「新型コロナウイルスの真実 (ベスト新書) | 岩田 健太郎 」
・新型コロナウイルスが猛威を振っている今、賞味期限限定な著作。著者の岩田健太郎氏といえば言わずと知れた感染症の専門家。なのにダイヤモンド・プリンセスに乗船してたった2時間で追い出されてしまったって本当!??〇「ダイヤモンド・プリンセスになぜ私は乗船し、追い出されたのか?動画公開に至るまでの顛末」「感染症専門医の第一人者が語る感染不安への処方箋」(表紙の帯のような体裁の文より)https://www.youtube.com/watch?v=t95Ho0VQTW8&list=PLZ9VrSIklamXOpRNMTmZWh6nskr3bN4kv&index=3新型コロナウイルスの真実【電子書籍】[ 岩田健太郎 ]楽天で購入2020.5.9読了・専門書ではなく一般に人向けに分かり易く書かれた本であるが、医療従事者が読んでも理解が深まって目からうろこ的な記載が多い。〇とはいっても、ダイヤモンドプリンセスでの対応を除けば、日本政府のコロナウイルス対策は概ね適切だし、諸外国の対応と大きな違いはない、というのが僕の理解です。●え-っ意外!日本の対応は適切なんですか?PCR検査の数が全然足りないのに・・・と岩田先生らしくない見解のような気がしながら読み進めることにした。〇「PCR」の感度が6-8割程度しかない〇「医学的な検査は正しい」というのは、じつは間違い。多くの医者も誤解しているんですけど、検査はしょっちゅう間違える〇「正しく診断」ではなく、「正しく判断」〇答えがないのなら、むしろどこにでもウイルスがいる前提で、手指消毒をして、鼻や口に触らないようにすることでリスクをヘッジしたほうが、より堅牢なやり方なんです。〇我々が求めるべきは「より低いリスク」であって、ゼロリスクではないのです。〇「感染経路」をブロックする〇どこかを触ったらアルコールで手指消毒をする。アルコールで消毒すれば、コロナウイルスはすぐ死にます。〇症状がないならマスクをする必要はないからです。普段、街を歩くときにマスクを着けないのは全然正しい。私も街ではマスクは着けていません。(コロナウイスは空気感染しないとされているから。ちなみに空気感染する麻疹はウイルスをブロックできないので対策はワクチンしかない)・言っていることはクリアで分かり易いと思う。第3章ダイアモンド・プリンセスで起こっていたことより・ダイヤモンド・プリンセス号に乗船して、レッドゾーン(ウイルスがいる可能性が高い危険域)とグリーンゾーン(ウイルスがいない安全域)の区別が不明確で、背広を着た人が危険域を歩いていたり、逆に防護服を着た人が安全域を歩いていたりとか基本的なゾーニングができていなくて怖かったとのこと〇大事なことは失敗を認めて、繰り返さないために何ができるかを反省することです。ところが彼らは失敗を直視できず・・・「まあ、みんな一生懸命頑張ったじゃないか」って話になって〇うまくいかなかったこともさることながら、それ以上に、日本政府が失敗を認めなかったということが世界の心証を害したのです。〇SARSのときに間違った神話を作ってしまったせいで、日本はいまだに「空港でブロックできる」という神話に憑りつかれているんです。〇たしかに動画に対する圧力はなかったのですが、その代わりにいろんなところから外されてはいます・・・「LINE外し」ってご存じですか?〇これは日本にCDCがないから起こった問題です。責任をもって意思決定をする専門家集団がいないから、どこからが行政問題で、どこからが政治の問題で、どこからが科学の問題なのかが不透明になる。〇日本はすぐ忖度しますよね。〇じつはあの基準には科学的根拠なんかなくて、どれも厚労省が作った出ちあげなんです。・・・科学的なステートメントではなくて・・・●のちに、厚労大臣が「あれは必要条件ではなかった。我々に言わせれば誤解だった」と発言して国民から非難されたあれですね。掛け声とは裏腹に結局未だPCR検査の件数は増えず必要だと思う人にもできない状態も変わっていない。(岩田先生は、PCRはあまり意味がないのでそんなにムキになってやる必要はないというかんがえのようだけど)・感染症の専門家が書いた読みやすくて分かり易い一般向けの解説書。読んで考え方を整理すればパニックにならずにまた不用意な危険にさらされることなく、冷静な行動がとれるようになる書籍だと思う。最近読んだパンデミック小説・夏の災厄 (角川文庫) | 篠田 節子・復活の日 (角川文庫) | 小松 左京昔に読んだパンデミック小説・アウトブレイク―感染 (ハヤカワ文庫NV) | 林 克己, ロビン・クック・火定 | 澤田 瞳子最近アマゾンプライムで観たパンデミック映画・コンテイジョン・復活の日・感染列島