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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2019.03.17
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テーマ:お勧めの本(7214)
●150床の中規模総合病院で働く女医真野千晶が主人公の医療小説。同じような環境で仕事をしていた同業者として35歳だった頃を思い出しながら読んだ。外来診療や夜間当直のシーンはとってもリアル!患者さん「あるある」満載であるし、医師の心境にはスルドクも深く共感してしまうものがある。



●昔の全て先生にお任せパターンにも困るが、医師に対して悪意を持たれたり、権利ばかりを一方的に主張されたりするとどうしようもないんですよねぇ。できればお互いの信頼関係をベースにした共同作業として医療を考えるのが理想なんですが難しい。もちろん、医師や医療者のほうにも問題があることは事実として認めますが・・・って感想文じゃなくなってきてる?

○患者様プライオリティーによる経営実践を当院のコア・コンピタンスとすべく・・・
●患者様プライオリティー推進委員会で高峰事務長の発言は、病院の経営戦略として(と明確に宣言するかどうかは別として)、リアルにありそう、通常は患者の立場に立った医療を推進とかいうオブラートに包むことが多いだろうけど・・・
●経営のためだけに走るのはもちろん患者のためにならず、かといって医学的なエビデンスやガイドラインに書いてある治療方針を振りかざすだけでも実際の患者のためにはならないと思う。もっと患者さんを中心に置いた医療を考えることが求められている時代だと思う。・・・って完全に感想文じゃなくなってきた!こんな感想が浮かぶのも内容がリアルだからだと思う。

●そんな医者の個人的な家族の話と日常勤務の中の困った出来事やちょっといい話などを書き留めた診療日誌的な小説なんだと思って読んでいたのですが、読み終わってみればこれはサスペンスだったんですね。とりあえずそこが意外だった。(ストーカー的でネットで主人公を攻撃する奴がいて気持ち悪いなと思っていたら、実は患者様プライオリティー推進運動にかこつけた病院攻撃の陰謀があった)

●医療訴訟で自殺した同僚の陽子のエピソードは消化不良でなくても良かったような気がする。

●主人公と家族の話も伏線から最終的にはメインストリームになる。地元富士五湖近くで開業する父は妻が認知症で施設に入ったことを契機に医院をたたもうとしている、主人公の妹はその診療所の事務長をしているが、主人公に跡を継ぐよう期待している、そして母が亡くなった。

●父の言葉が印象的、著者が言いたかったことを父親に代弁させているような気がする○「ここが、自分の場所だって」「昔、お母さんに『このごろ優しい顔になりましたね』って言われたことがある」「人は必ずいつかは死ぬということだ。だから、治すための医療だけじゃなくて、幸せに生きるための医療を考えてきた。たとえ病気があっても、その病と共存して、最後まで心地よく生きられるような医療を誠実にやってきた。その先に死があっても、それは受け入れる」「千晶は、誠実に患者を癒し続ける人でありなさい。その医療が、いかにささやかであろうが、愚鈍に見えようが、誤解を生もうが、力不足であろうが、それでいいんだ」「ささやかな医療であっても、誠実ならばその気持ちは必ず患者に伝わる。愚鈍に見えても、いつかそれが王道だと知ってもらえる、誤解を生んでも、時を越えて理解されるときがくる、力不足だったという経験を糧に、精進すればいい。最初から完璧な医師なんていないんだから」「千晶はもっと勉強してきなさい。こっちはまだ頑張れるから」「未熟な医者に来てもらっても、役に立たない」





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Last updated  2019.03.17 22:11:12
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