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カテゴリ:ミステリー小説
「悪いお医者さんがうちに来てお父さんを殺した」と少年から電話がかかってきたことから始まる、「安楽死」をテーマにした医療警察小説。読み物としては面白かったのだけど・・・
〇終末期医療については・・・余命いくばくもないと診断された患者に対し、延命治療を中止することだ ●それは違うだろう!「終末期医療」について誤解を与えてしまう内容ではないかと危惧される。身体的苦痛については適切な緩和ケアでかなり対応でき得るし、できない場合でも死期を早めない鎮静という方法があるので身体的苦痛除去目的での安楽死には疑問があるし、経済的なことが理由で安楽死を求めることがあるならそれは許されなと思う。社会的な苦痛やスピリチュアルな苦痛にどうやって向き合っていくのかが大切で、安易に安楽死を許容するべきではないと思う。 ●ストーリーは、どんでん返しの帝王こと中山七里さんの作品なのでそれなりに楽しめるだけに残念。ちなみに途中から真の犯人は予想がついてしまった。 〇だって家族を死なせたくないのも、苦しませたくないのも、根は同じ思いやりなんだからさ・・・対立してるんじゃなくてアプローチが違うだけなんだと思う
●という沙耶香のラストの言葉に救われる。 ●国境なき医師団の体験があったとしても戦場環境での安楽死とは別、問題提起だとしても、だからこそ?現場で関わっているモノとしては、「終末期医療」についてもう少ししっかり勉強してから書いて欲しかったというのが実感である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.07.26 12:16:32
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