毒多ぁ亀山の小児科日誌

2011/11/07(月)04:58

☆痒疹?vsマイコプラズマ☆

マイコプラズマ(460)

「入院した方が良いかどうか診てください」 「入院?病名はなんて言われてるの?」 「ようしんって言われてます」 「入院?以前に診断と治療が間違ってます」 「どうすれば良いですか?」 「マイコプラズマ(+)です」  高校生の頃から全身ガサガサでステロイドを塗布しているG市在住の24才の男性。  今夏から急に全身がジクジクしはじめ「ようしん」なので「入院するように」と言われ、不審に思い、セカンドオピニオンが欲しいと受診しました。  どう診ても全身重症アトピーにステロイド塗り過ぎて、カビだらけバイ菌だらけです。  鼓膜発赤と鼻粘膜および咽頭扁桃の腫脹充血を認めましたので、検査したら、イムノカードマイコプラズマ抗体(+)でした。  内服している薬を見たらプレドニン(ステロイド)3錠/日まで処方されておりました。  入院が必要かどうかという以前に、診断も治療もまともになされておりませんでしたので「入院したいのか?したくないのか?」と迫ったら「お金がないので入院できない」とのことでした。  ようしん(痒疹?)というのは病名でもなんでもありません。「痒い湿疹が出てるよ」という状態名にすぎません。「主婦湿疹」=「主婦に湿疹が出てるよ」、「乳児湿疹」=「赤ん坊に湿疹が出てるよ」という程度の意味しかありません。  誤診であることを説明して、危険なので2度と行かないように説得して、すぐにミノペン+デカドロン点滴+ジスロマック内服+強酸性水消毒+イソジン消毒を開始しました。  IgE:6549、マラセチア4(35.0)、トリコフィトン3(9.61)、ピティロスポリウム3(8.56)、カビ3(4.57)、黄色ブドウ球菌2(2.71)、TARC:4686。  重症アトピー+皮膚感染症でしたが、最低限の検査と治療で、どんどん良くなっているので、何とか入院は避けられそうです。  マイコプラズマのスーパー抗原。恐い恐い。医師の見逃しも。恐い恐い。

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