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2019.06.20
テーマ：お勧めの本(7214)
カテゴリ：山・旅・冒険にまつわる本
 ●笹本稜平さんは「分水嶺」次いで2冊目、山岳小説として興味があったので買いためておいたもの。BookOff本で初読みから2冊連続は珍しいパターンだけど、期待して読んでその期待を裏切らない作品だった。 ●著者はたぶん登山経験もあるのだろうと思うしすごく良く取材しているのだろうと思う。細部にわたって記述がとてもリアルで緊迫感を感じる。とはいえ、山やからみれば当然「ありえないだろう」という部分もあるのだろうだけど、そこはフィクションなので許しちゃおう！と思えるほど面白かった。休まずにページを捲らせる筆力はさすがだな思う。笹本さんの山岳シリーズ未読峰？にまたチャレンジしていきたいと思う。 ●K2登頂目前でのトラブルでパートナーの聖美が、山で死ぬことを潔しとしなかった彼女が自分を助けるためにロープを切断して死んだ？ と思っていたのだけど、ロープは自ら切断したものではなかった？ 実は彼女はあきらめずに未踏峰ルートからK2山頂を極めていた？ とミステリーとしても楽しめるし、商業登山隊や一般登山隊が同居する極地登山で次々に起こる緊迫感のある自然のトラブルや人間模様がまた面白かった ●<夢>と<魂の糧>がキーワードだったように思う。 〇<夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。そうやって自分を騙しおおせて死んでいけたら・・・本望><人間は夢を食って生きる動物だ。夢を見る力を失った人生は地獄だ。夢はこの世界の不条理を忘れさせてくれる。夢はこの世界が生きるに値するものだと信じさせてくれる。>（神津） ●そんなことを言われればワシは完全に生きる屍だなと悲しくなってしまうけどね。 〇「君もやっと還るべき場所を見つけたな」
●還るべき場所とは？一時的には大きな傷を受けたりして離れていたとしても結局は魂がそこの場所に還ることを求めている世界、場所。ワシにとっては、仕事や山の世界なのかなと思うけど、ランニングの世界にも還りたいと今でも思っている。 お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
Last updated
2019.06.20 21:18:41
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