「陽気なギャングは三つ数えろ | 伊坂幸太郎」(大人のおとぎ話シリーズ?最終編)
●何を隠そう、伊坂幸太郎さんとの出会いはこのシリーズの第1作「陽気なギャングが地球を回す」だったのだけど、実は「笑える小説」で検索したらたまたまヒットしたというのがきっかけの出会いであった。で、読んでみたら、たちまちお気に入り作家になっていろんな作品を読み漁ったたのだけど、この銀行ギャングシリーズは9年ぶりで3作目、残念ながらこれでこのシリーズは終わりにするつもりらしい。なので読むのがもったいないような気がしたのかずっと積読だったのでけどやっと読んだのだった。会話の妙、ストーリーのスピード感、一癖も二癖もあって好感の持てる登場人物たち・・・伊坂作品の入門シリーズだなと思う(かく言う私も実はこの本で彼にハマりまったのでした)●人の嘘を見破る達人成瀬、スリの名人久遠、時間を秒単位で計測できる自動車運転の名手雪子、演説の達人といっていいのかどうか?の響野の4人組、こんな銀行強盗グループなんているはずもないし、こんな能力に長けた4人のメンバー(響野は能力に長けているかは分からないけど小説内での会話を面白くする能力はあるのかも?)も実在するはずもない。著者の言葉にあるように、これは大人の「お伽噺」なんだなと思う。この作品でいえば悪い奴をみんなで協力し合ってやっつけるストーリーなので、確かに「さるかに合戦」だなと思った。〇「嘘には三種類ある。嘘、大嘘、そして統計だ」「たぶん」久遠が言った。「それ自体が、嘘だよ」その他いろいろ●「回収の作家」と言われているけどそれは読み終わってみればこそ、実は読んでる最中に楽しめる「会話の妙が味の作家」でもあると思う。●今回は、もう銀行強盗からは足を洗おうと思ってる桃太郎たちが、キャンダルばかりを追って人を貶めるあくどい記者という鬼を懲らしめるお伽噺になっていてまたそれはそれで痛快だった。やっぱりこのシリーズは大人のおとぎ話なのだと思った。伊坂さん入門お楽しみシリーズもこれで最終編らしいので、前2作の感想もデータから探してみたら・・・あった。「陽気なギャングが地球を回す 」●笑える小説で検索してたどり着いた伊坂幸太郎氏初読み。声を出して笑えるわけではないけど、軽快なストーリー展開と登場人物達の会話が楽しめた。●嘘見破り名人がリーダーで、演説の達人、スリの達人、体内時計の達人の4人が銀行強盗メンバー、ありえないが楽しめる。映画化されたそうです。確かに娯楽映画向きかもと思った。表紙はイマイチ好みではないなぁ。●伊坂氏、こんな軽くてスピーディーな感じなのかな?他の作品も試してみたいが続編もちょっと読んでみたい。「陽気なギャングの日常と襲撃」●初読みの「・・・地球を回す」に続いて伊坂氏の2作目も図書館本。前半はメンバー4人をそれぞれ主人公にした短編だったものに手を加えて後半を作って長編に書き換えた作品だそうです。短編としてはちょっと物足りないけど長編作品としてみるとなかなか軽快なテンポで楽しめるエンターテインメント作品になっている。●成瀬のようにそれとなくスタッフをフォローできる上司というか管理者になりたいなぁ・・・●恐怖新聞には笑えた!それぞれのキャラがさらに際立ってきた感じで、それをコンパクトにまとめたのがボーナス短編かな?●ギャングシリーズ第3弾もあるけどそろそろ他の作品も読んでみようかな?