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カテゴリ:現代文学一般
・葬儀場を舞台にしたハートウォーミングないいお話。バイト女子大生美空の成長物語でもある。お仕事小説と言えなくもない。
・帯には「3+1回泣けます」と書いてあった。「神様のカルテ」を書いた夏川草介氏推薦!とも。そういえば何となく彼の作風に似ているのかなと思った。正直、ぬるいなと思いながら読んだ。全然だよなあと思っていたが終盤ではちょっとだけ涙をぬぐう必要に迫られてしまった。
〇姉が美鳥、私が美空。けれど、私と姉が出会うことはなかった。姉は私と出会う前に飛び立ってしまったのだ。 〇あまり口外することではないが、私にはちょっとした能力がある。“気”に敏感なのだ。 ・女子大生の美空は、自分が生まれる前日に死んでしまった姉美鳥が自分の近くにいることを感じながら生活している。そして死んだ人の霊を見ることができる特殊な能力を持っている。 ・そんな彼女のバイト先、葬儀場「板東会館」で行われた3つの葬儀のお話。 ・同じ能力をもつ心優しい僧侶の里美、能力はないが人の心を汲んで適切に対処することができる上司の漆原が、焼身自殺や子供の死など問題をはらんだ葬儀を受け持つチーム。残された者に悔いを残さぬよう、そして旅立つものに心残りなく安心して逝けるよう・・・ 〇「ひとりじゃさびしいって言うんだな。だから・・・」 ・そして比奈ちゃんがさびしくないように美鳥が付き添ってくれた。 ・美鳥の死をずっと自分の責任だと思っていたおばあちゃんが、その苦悩から解放されて安心して美鳥と一緒に旅立つラストは良かった。
Last updated
2020.06.07 16:39:31
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