「みるミルできるポケットエコー 1 膀胱 (Pocket Echo Life Support教育シリーズ) |」(エコーは聴診器並みになるだろうという予言書)
・シリーズ2作目の「経鼻胃管・誤嚥性肺炎」から先に読んだ「みるミルできるポケットエコー」シリーズの1作目を遅ればせながらAmazonで購入した。・シリーズ2作目「経鼻胃管・誤嚥性肺炎」を読んでいろいろ試してはいるものの、エコーによる経鼻胃管の確認は難しいし肺炎の診断ももっと難しいと感じている。なので、看護師がポケットエコーを活用して判断するにはハードルが高いのではないかと考えざるをえない。現場で実践してみて、在宅患者さんで経鼻胃管の確認をエコーで自信をもってできたことはないし、自分に胃管を挿入して上位機種のエコーで見ても辛うじてわかる程度。Bラインによる肺炎診断もしかり、擬陽性もあって自信が持てない。やはり経験が必要だと思っている。みるミルできるポケットエコー(1) 膀胱 (Pocket Echo Life Support教育シリーズ) [ ヘルスケア人材育成協会 ]価格:1980円(税込、送料無料) (2021/1/15時点)楽天で購入2021.1.14読了・膀胱エコーだけで1冊なんて書くことあるの?と思ってあえて読むまでもないと思っていたが、技術書と言うよりも革命の書だった。ポケットエコー革命?その思想にはとってもり共感できるのだが・・・そう簡単ではないのかなとも思える。〇もはや、エコーは次世代の聴診器とも言われています〇診察・検査する目的は判断・行動を変えるためです・・・ポケットエコーの特徴である「どこでも何回でも簡単に実施できる」とののメリットが活きる膀胱エコーを・・・〇正常は300ml貯められる。200mlしか貯められない場合は過活動膀胱を考える・膀胱の形状、外側に凸か内側に凸かに注目すことも新たに再認識して、外来で頻尿患者さんを鑑別するのにエコーを役立てそう・うっ血性心不全の治療方針→膀胱バルンを挿入していない場合の利尿剤の反応を見るために経時的にエコーを見るという発想は目からうろこだった。ただ、医師以外がするエコーには保険診療で点数が付かないのが難点ではある。・経時的にあるいは繰り返し施行できるのはエコーの強み、ただ見えやすい人と見えにくい人がいること、術者の技術で見え方が違うことなどまだ問題はある。・自分が研修医だった40年近く前、触診のようにエコーを使えと言われて外来各診察室にはエコーがあった。今思えば先駆的な試みだったのかもしれない。そのおかげもあって自分がエコーをすることには抵抗はないが、その後エコーはCTのようにオーダーして返ってきた所見を見るものになってしまっていた。・POCUSという概念で今また救急現場や外来、在宅医療でのエコーの有用性が明らかになって広く活用されるようになってきている。〇救急外来:端的に言えば、救急外来でのエコーは、初期の適切な体液管理のために「IVC」だけ見れば十分です。・その通りだとは思うけど、IVCが見えにくいまたはどうしてもIVCが見えない人もいるので、全員には適応できないのだろうと思う。IVCが見える人については、聴診器のごとく毎回IVCの径や呼吸性変動をチェックすればとっても有用だと思う。〇2,015年には外来看護師による慢性心不全管理のためのエコーの有用性のランダム化比較試験が報告されているほどです・エコーはパルスオキシメーター等とは違って一定の習熟が必要で結果が客観的な数値で出しにくいところがあるが、IVCの径を経時的に測ったりできれば有用だと考える。実際に在宅患者で活用しているが、看護師にできるかどうかはまだ難しいと感じる。ただ、いずれは看護師やそれ以外のスタッフにも活用されるべきであるという考えには賛成である。