カテゴリ:サプリメント
2月20日の「あるある大事典」でアルファリポ酸が内臓脂肪の減少によいことが紹介されていました。
α-リポ酸はサプリメントとして二つの特性を持っていると言われています。一つは抗酸化作用でありもう一つは糖の利用を高めてエネルギーを産生する作用です。 後者については、糖が細胞のミトコンドリアでエネルギーに変換していく過程で重要な役割を果たすピルビン酸デヒドロゲナーゼという酵素やTCAサイクルに不可欠なアルファケトグルタール酸デヒドロゲナーゼという酵素を助ける5つの補酵素の中の一つであることから、エネルギー産生系に重要な物質ではないかと考えられているわけです。 しかし、このような生化学的なメカニズムが分かっていても本当に人に投与した時に糖の利用などが高められるのだろうかという疑問はあります。 そこで、いろいろ文献を調べたところ、ネズミやウサギを使った実験ではその作用を示唆する結果も多く報告されていますが、ヒトについては「あるある実験」のようなわかりやすい(?)報告は見当たりませんでした。 しかし、ドイツのゲーテ大学(フランクフルト)の内科のグループの研究により、次のような興味ある臨床試験の結果が報告されています。 日本人成人にも多い2型糖尿病(インスリン非依存性)の患者群にアルファリポ酸600mgを4週間投与したところ、ブドウ糖負荷前後の血中の乳酸やピルビン酸の濃度が45%低下した。 ちなみにアルファリポ酸を投与しなかった2型糖尿病の肥満患者群では、ブドウ糖負荷後の乳酸、ピルビン酸の濃度は2倍に上昇した(それだけ糖のエネルギーへの利用が悪いということ)とのことです。 Konrad T, et al.:Diabetes Care. ,22(2):280,1999 "alpha-Lipoic acid treatment decreases serum lactate and pyruvate concentrations and improves glucose effectiveness in lean and obese patients with type 2 diabetes." この結果は、アルファリポ酸の生化学作用が実際に肥満した糖尿病患者などによい作用を及ぼしていることを示唆してくれるものですが、肥満の予防・改善に本当に効果があるかどうかについては、プラセボ(偽薬)を用いた客観的な比較臨床試験などが待たれるところです。 アルファリポ酸のランキングをチェック【楽天】 TOPへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.01.16 19:12:17
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