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天下一無能会

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ポエムの仮面

2005年12月18日
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カテゴリ:ポエムの仮面
去年のクリスマスに僕はサンタクロースと約束をした。
また来年、必ず逢いに来てくれると約束をした。
だから僕は半分寝ながらじっと待っていた。
眠くて眠くて仕方がなくて、なにかに吸い込まれる
ような感覚が僕を包んだ。
穴に落ちていくのか、空に登っていくのか、
僕にはよくわからない。
フワリと浮いたまま風に吹かれたように体が
流される。
着ていたパジャマがいつの間にかサンタの衣装になっている。
顔には白いヒゲまで生えている。
それに真下には僕の家の屋根が見える。
ゆっくりゆっくり降りていくと僕の部屋に
一年前の僕がいる。
あ、僕が喜んでる。サンタの正体は僕なのに。
僕が欲しい物なんで知ってるのか不思議だったけど
わかるはずだ、サンタは僕なんだから。
そうか、僕は僕と約束していたんだ。
一年間、ずっと自分を待ち続けていたのか。
なら逢えなくても淋しくないや。






最終更新日  2005年12月18日 23時22分45秒
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2005年11月04日
カテゴリ:ポエムの仮面
どこの席でもいいのです。
あなたのすぐ後ろの席ならば。
手を伸ばせば触れられるあなたの髪、肩、背中。
私の視線を感じますか。
瞬きもせず、あなたを見つめている間に
秒針は何周したことでしょう。
見つめ合うことより、目の前のあなたの後ろ姿に
ほんのりとしたときめきを感じて
気持ちもからだもふわふわと浮いているよう。

振り向いて欲しいけど今は振り向かないでください。
このまま私のささやかな幸せを続けさせてください。
あなたの視線を受け止める勇気ができたら
あなたの言葉を受け止める冷静さを覚えたなら
私は魂の叫びを唇に乗せることでしょう。
こんなに近いのに私が何もしないのは
私が何かしたら、すべてが終わってしまうからです。






最終更新日  2005年11月04日 23時30分58秒
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2005年09月17日
カテゴリ:ポエムの仮面
佇めば、そこは境界線。
黒と白のグラデーションが気持ちよく
変化していく中で、自分だけが変化をしない。
暗闇に抱きしめられて身動きひとつせず
背中に感じる暖かい安らぎだけを頼りに
無防備な微笑みを覚える。
一歩踏み出せば何かが変わる。煌く世界が
君を迎えてくれると、いつもの声が私を惑わす。
歯車が壊れた機械は進歩も退化もしないで
境界線を踏み続け、微かな金属音を立てる。
前へ進めば朝が来ますか。
後ろを振り向くことは罪ですか。
眩い光が私と暗闇を引き離そうとする。
心地よい闇の世界に住み慣れた私の中で
なにかがはじけ飛ぶ。
知らない間に境界線を踏み越えた時、
朝だというのに新たな闇の始まりだった。








最終更新日  2005年09月17日 23時55分06秒
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2005年08月17日
カテゴリ:ポエムの仮面
今夜は窓から月が見える。
満月なのか、あなたは教えてくれないけれど
月は私達だけのために光っているよう。
暗い部屋の中で低い月をぼんやり見つめる。
もっとじっとしてると思ったのに
じんわりじんわりと気付かれないように
移動している。

ほら、ちょっと目を閉じただけで
あんなに動いてる。
もう窓のはじっこに来てるよ。
月明かりに照らされた私の影が
あなたの背中に張り付いて離れない。

窓から、この月が見えなくなったら私もいくから。
最後にこんなきれいな月が見られてよかったかも。
白いシーツも赤く染まって乾き始めた。

熱帯夜なのにあなたは冷たくなって、かたまりかけている。






最終更新日  2005年08月17日 23時07分06秒
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2005年08月05日
カテゴリ:ポエムの仮面
私を泣かそうとしている人がいる。
そっと背中に近づき優しく私を抱きしめ耳元で
その言葉を囁く。
抱きしめられた私は身動きできず
その言葉が背筋を駆け抜けたのは
ほんの一瞬でも耳の奥には悪魔の叫びが
住みついてしまう。
昼となく夜となく、その言葉は木霊のように
響き渡り頭の中で跳ね回って私を
泣かそうとする。
やめてくださいと言え、と繰り返す。
助けてくださいと言え、と繰り返す。
許してくださいと言え、と繰り返す。
涙を流したら負けとわかっていても
あえて私は負けを選んだ。






最終更新日  2008年06月29日 13時47分39秒
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2005年07月21日
カテゴリ:ポエムの仮面
繰り返し見たテープを巻き戻す。
何回も見たから次に映るものは
全部記憶している。
川の土手を走り抜ける、あなた。
そして、あなたを追いかける風。
風はどこまでも透き通り
他の色が混ざることを拒否する。
新緑の季節なのに枯れていく私達が
まだ生き生きとしている。
子供のような笑顔は太陽より眩しくて
天使のような囁きは小鳥のさえずりより愛しくて
もどかしくいつまでも耳に残る。
つないでいた手を振りほどき
振り向きもせず風になろうとするあなた。
どうしてもつかまえたくてモニターのあなたに声をかける。
元に戻るにはテープを巻き戻すことしか、できない私。
わかりきっている結末などいらない。







最終更新日  2005年07月21日 23時21分41秒
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2005年07月12日
カテゴリ:ポエムの仮面
あなたに伝えたいことがあります。
髪の色を明るくしたこと。
近くのコンビニがつぶれたこと。
渋谷で家出娘に間違えられたこと。
あなたに伝えたいことがあります。
夜中の3時に目覚めたこと。
土砂降りのなか走って家に帰ったこと。
サボテンに赤い花が咲いたこと。
あなたに伝えたいことがあります。
チャイムが鳴っても居留守したこと。
部屋に白いペンキをぶちまけたこと。
自分で耳にピアスの穴を開けたこと。
あなたに伝えたいことがあります。
得体の知れない生物が冷蔵庫に住んでいたこと。
天使と通信できるようになったこと。
満月を2メートル左に移動させたこと。
あなたに伝えたいことがあります。
魂を売り飛ばしたこと。
見えないものが見えるようになったこと。
地上の楽園を見つけたこと。
あなたに伝えないことがあります。
指輪を外して自分の存在を消したこと。






最終更新日  2005年07月12日 22時33分40秒
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2005年07月04日
カテゴリ:ポエムの仮面
雨の日は、あなたを想う。
窓ガラスを流れ落ちる水滴は
惰性に流されるまま
あなたを愛し続ける自分のよう。

雨の日は、あなたの電話を待つ。
いつまでも降り続く雨を眺めていても
気持ちは鳴らぬ携帯に傾いている。

雨の日は、あなたしか見えない。
横殴りの雨の中、周りの景色は消え去り
傘の中であなたに寄り添っていたあの日。
雨が降るたびに記憶が甦る。

雨の日は、あなたが憎い。
ふたりの間を引き裂く雷鳴は
突然舞い降りる。
あなたは微笑みながら
雨の中に存在を無くしていく。

雨の日は、あなたが欲しい。
濡れたまま冷え切っていく身体を
あたためてくれる太陽が恋しい。

雨の日は、雨の日は、あなたに逢いたい。






最終更新日  2005年07月04日 22時41分24秒
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2005年06月30日
カテゴリ:ポエムの仮面
淋しそうな唇でした。
色は鮮やかなオレンジなのに。
キラキラとパールを輝かせていても
孤独な唇でした。

大音響の中で長い髪を激しく揺らして
ビートを独り占めしても
あなたはいつも静けさに包まれていた。

何もかも知ったような、その遊び慣れた唇に
初めて触れた時、そこにある不安、後悔、挫折が
柔らかい感触の中に溢れていた。

重ねた唇は一瞬のうちに溶け合い
上唇と下唇の隙間に挿し込まれた気持ちは
あなたの淋しさに届いただろうか。

キスしても落ちない口紅のはずなのに
落ちてしまったオレンジ。
戸惑いにまみれながら、また唇を重ねる。







最終更新日  2005年06月30日 23時37分51秒
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2005年06月23日
カテゴリ:ポエムの仮面
二重に巻かれた鎖が絡みつく。
首に。手首に。足首に。心に。
たぶん頑丈な鍵がかかっているのだろう。
びくともしない。
チャリチャリと鎖が戯れる音だけが闇に響く。

どんな鎖なのか目には見えない。
鉄なのか。長いのか。見えないのに重たい。

この鎖の外し方を知っている人がいた。
彼も身体に鎖が巻きついているという。
目の前で自分だけの鎖を外し、天使のような笑顔で
あっという間に消え去った。

彼の仕草を真似てみても、見えない鎖は外れない。
いつしか、この鎖から解き放たれる日が来るならば
月は更に蒼く見えるのだろうか。







最終更新日  2005年06月23日 23時05分29秒
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