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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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認知症をテーマにした本

2020.03.29
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テーマ:お勧めの本(5293)
川瀬七緒さんの作品には図書館でたまたま出会って手に取った「​法医昆虫学シリーズ​」が馴れ初めで、ちょっとばかりハマってしまったのだった。遡って江戸川乱歩賞を受賞したというデビュー作の「​よろずのことに気をつけよ​」を読んでみたり、「​テーラー伊三郎​」も図書館本で読んだりしている。大変申し訳ないが、またこの作品もまた図書館本。

・題名の「フォークロア」って何だろうとネットで調べてみたら、「伝承」とか「民俗学」みたいな意味らしい。「認知症のケア」「介護と民俗学」がテーマ、よくぞ小説にしてくれたとうれしく思う。

・参考文献に「驚きの介護民俗学/六車由美」があった。「うーん、やっぱりな」と納得した。まさにこの本をミステリー小説化したものだと思う。


2020.3.21読了


・手に余る症状のために他の施設を厄介払いになった手のかかる認知症患者6人が生活するグループホーム「風の里」を舞台にした話。読み終わってみればミステリーだったみたいな感じ。

・国立民族学博物館研究員で「口頭伝承」を調べている羽野千夏がフィールドとして紹介されたグループホーム。主人公は彼女と入所している6人の認知症患者さんたち、終盤に千夏と大地とともに認知機能の低下した彼らが協力して監禁された少女を救うことになるのはあり得ないと思いつつも・・・小説だから許しちゃうかなと寛大になってしまうのだ。

・大地君は不登校の高校生、インターネットで千夏と知り合って事件にかかわる中で自分の人生を考えられるようになるというのがサイドストーリーになっている。

・「おろんくち」「がらんど」など脱走常習犯の「くノ一」と呼ばれる老女の言葉から謎を解いていって全く別件の誘拐事件を解決するという話になっていた。

・決して何もわからなくなってしまった人たちではない、記憶に残っている部分に大いに意味があるし、今現在も意思表示している、それは意識して分かろうとしなければ理解できない。

・カウンセラーの松山さんは対極、いろんな資格を持っているのだけど、決められたプログラムを遂行して数値化したデータを集めるという考えに囚われて真実に全く目が向かない人。

〇「この仕事に就いてから、自分がものすごく冷たい人間になったと思う。なにをしても感動がなくなったし、人の生き死にに無頓着になって、物事の裏側ばかりに目がいくようになった。だから続けていられるとも言えるけどね。心がある人はすぐに辞めるから」

・グループホームのスタッフ主任の島守チーフの苦悩もリアル。

良い小説だったな、読んで良かったなと思った作品だった。






Last updated  2020.03.30 19:08:17
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2020.03.15
テーマ:お勧めの本(5293)
​​ 認知症の母親を介護している息子が母親との日常をユーモラスに描いたコミックシリーズで映画化もされている。診療所の医師として外来でも在宅診療でも認知症患者さんとその家族との関りが仕事の中でも大きなウェートを占めている。日々これ勉強なのだけど、この「ペコロス」シリーズのほのぼの感には癒され力づけられている。実は読んだのは数年前なのだが、別な小説を読んでいるうちにこのシリーズを思い出して当時に書いた感想文的なものを読み返してみた。せっかくなのでブログにアップしておくことにした。


2014.3.9

​ 図書館で借りて読んだものの気に入ってしまって手元に置いておきたくてすぐにアマゾンで購入したのだが、職場の介護スタッフが退職するときにプレゼントしてしまったので今は手元にない。​また買っちゃおうかなと思ったりしている。ちなみにDVDもあってこれもなかなか良かった。​

●認知症の母親をテーマにしたコミックなんだけどとっても素晴らしい作品なので、何度も読み返して気の利いた感想文でも書こうと思ってもなかなか思いをどう書いたらいいか迷ってまた読み返してクスクス笑ったりしみじみしているうちに図書館の貸し出し期間を超過してしまいました。で、とりあえず一冊インターネットで購入することにしました。認知症に関わる職業の人やご家族にぜひ読んでもらいたいなぁ・・・・そんな甘いもんじゃないって言われればそれはそうなんだけど、とってもいい話なんみんなに読んでもらいたい!
〇「ボケることは悪いことそんなに悪いことばかりじゃない」●ってほんとにそう思える本でした。
●ペコロスって玉ねぎのことで、頭のはげた作者の岡野さんのことなんだけど、決して自虐的な笑いじゃなくて、今はボケてしまったけど苦労したお母さんや酒乱だったお父さんのこれまでの人生を「慈しむ」というのかやさしくつつむような笑いが泣き笑いに・・・・きっといいお母さんだったんだろうなぁ


●認知症の母にまつわる日常をほのぼのと描いたコミックのシリーズ第2弾。息子のことが分からないことが多くなるほど認知症が進行母親みつえ、ハゲ頭になった息子ペコロスは、生前にアル中だった父親も含めて遠い過去のみつえまで丸ごと愛情満載で受け入れているのが感じられて癒される。長崎弁でまた癒される。
●金太郎あめみたいに「どこを切っても同じ顔」みたいなこみっくだけど今回は、脳こうそくを併発、グループホーム入所、胃瘻造設・・・・そしてついに最期の時を迎えます。
●グループホームから胃瘻をするかどうか相談を受けたあたりの葛藤がリアル!
○「胃瘻してまで生き延びるとは反対やろネ」
○「60年前のみつえさ~ん 6年後のあなたに胃ろうばしても良かですか~!?」
○「若っか日のさとるさ~ん! 60年後の あなたの奥さんに胃ろうばして良かですか~!?」
○「スタッフと話し合い」「胃瘻に関しても何度も話し合い」
○「自然に生を全うしてほしいという思いと」「一日でも長う生きてほしいという思いがせめぎ合い」・・・「胃瘻を造設してもたった」
●リアルだけど・・・ST(言語聴覚士=食物嚥下のプロ)や栄養士が関わればどうなったんだろう?とも考えるとちょっと残念かも?あとグループホームが胃瘻を提案?グループホームでで胃瘻管理できる?と思ったりもする。
​●認知症カフェに置いてほしいシリーズですね。​



2016.6.30読了

●母さんのみつえさん亡くなってもまだ描くか!?しかも内容は金太郎あめみたいにどこから読んでも同じ顔!?だしと思いつつ読んだけど・・・

●認知症になった母親とのエピソードを自分が編集長を務める地元のタウン誌に描き始めたらいつの間にか漫画家になって・・・母親だけでなくすでに亡くなったアル中の父親も含めた家族関係をやり直しながら過ごした愛おしい時間は母親からもらった玉手箱だったし、思い返してみれば本を書いたことによる人とのつながりも含めてお母さんからの贈り物だったってことですね。

●やっぱ認知症をテーマにした癒し系の良書だと思う。BPSDに本当に困っていたり真面目すぎる?介護者の方にはなかなか受け入れられないかもしれないけど・・・

●自虐的な著者のハゲねたまでもほのぼのした癒し系の笑いになっていて・・・実はここだけの話、1巻に続いてシモねたがいちばん笑えた!


2017.8.23読了

認知症になった母みつえさんを描いたほっこり漫画「ペコロスの母」シリーズ。
今作は作者の息子まーくんのお話し。ついに全編カーラーでメルヘンの世界に?
●まーくんに添い寝している自分と、施設で大人になったまーくんに訪問されているもうボケてしまった自分、どっちが夢でどっちがうつつ?

〇「あっちが夢じゃいろ」「こっちが夢じゃいろ」「どっちでん良 か」「どっちでん良かさ」
●認知症になったらこんな感じなのかな?
●こんな風にボケられたらいいなぁ・・・周りもこんな風に受け止めてくれたらいいだろうなぁ
●ボケるのは自然なこと、悪くはないなぁとあらためてほっこりさせてくれた。






Last updated  2020.03.16 19:08:11
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2019.12.15
●映画を見たのは10年くらい前だったことになるのかな?樋口可南子さんがとっても良かった印象がある、陶芸家の大滝秀治さんや木梨憲武も印象に残っていた。
 なので良いか悪いかわからないけど主役の渡辺謙さん以外も何となく映画のイメージで読めた。

2018.3.5読了

●映画はけっこう小説に忠実に作られていると感じたけど、映画では終盤に、枝実子が主人公と会うまでに山場があったり、小説に対するアンサーのようなラストシーンがあったりと違うラストだったような気がする。それに対してこの小説のラストはあっさりして余韻を残すイメージ。こっちのほうが好きかも?

●アルツハイマー病になってしまった本人の立場から書かれた小説。実際のところは確かめようもないのでわからないけどけっこうリアルな気がする。 認知症になっても全然分からなくなったわけじゃないし、プライドもあるし不安感も強い、人格も尊厳も失われたわけじゃないって、広く理解されたらいいなと思う。

〇「good-for-nothing」『役立たず』通路に出されたデスクトップパソコンの「廃品」という張り紙に書かれた落書き。
●たぶん象徴的なイメージだと思うけど、「きついな」って感じつつも「うまいな」って感じた。






Last updated  2020.03.15 18:03:43
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2019.03.10
●東京で暮らしていたバツイチのイラストレーターが再婚して九州の田舎で暮らしを始めたけど、義父が認知症になって・・・という認知症患者さんや家族にまつわる「あるある」的な小説。私が仕事をしている名古屋のような「都会」ではそれなりの困ったことがあるのだけど、「田舎」ではまだまだ「長男の嫁」とか「世間体」が現役でしばりのキーワードになっているんだなと思った。閉鎖された田舎社会で世間の評価を気にしばがらの生活はつらそう!ってな感じのリアルな認知症介護家族の小説。主人公の嫁が認知症になった義父に愛情を感じていたことが分かって救われる。

●むしろ、医療や介護に従事する関係者に読んでもらいたいかも?子供が親の面倒を最後までみなくてはいけないという、かつての常識はもう通用しなくなっていると感じている。

●認知症になった守の妻、嫁、義姉、認知症の義父を介護する夫の部下など様々な視点からの本音トーク小説になっている。いろいろ行き違いがあったけど、そして守は亡くなってしまったけど、最終的には予定調和的なハッピーエンドで終わったことで救われる。

●自分だったらボケても病気になっても、最期まで人間らしく生きたいものです。そんな医療やケアを提供したいと思っています。

〇「死後離婚」●そんな手もあるんですね。メモメモ・・・






Last updated  2020.03.15 18:11:14
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2019.02.02
テーマ:お勧めの本(5293)
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●ブラジャーを「乳兜(ちちかぶと)」と呼んでいたという歴史的事実?的な話に笑った!

●六車由美さんの『驚きの介護民俗学』に啓発を受けたと最後に書かれていたけど納得!です。私も共感し感銘を受けた本でしたが、小説化したらこんな感じになるのかなと言う感じ。岡野雄一さんのコミック、「​ペコロスシリーズ​」の世界観とも重なるなぁと思います。


●認知症になったお年寄りは、新しい記憶から順々に失って過去に戻っていく、そしてたぶん自分が一番輝いていた時代に生きてる、そんな人たちを全部は理解できなくても、関心をもって知りたいと思い、共感して受け入れることのできる家族や施設スタッフのいい話だなと思います。実際の介護現場や医療現場ではそんな余裕がないのは分かっているつもりですが、そんな世界観を理解することで、理解できなくても共感しようとすることで受けるストレスが減る可能性もあるし、業務の手間の減る可能性があるのではないかと思っています。簡単じゃないことは分かっていますが、意識変革は必要でしょうね。

〇認知症も悪いことばかりじゃありませんね。(牛枝さんの娘さん)
●土倉牛枝さん88歳は戦争で死んだ3人の兄たちや兄弟のように育った3頭の馬たちに夢の中で会っているらしいことが寝言でわかる。名前に似合わず凶暴になることのある宇美乙女さん95歳は多産で苦労した人なのに出産時の痛みを思い出してしまうけどそれが彼女の人生がもっとも輝いていた時なのかもしれないと思いました。
●エリザベスは、清朝最後の皇帝・溥儀と妻・婉容のイングリッシュ・ネーム
満州国建国後、イングリッシュ・ネームをもち、華やかな天津租界で暮らした日々に、清朝最後の皇帝・溥儀と妻・婉容が交錯する、天野初音97歳。認知症の老女たちのなかに宝石のように眠る、輝かしい記憶たち。そのゆたかな世界を描いた長篇小説でした。

​●施設看護師の言葉として、認知症や高齢者の医療や介護の原則もきちんと書かれていた。なので好感が持てて共感できたし安心して読めたというところもあるんでしょうね。​
〇「それには鉄則があります。一つ、逆らわない。二つ、叱らない。三つ、命令しない」「したいようにさせて、危なくないようにそばで見守る。そうすると乱暴な振る舞いも、暴言も、徘徊も、だんだん少なくなっていくものです」(ベテランの大橋看護師)
〇「良い介護とは人生の終幕の、そのお年寄りのいい夢を守ってあげることだと思います」(大橋看護師)
〇「でもうちの母に意識があったら、そんな延命処置は望まないと思いますよ」ものが食べられなくなれば死んでゆく。それが自然な苦痛のない終わり方だと・・・」

●そしてタイトルにも繋がっている短歌
​〇短歌「もうだれも名前で呼ばぬからエリザベスだということにする」(​松村由利子)​​

合わせて紹介したい本:「​驚きの介護民俗学」(六車由美)

●かなり共感して楽しく読めました。仕事上もパーソナル上でも・・・

●認知症であろうと終末期の患者さんであろうと、また患者さんであろうとなかろうと、これまでの人生について敬意と関心を持って接することは大切だと思うし、そこが楽しいところだと思っていたのでとても共感できました。

●時間があれば「聞き書き」で患者さんのこれまでの生きてきた物語を形○「思い出の記」にできたりすればいいのだけどそれもできないので、せめて患者さんのこれまでの人生に興味を持って共感したり学んだりしながら尊敬の念をもちつつも親しく最期までお付き合いできたらいいなぁと思っています。患者さん自身にとってもこれまでの人生の意味を再確認することができることになれば最高!







Last updated  2020.03.22 19:11:29
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