけじゃない、心開くのもその人はためらっている、自分の想いだって叶うかどうかなんて解らない、それでも自分にとって今とても大切な人が、自分の音で、涙を流してくれた事になんとも言えず胸が満ちるようで、でも締め付けられるような感覚に襲われて、私も涙が出てきて。

なんか、今まで音をやってきてきっと良かったんだと。今までで一番強く想ったかもしれない。

チョコ貰ったわけじゃない。そのころはまだ好きだとか想ってなかったかもしれない。けどなんか14日までに何か形にして、あの人に送れたら良いなと思ったりしている。

勝手に好きになって、いつも想ったら好きだって言うし、誰にも開きたくないっていう彼女の心を開いてほしいと望んでいて、傍らに居てくれれば良いなと想っている私。かなりのラテン系変人。それでも私を嫌わず「いいですよ」「ありがとうございます」って言ってくれる彼女への、せめてものなにか。

私に出来るなにか、音、音楽。

大切な人に響くなら、野心や欲、形式や枠、今、必要のないものなど全て取り払って、ただ、音だけを感じ取って、それを書き留める、そのことに自信を持てる。


† † † † † † † † † † † † †




ぼくは地図帳拡げて オンガク


きみはピアノに登って オンガク


ぼくはリンゴかじって オンガク


きみは電車ゴトゴト オンガク



待ってる一緒に歌う時 ハハ


待ってる一緒に踊る時 ハハ



(坂本龍一 : ONGAKU)



† † † † † † † † † † † † †







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Last updated  2006年03月06日 22時07分04秒
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