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ガンっ の後だから普通の日常

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2006.12.17
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年末だからって第九を聞きに行くという習慣はなかったのですが、青少年のための音楽会という演奏会の招待券を頂きました。ゴル吉と夫婦の三人で行ってきました。市民参加のオーケストラと合唱で、ソロにはプロの歌手が入っていました。一流の演奏という類ではないけれど、とても良かったです。

ベートーベンは気難しい、ゴル吉はちゃんと座って我慢して居られるかしら、と心配していました。家にあるCDで聞く第九は、オーケストラの重厚な堅苦しいフレーズがしつこくしつこく繰り返されて、その後に『喜び(フロイデ)』の合唱が来ます。そういう曲だと思っていました。苦悩の後に律儀な喜びが来る、そういうのがベートーベンなのだな、と。

でも、違っていました。
始めの方から、必ずしも音は揃ってはいませんでした。でも、音楽として楽しかった。しつこいフレーズと思われたものは実はサービス精神たっぶりの、色々な音の仕掛けでした。ほらほら、こんな音はどうですか、と次々にご馳走を出してくれる感じです。チェロが10台、コントラバスが8台入っていたので、フレーズの掛け合いがはっきりと聞きとれたのかもしれません。バイオリンや金管に時折見られる乱れを忘れて新鮮な気持ちで聞き入りました。

その後の合唱部分、すごかったです。

一つには、人数。そのオーケストラの専属の合唱団の他に、市民からなる合唱団が加わって、全部で千人近くは居ました。白髪の方も、数人の制服姿の高校生らしい方も混じっていました。

その合唱で『喜びの歌』を歌い上げるのです。プロフェッショナルのソロに負けない迫力でした。チェロとの掛け合いは楽しかった。あの合唱に対抗するにはなる程10台いると思いました。

フロイデ、フロイデ、と歌い上げるのを聞いていて、ガン患者が、自分の経験は大変だったけれどそれでも色んな大事な事に気がつくことができた、良かった良かった、と言うのに似ているな、と思ってしまいました。そうまで喜び、喜び、と言わねばならないのは、本当は苦しみから逃れることができていないからではないのか、と。

でも、そう思ってしまうのは、単に私がひねくれていて、自分が迷いを抱えているからに過ぎない、と思いました。そこに歌われている歌は、まさに喜びを脳天気に喜んでいる歌でした。ベートーベンがこんなにも、健康的で健全で楽しい気持ちを持った人であったことを、初めて知りました。
そういえばその前のオーケストラの部分も、苦しい事の記憶も、後で昔語りをする時には、まるで楽しい記憶であるかのように語れるということを示してくれていたのかもしれません。

この曲が最初に演奏された時、ベートーベンは既に耳が聞こえなくなっていたそうです。演奏が終わって演奏者の方に向いていたベートーベンは聴衆の歓喜が分からず、聴衆の方へ向き直らせてもらって初めて演奏の成功を知ったとのこと。
耳が聞こえないながらも自分が指揮をしたベートーベンは、自身の喜びを楽団員達に伝えることができていたのでしょう。それを、演奏を通して聴衆も感じ取ったのでしょう。その『喜び』は、今日のこの演奏に含まれていたものと重なっていたでしょうか。

音楽家でありながら耳が聞こえないということの苦悩から、どうやって彼はこのような健康的な真っすぐな喜びの心に到達したのでしょうか。

演奏が終わると、「ブラボー!」の声が上がりました。日本の演奏会ではめずらしいですね。









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Last updated  2006.12.17 23:35:38
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