「エイジ」 重松 清
ニュータウンで起こる通り魔事件や家族や友人とのやりとりの中で「キレる」という意味を考える少年 エイジの物語。軽い語り口ながらテーマは深く、この作品を表現するには解説にあるように「コドモがオトナに変態するプロセスを描いた傑作」という一言に尽きる。人間は生きていくうちに次々に役割が求められる。「○○家の息子」「○○学校の生徒」「○○君の友人」といったように生きる年月が増えるに連れて増えていく。中学・高校あたりがそういった役割に縛られていく自分を感じて一番戸惑う年代ではないか。作者はその年代の心理を見事に描ききっている。たまにその役割を切ってまたすぐに結びなおす人と役割から逃げてしまう(引きこもりやキレて犯罪を犯す等)人・・・その違いは紙一重ながらそれを区分けする壁はあるはず。おすすめする方 :小中高くらいの子供がいる・・・もしくは将来 子供を持つ方おすすめしない方:子供より自分が「キレる」方5段階評価:★★★★★