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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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2025.04.23
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テーマ:お勧めの本(7688)
カテゴリ:ミステリー小説
 荻原浩さんの作品は外れなくいつも「うまいなあ〜」と唸らされる。舞台は“神森”と呼ばれる不思議な森。そこで起きたのは、ASD(自閉スペクトラム症)の少年・真人くんの「神隠し」事件。警察も地域も大騒ぎになる中、物語は真人くんがその森で過ごした“7日間”の謎が主題。
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笑う森 [ 荻原 浩 ]
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2025/4/17読了


 だけど、この物語の主役は彼だけじゃない。真人くんが偶然出会った、大人たちがまたそれぞれに問題を抱えていてむしろ群像劇だ
たとえば——
・美那:彼氏の死体を森に捨てに来た女性。事情はあれどインパクトがすごい。
・拓馬:原始的生活を売りにするユーチューバー。森の中で理想と現実に苦しむ姿がなんとも…。
・谷島:病気の娘のためにヤクザの金を持ち逃げして逃げ込んだ父親。泣ける。
・理実:人生に疲れ、自殺するつもりで森に入った中学教師。思わず応援したくなるキャラ。
 そんな彼らが、真人くんとの交流を通じて少しずつ変わっていく様子が、静かで、それでいてどこか可笑しい。森の中で共同生活のような時間を過ごすうち、誰もが「なんでこんなところにいるんだっけ?」という気持ちになっていく。それが面白い。
 荻原さん独特の、ちょっととぼけたユーモアが全編に効いていて、テーマは重いはずなのに読後感はふわっと軽やか。一人ひとりのキャラクターがちゃんと生きていて、なんだかんだで「案外みんないい人だったな」と思えてしまう。
 ​笑えて、ちょっと切なくて、でも最後には優しさが残る。荻原浩さんらしさがギュッと詰まった、群像劇の傑作でした。​

 ご訪問ありがとうございました。





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Last updated  2025.04.23 20:42:22
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