きよの世界（アメリカ大学院留学編）

我が家にネズミが来た。



サンタバーバラでの友人、クリスとキャロリンがネズミを飼っていてすごくかわいかったから、家でも飼いたいと思っていたんだよね。

本音を言うと犬（パグ）が飼いたいけど、ふみちゃんは犬・猫に対してアレルギーだし、今のアパートは基本的に動物禁止だから、こっそりネズミを飼うことにした。引っ越す時も何するときも犬は大変だしね。

ネズミは小動物だからすごく臆病なんだよね。だから最初の１週間はかなり苦労した。今日で１０日目だけど、やっとこさ慣れてきた感じ。

始めの頃は、俺はネズミが自分たちになついてくれるか心配で心配で夜も落ち着いて寝れなかった。しかも彼らは夜中にやたらと活発になるし。ということで研究そっちのけでネズミの世話してた。といってもちょっかいだしすぎて何回か派手に噛まれたけど。

ふみちゃんは、あまりネズミ達と触れ合えないせいでかなりがっかりしてた。お陰で最初の頃はほぼ俺一人で世話したみたいなもん。何度も名前呼んではしかとされ、撫でてみれば噛まれそうになり、おやつをあげてみれば、感謝されずに逃げてから食べられ、何度も心がくじけそうになったもんだ。

でも最近はうちらがリビングに来ると檻から外を見たりするようになった。昨日は初めて、ひざの上にのせてみた、今日はソファーの上で一緒に連れてきた。ネズミと触れ合えてふみちゃんもやっと育てる気になったみたいだ。

この一週間で一つわかったこと。俺は確実に良い父親になる。「良い」というか、少なくとも子供の世話は一所懸命にやるだろうと思う。しかも、子供なんかできたもんなら、毎日子供の心配して仕事に集中できなくなるんだろうと思う。まあ、うちの親は５人の子供をしっかり育てたわけで、その血を引いているのかもしれない。うちの親父はシーザー（数年前に死んじゃったビーグル）を心から大事にして全力で育てたしね。ガキの頃はよく尻を叩かれたもんだけど、あれも愛情だったのだろう。

ネズミを通して、ちょっと両親の愛情に近づけた気がする。そしていずれ自分も親になるのだ。その日が待ち遠しい。早く卒業しないと。