僕は、はっきり言って仕事が好きです。その根底にある感覚は、常に挑戦し続けているスポーツ選手のようです。挑戦の相手は、漠然と言えば社会です。しかし、いつももっと目先の目標みたいなものがあります。そのハードルを1つ1つ超えていかないと、大きな世界との勝負はできないという、もうすでに20年以上僕が絡んでいるジレンマです。
ほんとのところ、美容外科は、コストパフォーマンスがそれほど良くないものなのです。それは、職業としての医者にほとんど共通のことではないかと思います。しかし、世の中にはお金だけで解決できないこともあるんじゃないかと思うんです。ただ、自分で自分を律するのは、けっこう難しいので、こうして開業して自分のクリニックを持ってしまうと、知らず知らずのうちに楽な方、楽な方へと流されてしまいかねません。だから、僕は「自由とは不自由なものだ」と今も思うのです。常に自分で自分を律する、その気構えと実行力がなければ、ほんとうの自由の成功者とはなれないからです。そして、そのことを僕はよく知っている、いや、知ってしまっているのです。
だから、僕は今もこうして不自由な身にあるし、明日も自分を律しなければならないと知ってはいるのです。ただ、その律するレベルがまだまだじゃないかという気もするのです。たぶん、オシム監督に言わせれば、まだまだ遊んでいるということになってしまうのでしょうね。