カテゴリ:食の楽しみ
少し気取ったタイトルになってしまいましたが、今日はフランス料理によく使われる変わった食材のお話。
アーティーチョークというのはフランスではアルティショーと呼ばれているようですが、チョウセンアザミという花の蕾(つぼみ)のことです。蕾と言っても小さなかわいらしいものではなく、ユリ根ぐらいの大きさの、見た目もユリ根のように何層も分厚い花弁のようなものに包まれており、皿の上にそれがデンと載っていると結構存在感があります。 フランス料理によく使われる食材として小説とかパリ滞在記などに出てくるので、どんな味か興味を持っていたのですが、なかなか食べる機会がありませんでした。 今から7年前の7月、3度目にパリを訪問したときにようやくそれを食べる機会に恵まれました。 7月の上旬で、街はバカンス気分に溢れ、シャンゼリゼ通りではパリ祭の桟敷作り(ちょうど阿波踊りの観客席の桟敷と同じようなもの)の準備が始められていましたが、こちらは仕事のためかいささか緊張した日々を過ごしていました。 夜は連日会食で、招待してくださるフランスの人達の心遣いとは思うのですが、なぜか日本料理の店ばかりでした。 当時パリ日本文化会館の館長をしておられた磯村尚徳さん(元NHK)の顔も見えましたので、結構なお店に招待されていたのだとは思いましたが、こちらは「折角パリに来たのだから今度こそ本格的なフランス料理を食べたい」という思いが募るばかりでした。 そこで、パリ滞在の最終日の夜に、気心の知れた仲間と初めて本格的な三ツ星レストランに出かけることにしました。 その店(名前は覚えていません)で私が注文したのは、スープとフォアグラのソテイ、そして念願のアーティーチョークでした。初夏がアーティーチョークの旬の季節ということもその時初めて知りました。 フォアグラは外側がこんがりと焼き上がり、その香ばしさとじんわりとにじみ出る脂肪、ねっとりした食感が渾然一体となって素晴らしい味でした。 さてアルティショーですが、見た目は冒頭に書きましたようにユリ根を茹でたようなものがデンとお皿に乗って出てきました。ソースは大きなつぼみの周りにかけてありました。食感はユリ根のようなモチモチした感じではなく、キャベツの皮を分厚くして茹でたような感じでした。 少し、ハーブの匂いがしたような、こじつけのようですがアザミのにおいがしたような気がしましたが、味は正直言っておいしいものといえるほどのしっかりしたものではありませんでした。 アーティーチョークはハーブとしても使われ、肝臓の機能を助けたりするとも言われていますので、ワイン好きのフランス人には人気があるのかもしれませんが、食材としては若干期待外れであったというのが結論です。 結局、パリで私が最も気に入った食事は、インターコンチネンタルホテルのビュッフェ形式の朝食で、カリカリの分厚いベーコンと堅いフランスパン、そしていろいろなフルーツや野菜サラダ、これを好きなだけ食べれるのが、滞在中の一番の食の楽しみでした。 楽天市場にもありましたので、フランスブルターニュ産とイタリア産のアーティーチョークの写真を載せておきます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.01.11 19:01:01
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