「こんなに役立つ肺エコー−救急ICUから一般外来・在宅まで: 鈴木 昭広」(肺エコーについて知りたければとりあえずの一冊)
・「勉強の本は3回読んでマスターできる」というのが信条。ポケットエコー(V-Scan)を購入した2016年4月に初読みしてから4年を経た今回は、もっと高性能だけどその分高額で重量もあるポータブルエコーの購入を考えてデモ機を借りたのを機会に読み返して3回目。・読みながらPCで関連する動画を見られるスタイルで分かり易い。さすがに3回目なのでおおむね覚えていたり理解もできている内容だからさっと読めた。【送料無料】 こんなに役立つ肺エコー / 鈴木昭広 【本】楽天で購入2020.4.27読了(3回目)・画像についてはやはり技術もあるだろうけど機種依存性だなと思った。どうしてもV-Scanじゃ分からんところがある(当然か)。・「肺をエコーで見るなんてクレイジー」と言われていた時代から、この分野はあっという間に進歩している。肺炎の診断でも胸部XPよりUSのほうが診断率が高いという報告があったり、いま世界的に流行しているCOVID-19肺炎での肺エコーの有用性の報告も見られるようになっている。最新の本の内容も確認したい。早めに高性能ポータブルエコーを診療に取り入れるべきかなとも思う。--------------------------------------------------------------------一般・画面左が患者の右側か頭側・・・プローブのOMが右側か頭側(心エコー以外)正常所見○pleural sign(①②いずれかがあれば気胸は否定される)①lung sliding(Bmode)=seashoreサイン(Mmode)・・・癒着がないことも否定できる②lung pulse③B-line(正常所見ではない) ・1画面に3本以上認められれば有所見(リニア?セクタ?) ・外側/背側からのアプローチで感度上昇 ・胸膜より手前で始まるものはB-lineではない○A-line(気胸やCOPDで増強、間質症候群=肺水腫ではかき消される)異常所見PLAPS(posterolateral alveolar and/or pleural syndrome)・・・描出されれば異常・tissue-like sign(肺炎)・shred sign(胸水の中の無気肺や肺炎)診断○気胸・lung slidingまたはlung pulseまたはpower slidingのいずれかが認められれば気胸は否定・lung pointで範囲の推定○COPDの急性増悪・diffuse Aline, no PLAPS・肺塞栓は鑑別がつかない(他の臨床所見と合わせて診断)○肺水腫・diffuse Bline(間質症候群)・背側/下肺で所見が得られやすい・間質性肺炎でも同様の所見が得られることあり要注意(●心エコーで鑑別可能?)○肺炎・PLAPSが見えることがある(PLAPS point=側胸部背側)○急性肺血栓塞栓症・肺エコー異常なし・下肢静脈でincompressibilityを認める・心エコーで右心系の著明な拡大○BLUE protocol(2008 Lichtenstein)急性呼吸不全の原因診断○FALLS protocol--------------------------------------------------------------------エコーはもっと在宅医療で活用されるべきですね