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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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音楽をテーマにした本

2020.09.25
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テーマ:お勧めの本(5295)
​​​・本編​「蜂蜜と遠雷」​を読んだ人たちへのお楽しみ付録的な感じの短篇集。もちろん本当の付録ではないので通常通りの料金で購入する必要がある。ワシはどちらも図書館本だったので手元に来るまでの待ち時間は大変に長かったが懐は痛まなかった。それなりに楽しめたのだが、買うほどではないなと言った軽い感じの本だった。本編のほうは買って読みなおす価値があるなとは思っている。

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祝祭と予感 [ 恩田陸 ]
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2020.9.24読了


・直木賞を受賞した「蜜蜂と遠雷」を発表する前後に書かれた作品で、関連したエピソードの短篇集。その後が「祝祭」でそれ以前が「予感」という意味なのだろうと思われる(たぶん)。

・ぶっ飛んだ風間塵の自由奔放な振る舞いや演奏、ナサニエルがマサルの師匠になるまでの話、その鬱屈した芸術家ナサニエルと天才ピアニストだった三枝子の関係、課題曲になった「春と修羅」のエピソードなどなどの短篇集。

〇「あ、奏ちゃんがヴィオラを弾いてる」と思った
〇パヴェル氏が「君の楽器だね」と呟き・・・
●その後の中で、コンクールにも出なかった奏のエピソードが語られる「鈴蘭と階段」が印象的だった。全く経験もないし想像するしかない世界なのだが、楽器と演奏者の関係がとっても興味深かった。

​〇男の子は頷いてニコッと笑った。「かざま、じんです」・・・「ユウジ・フォン=ホフマンといいます。どうぞ、よろしく」(「伝説と予感」)​
●まだ幼かった風間塵とホフマン先生との出会いの場面が最後の短編のラストだというのが何ともニクイね。時間が巻き戻されてまたここから物語が始まっていくような余韻を残して終わった。このラストがとても良かったなあと思う。






Last updated  2020.09.27 19:32:39
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2020.03.12
テーマ:お勧めの本(5295)
・中山七里音楽シリーズは「カエル男」を除けばデビュー作の「​さよならドビュッシー​」に続いて2作目、きっと読んだら面白うだろうなと思って図書館で手に取った。

​・以前に​「​ピアノが、音楽が聴こえてくるような本​」をまとめて紹介したことがあるけど、これはヴァイオリンやオケの音が聞こえてくるような本だった。あまり聴かなかったヴァイオリンに関心を持つきっかけになってくれた。本当はロック好きなんですけど・・・


2020.3.10読了 中古しかないので電子書籍にリンクしました


・密室で名器ストラディバリウスが盗まれた話から始まるのだけど、前半から中盤までは音大生の悩みとか確執を絡めながら、演奏場面の描写が半端ない!実際にその曲を聴いているよりも遥かにその演奏を感じているような気分になってしまう。おかげでパガニーニやチャイコフスキーやラフマニノフを聴きたくなってCDを聴きなおしたりアマゾンミュージックで繰り返し聴いたりしてしまった。というか、尾を引いて今でも聞いている。曲の解説として読んでもいいのかもしれないなとも思う。この手の音楽小説は好きだなと思う。パガニーニなんかはアマゾンで映画も観たし・・・

・それだけでもそれなりに楽しめるのだけど、そこは「どんでん返しの帝王」なのでそれだけでは終わらないのだ!

・気弱で真面目な主人公の晶がまさかの真犯人!??ちょっと納得がいかないかなあと思って読んでいたら・・・それは彼女をかばって罪をかぶろうとしての虚言だったというどんでん返し、さらに彼女は偉大なピアニストである祖父の彰良を助けるために企んだこというさらなるどんでん返し、さらにさらには実は不治の病を患った祖父の彰良が未必の故意で彼女の企みを誘導していた・・・彰良が実は主人公晶の父であったことも明らかになり、音楽家としての才能の限界を見切ってしまった孫の初音にも関心を失っていたとか・・・もうこんがらがってきたわい!って感じ、まちょっとシンプルでもええんでないかとも思えた。

・去年11月に読んで映画まで観た「​蜜蜂と遠雷​」で音楽家の世界を垣間見た気がしていたけど、この本では音大生の世界もだけど、何よりトップアーチストの栄光と孤独が最後に描かれていたのが印象に残った。

・前作「​さよならドビュッシー​」でも登場したピアニスト岬洋介が大学の非常勤講師となって登場している、というかほぼ主役でいい味を出している。彼がリサイタルで演奏した「皇帝」も、もちろん初めて聞いてみた。






Last updated  2020.03.12 20:57:13
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2019.11.23
テーマ:お勧めの本(5295)
〇ピアノの原風景を、僕は知っていたのだった。最初の楽器は森で生まれたのかもしれない。
●表題「羊と鋼の森」は、羊毛を固めたフェルトでできたハンマーと鍵盤から連なる鋼線のこと、木材でできたピアノそのものが森であり、それが奏でる音楽の世界がまた森でもあるというイメージ、ああ、何かうまく表現できないのが悔しい!


〇「ばあちゃんは兄貴のことが自慢だったんだよ」
●解説で初めて気が付いたけど、確かに主人公の外村には下の名前がない。外見の記述もいっさいないのに違和感なく、その内面の記述だけでリアルでやさしいイメージが湧いてきていた。

●音を聞いているわけでもないのに、たとえ聞いていても分からないと思うが、実際に音を聞く以上に、音色が、音の世界がリアルにイメージできたと思う。音楽小説って面白い。聞こえないものを表現するのは筆力も求められるのだろうけど、案外自由に表現できて個性が現れるものかもしれないとも思ったりする。

〇「明るく澄んで懐かしい文体、少しは甘えているようでありながら、きびしく深いものを湛えている文体、夢にように美しいが現実のようにしたたかな文体」(原民喜)
●カリスマ調律師板取さんが理想とする音色

〇「もしかすると外村君みたいな人が、たどり着くのかもしれないなあ」
●純粋な外村青年の成長物語でもあるが、お仕事小説としても面白かった。調律師の世界というのは初めて知った。ただ正確に音を合わせるだけじゃなくて深いんですね。

 そういえば家のピアノはもう10年以上調律してないなぁとピアノに目をやれば、物置台になり果てている。






Last updated  2019.12.06 21:47:25
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テーマ:お勧めの本(5295)
​​●図書館で予約して1年以上たってからやっと手元に。直木賞と本屋大賞を取った作品、なるほど恩田陸さん、分かりやすい小説も書くやんか。と思った。そういえば初読みだった「夜のピクニック」だって読みやすかったもんね。しかも本屋大賞を取っていたし。恩田陸さんの作品には、読みやすいリアルな世界の本と、独特なファンタジーの世界の本と、難解な世界な本という3つの世界があるような気がする。

●恩田陸、短編小説などを読んでジャズは聞いているのかなと思っていたけど、クラシック音楽にも造詣が深すぎる!みたいでびっくり。音楽聞きながら小説書いているんですか?って感じだ。

●読んで良かった~ 毎日昼休みに読むことと仕事が終わって家に帰ってお酒を飲みながら読むことが楽しみで仕方なかったので読み終わってしまってさみしい気持ち。これからぱらぱら読み返しながら感想文を書くのもまた楽しみ。

●音楽を聴いて映像をイメージできるとか物語をイメージできるとかいうのは凄い。作家だからなのだろうか?僕はいくらイメージしようと思って聴いても演奏場面しかイメージできない。

〇それが風間塵のカデンツァへの返歌だったのだと気付き、そのことがマサルにはショックだった(マサル)

〇それなのに、風間塵の演奏を聴いたら、自分も弾きたい、あそこに立ちたいと思った。彼のおかげで舞台に立ち、演奏することができた(亜夜)

〇「そう。飛んだよ。あんなことができたのは、おねえさんが初めてだよ。だから、僕を信じてよ」(風間塵)

3人の天才がお互いに影響を受け、与えながらコンテストの最中に成長していく、年長で年齢制限ギリギリの高島がまた存在感を保っていた。

〇「作曲家も、演奏家も、みんなさ。元々音楽はそこらじゅうにあって、それをどこかで聴きとって譜面にしてる。更には、それを演奏する。創りだしたんじゃなく、伝えているだけ」(菱沼)

〇スイングしている?そんなはずはない。ちゃんとサン=サーンスの曲だ(亜夜)

〇「先生、どうすればいい? どうすれば、この音楽を広いところ連れ出せるでしょうか?」・・・でも僕は、いつかきっと先生との約束通り、音楽を連れ出してみせます(風間塵)

●音楽とは何か?を問いかけて、恩田陸の解釈を伝えていると思う。

〇「一瞬と、永遠と。再現性-

●これは芸術の宿命だろうと思う。だから・・・そういえば患者さんとの関係性もそう???ならばそれもアートか?と思ったりする。一期一会を言うべきかもしれないけど。

●明石が表現しようとした「生活者としての音楽」と、天才たちが感じた「世界中に音楽があふれている」という感覚は大きなくくりでとらえれば交わる共通な世界観なのかもしれないと気が付いた。


・マサル・カルロス・レヴィ・アナトール
・栄伝亜夜
・風間塵
・高島明石
 
●風間塵はたしかに「ギフト」だったのだと思う。音楽が本来の音楽に回帰するために、音楽界の重鎮やこれからのピアニストに送られた爆弾は爆発して新たな発展の芽を出しつつあるらしい(小説の中での話なので、実際のことはしらないけど)



●映画を見てきた。もうブームが終わったのかシネコンで朝8時からの1回だけ上映。観客はなんと自分たった一人だけだった。当然だけど小説のほうが情報量のボリュームが多い分面白くて深いのは想定範囲内だったけど、やっぱり映像には映像の優れたところがあると思う。

●小説を読み終わってから、ところでタイトルにある「遠雷」ってどこかで出てきた?連想させるシーンってあったっけ?と恥ずかしながら分からなかったのだけど、映画では遠くで雷が鳴るシーンが出ていた。周囲の世界には音=音楽がいっぱいあるというイメージのつながりなんだろうと思ったけど実際の意図はどうなんだろう?まあ見たものの自由だとは思うのだけど。亜夜が幼いころに雨の音を聞きながら感じた「雨の馬が走ってる」というイメージを思い出して、最後の最後に音楽の世界に帰ってくる決意をするきっかけになったのだけど、なんか映像ではCGらしい馬に躍動感がないというか生きている感じがしなくて、ちょっと違うだろという感じで残念だった。

●映画では「世界は音楽にあふれている」ということは強調されていたけど、「箱に閉じ込められてしまった音楽を外に出してやる」っていう視点が削られしまっていて、そのぶん風間塵の存在感が弱くなっていたように思った。風間塵は「音楽を外に出してやる」仲間として亜夜を認めたというのが、ついでに言うとその亜夜と再会して昔の楽しかったピアノを思い出して殻を破ろうとするマサルの成長みたいな部分も弱まっていたかなと思う。

●とはいえ、小説からの文字情報は量も多くて深いかもしれないけど、強烈さで言えば映画で見た画像イメージにはかなわない。音楽を聴きながら情景や物語をイメージできるようになりたいと思ったのだが、映画の印象が強すぎて、やっぱりワシには音楽を聴くときには演奏する人たちや楽器しかイメージできそうもない。

●俳優にはあまり関心がないけど、正美がブルゾンちえみだったのにはちょっと驚いた。

●読んでから観るか、観てから読むか?どっちもどっちもだと思うが、両方を同時に試すことはできない。

●映画は2年前の1月以来でおよそ3年ぶりだったけど、映画もいいよなと思った。エンドロール最後まで座っていました。たったひとりの観客でした。






Last updated  2019.12.05 20:59:37
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2019.11.10
先日読んだアンソロジーで出会った熊谷達也さんは、東北地方の漁師の素朴で力強い短篇「川崎船(ジャツベ)」だった。初読み作家だと思っていたのに実はこの本は既読だった、作風違いすぎやろ!!


この本、実は何となく同い年の奥田英朗の作品だと思いこんでいたのだけど、一つ年上の熊谷さんの作品だったか。たった1年だけど確かにというか何となくロックシーンに対する印象が微妙に違うような気がしてしまった。もちろん共鳴する部分のほうが大きいのだけど、高校から大学のあの頃の1年の差ってとってもおおきいよね!本は再読だったけどまた最初に読んだ時の印象とは違ったりして楽しめた。

●実はわしも中学でギターを買ってフォークソングを、高校になって友人からグレコのエレキギターを譲ってもらってからロックに転向? 大学ではバンドを作ってロックをやっていたりしたので、ハイウェイスターの4連符で苦戦するところとかめっちゃよくわかるのだ。とは言え主人公ほどにはギターも上達せずのめり込むことはなかったのだけど・・・クリームやクラプトン、ディープパープル、スージークワトロ!?ピンクフロイド、ジャニス・ジョプリンも懐かしすぎる!

●ほろ苦い青春時代を絡めつつも、再会した昔のメンバーたちとともに新たによみがえる青春回顧の物語か?!と思えばくだらないかもしれないけど何となくいとおしい気持ちは同世代でないと分からないかも?

●うれし恥ずかしのギター購入が笑えるけどよくわかる、リズムボックスとかの進歩にもついていけないけど欲しくなってしまうのもわかる。初読みの時に、わしもエレキギター買っちゃおうかな、リズムボックスもいいよねとか思ってしまったのを思い出しつつまた同じような物欲に囚われてしまっている。この小説は楽器屋さんが応援してコラボ指たら良かったんじゃないかなと思ったがどうなの?

●作風は「川崎船(ジャツベ)」とは全然違うけど親子の話も絡めつつ?こっちはちょっと甘酸っぱいホームドラマ的に仕上がっていた。






Last updated  2019.12.06 21:48:25
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2019.03.29
テーマ:お勧めの本(5295)
​ 中山七里さんは5冊目、安楽死を扱った「ドクター・デスの遺産」が初読み、冷酷な生活保護行政を断罪する「護られなかった者たちへ」、障碍者スポーツを扱った「翼がなくても」など、社会派のミステリー作家という側面だけでなく、「カエル男」は猟奇的で精神病理的な小説でもあったが、音楽を題材にした小説でもあったと思う。実はこの子の私、「カエル男」を読んでからというものベートーヴェンのピアノソナタ「熱情」をいろいろな演奏者で聴きなおしたりしておりまして、とっても影響を受けてしまっております。それらに加えてもう一つ、中山さんが私の住んでいる名古屋とは同じ文化圏の岐阜出身だということもあって何だか気になっている作家さんだ。


●中山さんが「このミス」で世間に注目を浴びるきっかけになった作品で、かつ「カエル男」に続く音楽シリーズの第1作のこの本は偶然見つけてBookOffで購入(2019/2/10読了)

●作曲者も含めた曲の記述や曲の演奏そのものに関する記述が詳細で読んでいて思わず聞いてみたいなあと思う。実際にはその内容は半分も理解できていなんですが・・・ショパンは聞いたことがあってもドビュッシーなんてこの作品を読まなければ聞く気にもならなかったはず。この本を読んでからは影響を受けて今は聞いてみています。ショパンだって神経質で鬱陶しいと思って避けていたのに今さらながら聴きなおしている。

●熱傷に対する形成外科手術に関してなど全くあり得ないことだ、リアルティがないなと思って読んでいたので全体を通してちょっと醒めた気持ちで読みました。音楽的にはリアリティはどうなんでしょうか?小説なので当然ながら別にリアルでなくても楽しめれば言い訳で、エンターテイメントとしては充分に楽しめた。

●遙が実はルシアだった、どんでん返し作家、中山さんの始まり的な作品だと思った。読み始めた所ではそうなのかなと思っていたのにストーリーが進むうちにそんなことは忘れて結末でまた新鮮に驚けて良かったと思う。

●「音楽を題材にしたミステリー」というくくりになる小説なのだろうと思うけど、自分にとっては「ミステリーの体裁で書かれた音楽小説」なのかなと思う。音楽小説って結構面白い!


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Last updated  2019.12.05 21:01:32
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