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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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ミステリー小説

2020.08.20
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テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
・法医昆虫学捜査官シリーズ5作目(ごめんなさい、全部図書館本です)。読むのは4作目だけど読んで外れのない安心のシリーズ。赤堀先生と岩楯刑事コンビの掛け合いや信頼関係も板についてきた感じ。残りの1冊もそのうちに読んでみよう。

「法医昆虫学捜査官」シリーズ1-3

・ところでタイトルの「アニマ」って何?
 アニメおたくの話題も出てきたのでその線かなと思っていたが全然関係なかった。どうも「魂」とかそんな意味らしい。タイトルの意味を理解した読者は少ないのではないだろうかと思ったりもするが、そういう私もイマイチ分かっていないのだ。


・今回の舞台は伊豆の離島神ノ出島、ミイラ化した女性、西峰果歩の死体が発見されたことから話が始まる。

〇なんでウジが途中で食べることをやめて消えたのか。その謎が、いろんなところにつながってくるとは思う
・などと、よく意味は理解できないのだが、結局は法医解剖や鑑識の結果とは違っていてもそういう昆虫の声を聴くことで真実に近づいていくといういつものパターン。ミイラや蟻の大群なら大丈夫かは分からないが、死体の中でウジ虫がうじゃうじゃみたいな場面がなくてちょっと普通?だったような気がする。

・今回は外来種であるアカカミアリという凶暴で繁殖力の強い蟻が重要なカギとなっていて、マツクイムシの調査が関与していたというのが昆虫学的な謎解きだった。

〇自分は仕事の手を抜きつつ勉強するようになったんですよ。・・・階級はそのまま給与に響きます。つまり、不真面目な自分のような人間が、真剣に職務と向き合う者よりも高給になっていく。性格的に、そういう自分が許せなくなっていたんです
・岩楯刑事の相棒になったのは新島南警察署の兵藤で、警察組織に疑問を感じつつ組織の中でうまく生きていこうとして悩んでいた潔癖症の彼の成長物語にもなっていた。

・果歩やその妹由紀に多大な保険金をかけていた両親、首つりが美徳だとする島の過去の風習は貧困の中で口減らしを正当化するためのものだった、それが書かれた「風習と民俗」という本が消えてしまった。果歩が最後に心変わりして生き直したいと言ったという真実が明らかになる。なんともやるせない。

〇「死ぬなんて考えるな。未来にはきっといいことがある。死にたくなったら、夜中でも電話してこい。君は若いんだ。いつだって輝ける。今に打ち勝て・・・。いろんなありきたりな言葉をかけてもらいました。わたし、警察マニュアルにいくつ言葉が載っているのか数えているんです。だから今は電話がちょっと楽しみ」由紀は伏し目がちにぎこちなく笑った。
・岩楯も兵藤も被害者の妹由紀を実はしっかり支えていたんだというのがまた良かった。

・このシリーズの中で一番の傑作ではないかと思う。






Last updated  2020.08.23 17:58:41
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2020.08.07
テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
・夜、布団の中でこの本を読み終わって眠りについた。そのせいか、何度も人生を繰り返す「ループ」あるいは「リバース」といわれる状態になってしまった夢を見た。小説の中では、同じ人生を繰り返すのだから、学習して失敗を繰り返さないようにしたりうまく立ち回ったりするはずなのだが、ワシの場合は繰り返すたびにどんどん悪いほうに行ってしまうという情けない夢だった。繰り返すうちに人生の良かった部分がアルバムからどんどん消えていってしまって「おいおい、そりゃないだろう」みたいな悲しい気持ちで目が覚めた。そういうタイプの小説あっても面白いのかなと思ったりした。

・というあまりこの本に関係ない前振りでごめんなさい。でも、どういうわけか書いておきたかった。


2020.8.1読了


・新聞の書評から興味をもって借りた図書館本。初読みの作家さんで「このミス」大賞シリーズだとは知らなかった。たまには気楽なラノベ的学園ミステリーもいいかなって感じで読んだのだが、けっこう面白かった。

・高校2年生の主人公(自分は物語の主人公ではなく、“モブキャラ”として誰かのループに巻き込まれていると考えている)が、1124日が何度も繰り返されていることに気づく。ループの中で誰かを助けると助けられた人もまたそのループに気が付いて仲間がどんどん増えていく。1年前に亡くなった同級生の女子高生が二人、一人は自殺でもう一人は連続殺人の犠牲者とされている。真相はよくあるパターンだが、ループが絡んでいて面白くなっていく。なのでこんなオヤジでも楽しく読めたのだと思う。


〇靴がない。そのかわり焼きそばパンが二つ、まるで履いてきたかのように揃えて置いてある。
〇しかし悠樹は言った「仕方ないよ」

・ほぼ1日の出来事のループ、同じことを繰り返しているその中にヒントが隠されていたり、繰り返されていたことが再現されなくなっていることがヒントになっていたり、なかなか面白かった。だからこそ「このミス」大賞なのでしょう







Last updated  2020.08.08 17:26:22
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2020.07.26
カテゴリ:ミステリー小説
​​「悪いお医者さんがうちに来てお父さんを殺した」と少年から電話がかかってきたことから始まる、「安楽死」をテーマにした医療警察小説。読み物としては面白かったのだけど・・・

2018.1.27読了


​〇終末期医療については・・・余命いくばくもないと診断された患者に対し、延命治療を中止することだ
●それは違うだろう!「終末期医療」について誤解を与えてしまう内容ではないかと危惧される。身体的苦痛については適切な緩和ケアでかなり対応でき得るし、できない場合でも死期を早めない鎮静という方法があるので身体的苦痛除去目的での安楽死には疑問があるし、経済的なことが理由で安楽死を求めることがあるならそれは許されなと思う。社会的な苦痛やスピリチュアルな苦痛にどうやって向き合っていくのかが大切で、安易に安楽死を許容するべきではないと思う。

●ストーリーは、どんでん返しの帝王こと中山七里さんの作品なのでそれなりに楽しめるだけに残念。ちなみに途中から真の犯人は予想がついてしまった。

〇だって家族を死なせたくないのも、苦しませたくないのも、根は同じ思いやりなんだからさ・・・対立してるんじゃなくてアプローチが違うだけなんだと思う
●という沙耶香のラストの言葉に救われる。

●国境なき医師団の体験があったとしても戦場環境での安楽死とは別、問題提起だとしても、だからこそ?現場で関わっているモノとしては、「終末期医療」についてもう少ししっかり勉強してから書いて欲しかったというのが実感である。






Last updated  2020.07.26 12:16:32
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2020.06.08
カテゴリ:ミステリー小説
​​​・綾辻行人さん初読み。推理小説好きの入院患者さんにもらったたくさんの本で読んでなかったうちの1冊。ロフトにある本棚で見つけた。日本の本格推理小説作家らしいので読んでみようかと思って手の届くところに置いておいた。

・夜中に蚊に刺されて目覚め、刺されたところはかゆいわ、時々「ブーン」という羽音が顔の周りで聞こえるわで眠れなくなってしまった。夜が明けてしまったので諦めて本でも読もうかと読みだしたら一気読みだった。

2020.6.7読了


​・ところで本格推理小説ってなんなん?とあまり考えたことのないことを考えてみる。
・作中に《読者への挑戦》が入っていたが、これは推理小説作家としては勇気がいることらしい。それまで書かれた中に全ての情報が入っていないといけないし、別な人が犯人である可能性が残ってもいけないし、まず簡単に犯人が見破られてもいけないし、といういろいろなしばりがあるからだ。なるほどと思った。
・ただ読者としては、読者に挑戦されてもねえ・・・と思う。綾辻さんはエラリークイーンを愛してやまない作家とのことだが、エラリークイーンを読むときには時代背景も違う過去の名作として楽しめたり味わえたりするところが、現代の綾辻作品を読むのは読み方がまた違うだろうと思う。
・与えられた情報を吟味して本格的に推理しながら犯人を予想しながら読んでいくというよりもストーリー重視というか、細かいことはいいから犯人は誰でそこにはどういう物語があるねんというタイプの読者なので、「本格推理小説」には向かないのかもしれない。

・この小説は「本格推理小説」として読み応えのある面白い作品である(たぶん)。






Last updated  2020.06.08 20:32:56
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2020.06.07
テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
​​初読のときの記録から・・・
「ABCキラー/有栖川有栖」「あなたと夜と音楽と/恩田陸」「猫の家のアリス」「連鎖する数字/貫井徳郎」「ABC包囲陣/法月倫太郎」
●アガサ・クリスティーの「ABC殺人事件」をモチーフにしたアンソロジー5作品。有栖川有栖さんは別なアンソロジーで読んだことがあったけど、法月倫太郎さんだけは初読み。しかも、読み方を、ずっと「ほうげつ」だと思っていたのに「のりづき」だということに初めて気が付いた!
●この1年の間で海外の古典ミステリーをけっこう読んでいたので、この推理小説の古典中の古典ともいえる「ABC殺人事件」を読んだ(というかAudibleで聞いただけかもしれない)記憶もまだ新しく楽しめた。中山七里さんの「カエル男」も思い出した。
●有栖川さんと法月さんの作品は本格推理小説っぽく、へえ~面白いなと思った。
●恩田陸さんの話は既読だったけど再読してやっぱよく書けているなと偉そうに再確認できた。「ABC殺人事件」との関りでモチーフがどうなの?とも思ったが、ヒントを散りばめながら事件が現在進行形で進んでいくところがそうなんだろうかと思った。
●加納さんの猫の話は、いちばん「ABC殺人事件」をモチーフにしたというのがわかりやすいし、加納さんらしい日常のミステリー小説だった。私立探偵仁木と助手の安梨沙はシリーズもので書かれていそうなのでそちらも読んでみようかなと思った。


2019.3.10読了 2020.6.1再読


​以下、再読の感想より

・アガサクリスティーの「ABC殺人事件」をモチーフにした書下ろし短篇集。再読だけど、「あなたと夜と音楽と/恩田陸」以外は悲しいかな全く記憶に残ってなかった。全部書下ろしってこれはまたすごいな。

・そもそも読もうと思ったのは、Audibleで聴いた有栖川有栖さんの「マレー鉄道の謎」が期待に反してイマイチだったので、もう1回短編でも読み直してみようかいという気持ちだったが・・・

・初っ端が有栖川有栖氏の「ABCキラー」。これは面白かった。この作品が一番アガサクリスティーの原作を忠実にイマージュしているような気がする。ABの殺人がCD殺人のヒントとなり誘因となった。原作よりもストーリーとしては面白い?有栖川有栖さん、長編よりも短篇のほうが面白い??

「あなたと夜と音楽と/恩田陸」だけは3回目なので記憶に残っていた。ラジオ番組のディスクジョッキー2人の語りだけで書かれたミステリー小説。何度読んでも面白いなと思う。「ABC」殺人事件のテーマとしてはどうなの?という意見もありそうだが、ABC順で殺人事件が起こらなくても、決まった順序で曲をかけることで犯人を追い詰めるって話は、恩田陸的「ABC殺人事件」解釈でOKだと思う。まれにみる秀逸な短篇だと思っている。

「猫の家のアリス/加納朋子」は殺されるのは人でなくて猫だけど、「ABC殺人事件」をモチーフにしたというのが一番わかりやすいし、加納さんらしい日常のミステリー小説だった。

「連鎖する数字/貫井徳郎」では、数字は子供が殺害された日にちと時刻だった。安楽椅子探偵の迷推理はご愛敬か。

「ABC包囲網/法月綸太郎」は、機会に恵まれず、いまだに唯一読んだことのある彼の著書。本格推理小説短篇らしい作品で面白かった。再読なのにかすかにしか覚えてなかったのは普通なのか、それほど魅力がなかったのか、私の認知機能の低下なのか・・・






Last updated  2020.06.07 18:58:20
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2020.05.30
テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
​​​​・小説いついては今のところ読んで外れは一度もない作家。どんでん返しの帝王と言われている作家としては、今回のどんでん返しはイマイチだったかなと感じた。読者としては作品を何作も読むうちにだんだんハードルが高くなっているのかもしれない。

・ところで「テミス」って誰?
​〇右手に剣を、左手には秤を携えた法の女神テミス・・・剣は力を意味し、秤は正邪を測る正義を意味している。​
・秤が間違えば剣は誤った者に向けられるというのがテーマなのか?もっと言えば人がそんな人を裁く秤を持ちうるのだろうかということを問う小説を書こうとしたのだろうと思う。

2020.5.25読了


・今回のテーマは冤罪。誤認逮捕され死刑判決を受けて獄中で自死した「犯人」とその家族、被害者とその家族、取り調べをして証拠捏造までした警察、検察や裁判で誤った死刑判決を下してしまった裁判官たち、それぞれの立場からその心情やとった態度を書いた小説だった。

​​​〇「そんな調書、俺は知らん。さっきの立ち会いも知らん。お前が一人でやったことだ。いいか、俺は絶対に無関係だからな」​​​
・別件で逮捕された迫水が自供して冤罪だったことが分かると、保身、組織防衛や対面の保持のための隠蔽体質から渡瀬に攻撃が始まった。

〇人が神の視座に立つことなど到底不可能だ。それにも拘らず裁判官は人を裁かなければならない。
〇押しなべて裁判官と呼ばれる人種は最高裁に逆らおうとしない。その判断と対立してまで自説を貫こうなどとは露ほども考えない。何故なら裁判官といえども公務員であることには変わりなく、その処遇を決定するのが最高裁だからだ。

​〇「世の中に正しいことなんて何一つない。あるのはその時々に都合がいいか悪いかだけだ。それを見誤ると得にならんぞ」 それがどうしたクソ野郎。​
・証拠品=被害者の血が付いたジャンパーの捏造

・こんなに重くて面白いストーリーだったのに、どんでん返しがイマイチだった。信頼していた検察の恩田が裏切りもので、今回の事件の仕掛人だった訳だが、その理由がただの不倫の隠蔽だったなんてちゃっち過ぎない?!その点がちょっとばかり納得がいかないと思った。






Last updated  2020.06.01 20:23:03
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テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
・岡嶋二人という作家を知ったのは、私小説的な「おかしな二人」という本を読んだことがきっかけだった。二人合作ゆえの苦労や行き違いもあり、締め切りに追われながら苦しみ抜いて作品を書き続けていたということを知っていたので、作品には興味をもちながらも読みづらくて暗いものだろうなと勝手に想像してしばらく積読にしてあったのだが・・・

・岡嶋二人さん初読みは、読みだしてみれば思いのほか読みやすく、ミステリーとしてだけでなく小説としても普通に面白かった。


2020.5.28読了


・2世代にわたる誘拐の完全犯罪。被害者だった者が今度は加害者として誘拐を計画、コンピューターでプログラミングして行われた。これが書かれたのが1988年、まだ携帯電話もなくポケベルでパソコンもちょっと重い画像を処理しようとしたら膨大な時間がかかっていた時代だと思う。現在でもおそらくこんな完ぺきなプログラムによる完全犯罪は難しいと思うが、当時にこの発想ができたことには驚嘆するしかない。

・末期がんに冒された男が病床で綴った誘拐事件に関する手記を、瀬戸内海で起こったある事件をきっかけにその息子が読むことになった。かつての事件で誘拐された少年だった彼は過去の誘拐事件の真相に気づき、父の無念を晴らすべく誘拐の完全犯罪を計画したという話。完全にネタバレだ!だけど、小説を読んでいるうちに真犯人は分かってしまうし、昔の誘拐事件のことも薄々気付くように書かれていたので、謎解きで勝負するミステリーとは考えずに書かれた話だと思うのでまあいいか?

・真犯人を慎吾と見破ったのは、上司でありかつて父が信頼していた部下であった間宮。彼はかつての誘拐事件の主犯格だった男である。かつての誘拐事件で身代金受け渡しの場となった瀬戸内海のフェリーの上での二人の会話が最終章。100%ではなく99%の誘拐というタイトルについて考えてみる。どちらの誘拐も100%ではなかったのだと思った。

・岡嶋二人さんの他の本も読んでみてもいいかなと思った。






Last updated  2020.05.31 18:57:36
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2020.05.21
テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説

・新型コロナパンデミックの中、30年以上前に読んだ本を思い出して再読。当時(も今もだけど)敬愛していた椎名誠さん推薦の作家なので読んだ本の中の1冊だったと記憶している。

・感染症を故意に発生させる犯罪と戦うサスペンスでとっても面白かったというのが、再読する前にもっていたイメージだったが、再読してもその印象は変わらなかった。ただ当時はエボラ出血熱という感染症をどこか遠い世界のSF的なことだと感じていたように思うのだが、読み返した現在ではリアル起こりうるサスペンスとして身近に感じてしまうのが大きな違いだった。あとはCDCについて認識が深まったのも収穫、日本にそれにあたる組織がないのは問題かも?と思った。今回のコロナを機会にそういう機関ができればいいのだが・・・



2020.5.20読了

1976年にザイールで発生したエボラ出血熱が時を隔ててアメリカの各所で飛び石的に発生、初発患者は医師、発症前に追いはぎにあっている・・・CDCの新米医師マリッサが解明のヒントを得るが上司や同僚から孤立してしまい、頼りにしていた恋人は・・・

・著者のロビン・クックは医師で、医療に関連したサスペンスを何冊か読んだ記憶がある。医学的な問題や医療を題材にしつつも、サスペンスドラマのようにハラハラドキドキする小説を書く作家なんだろうなと思う。

・ウイルス感染を収束させるキモはやはり隔離、解明するのは疫学調査なんだなと改めて認識できた。







Last updated  2020.05.22 20:15:28
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2020.04.10
カテゴリ:ミステリー小説
​​・ミステリー小説分野にカテゴライズしていいものかどうか微妙だけど、小説推理新人賞受賞作なのでまあいいかあみたいな感じ。どちらかというと女性を主人公とした、逞しくも愛らしく強い女をテーマにした短篇集だと思う。
・表紙がちょっとあれというかこれなんで・・・還暦のジジイが読むには抵抗があってこそこそ読む羽目になってしまった。対象はヤング世代(これっておそらく死後ですね?)なのかなと今更気付いた。ちなみに著者の垣谷美雨とワシは同じ年生まれなのだが・・・


2020.4.9読了


〇カバーの表紙は、学校の廊下らしいところに立つセーラー服姿の女子高生、首から下だけで顔は分からない。第1話「竜巻ガール」の涼子のイメージだろう。

・表紙がちょっと何というかあれで・・・還暦のジジイが読むには抵抗があって何となく隠れてこそこそ読む羽目になってしまった。遅ればせながら対象はヤング世代(これっておそらく死語ですね?)だったのかなと今更気付いた。ちなみに著者の垣谷美雨とワシは同じ年生まれなのだが・・・そう思えば何だか共感できるような気もしてくる。逆にそれを知らなかったら読後の感想はまた違っていたような気がする。小説ってそれを書いた作家のプロフィールも含めてのものなんだなと気が付いた。それって邪道?

「竜巻ガール」

・視点は高校生男子、突然に父が再婚して同い年の妹ができる。初対面はガングロだったけど実は美人の彼女とあっという間にエッチな関係になって・・・結局は離婚して別れることになるが、彼女やその母親の生き方や強さや弱さなど人生勉強もしました。みたいな感じ。

〇「ガングロはもうひとりの自分になれるの。身を守る仮面でもあるし。あんまりきれいだと、ママの彼氏に襲われたりするからね」

「旋風マザー」

・借金を払えずに行方不明を装っていた父親を持つ独身息子の視点からの短編。親しくなった女性との甘い関係を夢見ていたのだが、実はその女性は父親と結婚することになった。実はそれを操っていたのが書類上ではまだ離婚が成立していない実の母親だった。あらすじをまとめればミステリーかも?女は怖いな。

「渦潮ウーマン」

・湯河原の旅館で溺れた不倫相手を見捨てて逃げ帰った女性の視点からのサスペンス。憧れのサラブレッド上司がマザコンの泣き虫だったり、その彼が湯河原の旅館の女将の姉だったり、思わせぶりな麻美さんが単なるいい人だったとか・・・人が死んだとは言え何となくハッピーエンドに感じて一番面白かったと思う作品。

〇「あなたは、自分の身を守るためなら旅館から逃げ帰るような卑怯者にもなれる強い人間よ。そういう臨機応変なところも聡明な証拠だわ。それにストーカー行為にしてもなかなかのものだったわ。あれくらいのことをやれる女性じゃないと、社長夫人は務まらないわよ・・・」

・そんなかっこいい彼を足蹴にして玉の輿を拒否して生きる人生を選択した主人公に拍手したい。

「霧中ワイフ」

・年下のイケメン中国人と結婚した新婚女性の視点から。妊娠した女性が、偶然に彼の娘からに来た手紙と家族写真を見つけて夫の二重結婚疑惑に悩んで葛藤する。結局はハッピーエンドになってよかった!

解説

・北上次郎と言えば目黒考二として「本の雑誌社」で椎名誠と一緒に仕事をしていた人ではないか!または椎名誠率いる「東ケト会」のメンバー「カマタキの目黒」としてご飯を炊いていた人でもある。しかも「椎名誠 旅する文学館」の名誉館長も務めていたはずだ。ちなみにワシは椎名誠の大ファンである。
・​椎名誠と目黒考二の対談「本人に訊く〈1〉よろしく懐旧篇」​は少し前に読んだばかりだった。
・本を読みたくて読みたくてしょうがなくてたくさんの本を読んできた彼が、彼女の才能をとても高く買っているのに驚いた。なぜならワシはそれほどには面白いと思わなかったからだ。単に好みの違いとか指向の違いならいいのだが、読み込みが浅いとか感受性が乏しいとかだったら残念だなあと少し不安にさらされている。

・タイトル作にはいきなり面食らってしまって、あまりいい印象はない。「渦潮ウーマン」が一番面白かったかな。でも一番インパクトを受けたのは解説かもしれない。

​​






Last updated  2020.04.12 16:27:56
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2020.04.01
テーマ:お勧めの本(5293)
カテゴリ:ミステリー小説
・BOOKOFFでたまたま見つけて、名古屋のローカルな小説なら読んでみねばなるまいと思って買っておいた本。著者の太田さんは愛知県出身でワシと同い年と書いてある。ワシは名古屋出身ではないものの18歳から40年以上も名古屋で生活しているのだ。
・、買ってすぐに読みはじめたときは「つまらない」「失敗した」と思ってすぐに中座してほかって置いた(これたぶん名古屋弁?)。
・で、このたび何とはなしに再読してみたら「結構面白いじゃん」と何故か印象が違って一気読みしてしまった。本って読むタイミングで印象が全然違うことがあるんだなと思った。

2020.3.30読了


・タイトル通りの、名古屋駅西にある喫茶店「ユトリロ」を舞台にした日常のミステリー短編連作小説。主人公は東京生まれだけど祖父の喫茶店「ユトリロ」に同居しながら名古屋大学の医学部に通っている龍くん。

・名古屋のソウルフードが各章のテーマでタイトルになっている。「手羽先唐揚げ」「カレーうどん」「エビフライ」「寿がきやラーメン」「鬼まんじゅう」「味噌おでん」。エビフライは別に名古屋名物ではなかったのだが、タモリが「えびふりゃー」と言ってバカにしたのが広まって名古屋名物と誤解されたらしいとか、寿がきやラーメンは中高校時代を小田原にもあったので知らなかったが名古屋がメッカだったのかとかいろいろ再確認させてもらえた。

・龍が憧れている大学先輩の明壁麻衣のシャーロックホームズよろしくの名推理で謎を解き明かして的確なアドバイスをするのがけっこう小気味良かった。軽く人間ドラマ的な部分もあったし。

・その麻衣の正体、紳士と呼ばれる老人の正体と麻衣との関係、ユトリロの絵が本物だったことなど連作小説としての結末もよくできていたような気がする。麻衣が既婚者だったって結末は何となく残念というか気の毒だった。

・続編もあるらしいが、またBOOKOFFの100円コーナーで見つけたら買っておいて気が向いたら読もう、くらいな感じかな?






Last updated  2020.04.01 20:09:59
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