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テーマ:お勧めの本(7211)
カテゴリ:ミステリー小説
「七人の敵がいる」でハマってしまった加納さんは、「無菌病棟より愛をこめて」の明るい闘病記でさらにファンになったのだが、実はこんなシリーズが彼女の書きたい本であって真骨頂なのだろうと思っている。読み始めてからあまり共感できないなとか思って読んでいたけど、後半にはいると次第にひき込まれてしまい恥ずかしながら最後には泣けてしまった。青少年向けの小説だなと思っていたのに、こんなオヤジが読んでもなかなかええじゃん!と思った次第。 ・前半後半で「フラッ」トと「レリーフ」の2部に分かれている。 「フラット」 ●前半だけ読んだ時点ではまだこの小説の本当の面白さは全く分からない、前半は後半への布石がちりばめられているけどそれに気が付かない、森野護からみた物語という構成。 ●あんまりストーリーには関係ないけど、中学時代のエピソードで徹子を好きになってしまった問題児の倉木君に対する「豆腐メンタル」という言葉をいたく気に入ってしまって、今日職場で披露してみた。反応はイマイチだったけど、みんなこのセンスが分からんのか!と思ってしまった。 〇心から「良かったな、おめでとう」と言ってやらねばと思った。俺はちゃんと、そうできることを知っている。-ただ時間が必要なだけだ。 ●前編のラスト2行、徹子が結婚すると聞いた徹の言葉。恋愛よりも深い愛を感じるちょっとばかり切ないラストだけど、後編を読んでいくうちにあれあれ・・・ラストでドカーンって感じだった。泣けるよ! 「レリーフ」 ●後半は、徹子の視点からみた物語。実は、徹子は未来を予知する能力を持っていてそれゆえに辛い人生を子供のころから送っていたことが明らかになる。護が交通事故にあったのは自分の身代わりになったためで、そのために野球で甲子園に行ってプロ野球で活躍する未来を奪ってしまったということに責任を感じてしまったり、親友メグの自殺を回避するためにあれこれ画策するのだけどうまくいかず結局、メグは自殺する。 ●メグを自殺に追いやる男が「カタリ」、頭脳明晰でクール、人が苦しんでドロップアウトすることを誘導して楽しむ男、最近読んだ伊坂幸太郎の小説で言えば、「マリアビートル」の王子とか、「死神の浮力」の本城に似ているとっても嫌な奴だった。 ●その「カタリ」が徹子との結婚披露宴で、護や徹子の仲間たち、頭脳明晰でも何でもないけどシンプルに生きてる人たちのパワーに圧倒されて敗北する姿にとっても共感できた。ええやんけ! ●で、どこで泣けたのかは忘れたけど確かに泣けた小説だった。
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Last updated
2019.11.12 21:17:19
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