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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2021.01.11
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・第2次世界大戦前夜、ヒトラーが台頭してきつつあった時代の1937年に、チェコスロヴァキア人の著者が発表した戯曲。

・タイトルからしてCPVID19ウイルスパンデミックに乗じた感染モノの新約かと思って読みだしたが全然違っていた。

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2021.1.11読了


・まだ学生だった若い頃、反核運動に参加しながらも「人々を殺戮する戦争や核兵器に生命を守る医師という立場から反対する」という反核医師の会の主張に実は政治的な白々しさを感じてしまったことがあることは否定し得ない。それが第2次世界大戦前に書かれたこの戯曲で同じテーマが突きつけられている。40年近く医師として仕事をして還暦を過ぎた今、この主張を心から受け入れられるようになっていた。

・結局、この作品が発表された数年後に第2次世界大戦が勃発してしまったのだ。世界平和を望む医師ガレーンvs平和よりも戦争に勝つことが国益でだと考える政治の中枢にある軍部の人たち、しかし結局知らないうちに平和になる機会を奪ったのは熱に浮かされた一般国民だったという痛烈な風刺の警告で終わっている。

・「白い病」:50歳以上の人に発症する感染症。体の一部が白くなることから始まり最後は全身が腐敗し悪臭を放って死ぬ治療法がない病。という設定。

*ガレーン博士
・貧しい人たちを診療する開業医、「白い病」の治療法を発見するが、戦争政策を止めて平和条約を結ぶという条件をかなえない限り治療法は教えないという立場を貫く。大学病院では治療費が払えない13号室の患者しか担当しない。どんな偉い人でも条件をかなえない人は治療拒否する堅物。

*クリューク男爵
・元帥の片腕、戦争推進派。「白い病」に罹患するが、ガレーンの条件を拒否して最後は自殺する

*元帥
・表紙の馬にまたがるドクロは元帥なのだろう
・戦争を起こして勝利することが国益であり国民の願いだという信念でいたが、自らも「白い病」に罹患する。平和よりも戦争で先頭に立って戦死することを希望したが、説得されてガレーンの条件を受け入れて平和な世界と「白い病」のない世界を目指すことを決意した。で、ハッピーエンドかとおもいきや、戦争反対を訴えるガレーンは名もなき暴徒に殺されてしまい幕切れとなる。

〇宣伝大臣-すでに用意してあります。我が国に対する陰謀、組織的な挑発など。適当な時期に、小規模の政治家の暗殺事件が起きる。そのあと、大規模な検挙を行い、メディアに情報を流す。そうすれば、戦争を求める自発的なデモが生まれるかと。-愛国者の熱狂は確実です
●これって第2次世界大戦前の話だけど、アメリカが起こした湾岸戦争なんかも全く同じ構図で大戦前の小説と変わっちゃいないんだと思った。ひでーなあ





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Last updated  2021.01.13 19:59:29
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