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会社を辞めて旅に出た ~いつのまにか雲南定住~

エジプト人と語る

エジプト人と語る(神とは、宗教とは・・・)

 昨日は久々の休息をとって宿周辺で1日のんびり過ごしたので、肉体的にも精神的にもリフレッシュできた。次の目的地は念願のダナンバレー。最近ではマレーシアでもエコツーリズムがかなり定着してきており、このダナンバレーはボルネオの自然を楽しむには最良の場所。ただ、ダナンバレーは国立公園ではなくサバ財団が運営しているいわゆるプライベート保護区で、そのためか安くはないエコツアーに参加するしか術がなく、これまでなかなか訪れることが出来ないでいた。しかし、今回せっかく近くまで来ているのだから、数百ドルの出費には目をつぶって実際に訪れてみようと考えたのだ。

 タワウからは、ダナンバレーへの玄関口となるラハダトゥへとバスで移動する。ラハダトゥの宿は比較的料金が高く、5、6軒あたってようやく「Peginapan Ira」という安宿を見つけた。1泊25リンギットだから日本円に換算すると約800円弱。私が泊まる宿にしてはちょっと高い方だ。

 ラハダトゥに泊る旅行者など殆どいないようで、その宿には私のほかにエジプト人旅行者が一人いるだけだった。彼の名はアハメッドといい、日本にも行ったことがあるという。「観光で行ったのか?」と聞いてみると、なんと空手のエジプト代表選手として日本で開かれる大会に参加したのだという。彼は空手4段に加え、柔道2段、そして合気道や剣道も習ったことがあるとのことで、日本人もびっくりの武道家だった。彼はこれから、船でフィリピンに渡る予定で、今その船を探しているらしかった。確か、マレーシアのサバ州とフィリピンのミンダナオ島の間の海域は、海賊が出没することでも有名だったはず。それを承知の上で船で行くというのだから、なんとも・・・。
 まあ、彼の無事を祈ろう。

 アハメッドとは、旅の情報交換のほかにお互いの国のこと、宗教のこと(特に彼の信仰するイスラム教)、そしてパレスチナ問題とか、まあお互い時間がたっぷりとあったのでいろいろと話をした。特に興味深かったのは神についての話題で、「マホメットにしても、キリストにしても、彼らは単なる神のメッセンジャーでしかない」という考え方。

 なるほど言われてみればそうなのかもしれない。これまでの私のイメージでは、キリストやマホメットとかは「ある意味、神にかなり近い存在」として認識していたけれど、それを信仰している人々はそうは考えていないということが分かった。そして、神は形がない存在だということも。どうも我々は、人間のような形をした神の姿を想像しがちだが、彼らの信仰する神はそうではないらしいことが分かった。

 多くの日本人と同様に私も信仰というものを持たないが、彼の話を聞いてみて、「我々日本人が想像しているものと、実際彼らが信仰しているものは結構違うなあ」という印象を持った。まあ、これは一エジプト人の宗教観に基づくものであって、ひょっとしたらイスラム文化圏では一般的でないのかもしれないが、それでも宗教というものを考える良い機会だった。

 ちなみに私は、宗教でいうところの神とは、「自然の力」というか「生態系」の働きを、そこに住む人々が彼らなりの解釈で擬人化したものだと考えている。そして、日常生活の慣習や決まりごとを体系化し神と結びつけたものが宗教ではないだろうか。だから、住む環境によってそれぞれ異なる解釈が存在し、それぞれ異なる宗教が生まれたのだと思う。

 それなのに多くの宗教は排他的で、それが争いの種になるという事実には悲しまざるを得ない。本来、宗教というものは「幸せに暮らすためのもの」なのに・・・、などとその夜は思考の世界に思いを巡らした。。

 
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