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本の森で呑んだくれ、活字の海で酔っ払い

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現代文学一般

2020.11.22
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カテゴリ:現代文学一般
・前作​「終わった人」​は定年を迎えた男性がまだまだこれからとあがく話だったが、これは一回り年上の78歳になった女性が主人公。タイトルの「すぐ死ぬんだから」とか「このトシになったら楽なのが一番」「ナチュラルが好き」「人間は中身」という後期高齢者が良く言う言葉に疑問というか反感を抱いた著者、70歳をちょっとすぎたくらいの著者が書いた著作。(あとがきより)

・とはいえ、主人公ハナの「年相応にみられてはならない」という気持ちに縛られたケアやファッションに対する努力を痛く感じてしまって共感できなかった。裏表紙のおばあちゃん、やっぱり好きになれないなあと思って読んでいたら・・・

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2020.11.21読了

・日頃から妻である自分を愛して止まない人畜無害で酒屋の仕事と趣味の折り紙にしか興味がない人だと思っていた夫の岩造が突然亡くなった。悲しみに暮れていたのもつかの間、その夫に愛人とその子供までいたことが分かってブチ切れる。

・そして話は一気に盛り上がって愛人とその息子相手に宣戦布告するわけだが、正直なところ主人公の言葉には違和感を感じてむしろ愛人とその息子のほうに感情移入してしまった。それが作者の意図だったのかどうかは分からない。どうなんだろう?

・愛人の森薫はとても強いのだが弱い面もあって魅力的な人だなと思う。その息子の岩太郎も素晴らしい人に育っていていいなと思った。その反面、ハナの家族はなんだかドタバタでTVのホームドラマみたいだ。

・最終的には森親子とも心を通じるようになり、ハナの家族もうまくまとまるというやっぱホームドラマっぽいまとまりで終るので一安心?

​〇ママを地獄の淵から助けてくれたのは、女だよ」​
●たしかに夫の浮気が発覚しなければ小説にもならかったが、ハナが生きがいをもって生き生きと人生を送ることはできなかっただろう。逆説的だけど。

​〇もしかして、岩造は私との結婚生活が偽装だったのかもしれない​
​●本当の自分って何だろうっていう問い。きっと真面目な岩造だからハナとの表向きの生活も真実だったのだろうし、愛人である森薫との生活も真実だったのだろうか。ワシにはそんな甲斐性はない。医師として患者さんに対する自分、スタッフに対する自分、家庭での自分、一人になった時の自分、どれが真実の姿でどれが偽装というわけではなく、どれもが真実なのだと考えればいいのだとヒントをもらったような気がする。

・ところで「死後離婚」という制度があることをこの小説で初めて知った。(ちなみに死後結婚というのはないらしい)​






Last updated  2020.11.23 11:47:17
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2020.11.08
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
​​・ストーリーも心理描写もストレートで分かり易い婚活をテーマにした毒のあるどんでん返しミステリー4作の短篇集。主人公は婚活を決意した男女、最後の1編だけは親。後味悪いなんちゃって「いやミス」だが、ラストの4作目がどんでん返しで結婚詐欺まがいの話だったにもかかわらず後味の良い作品でよかったなと思う。
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婚活中毒 [ 秋吉理香子 ]
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2020.11.2読了


【理想の男】

崖っぷち余生が結婚相談所から紹介された男は理想的なのだが、これまで彼に紹介された女性が何人も死んでいる。彼が殺人犯かと思ったら実は・・・というちょっと怖い話。

【婚活マニュアル】

 独身生活に不安を覚えた男が「街コン」という企画に参加してマニュアル通りに美女を射止めてマニュアル通りに付き合いだしたのだが、彼女の態度についていけなくなり、結婚するなら彼女ではなく「街コン」でもう一人いたブスだけど家庭的な女性に乗り換えるのだけど実は・・・女は怖い!とう話。

【リケジョの婚活】

ターゲットの男を射止めるために婚活番組に参加したリケジョがデータとシミュレーションで目標に向かう姿勢がやはり怖い。はじめ13分の17.6%の確率から出発、最終的には選ばれなかったにもかかわらず、選ばれた女性と自分の2分の1の勝負だから50%の確率だという強気の姿勢がむしろ羨ましくさえ感じる。

【代理婚活】

 息子があまり婚活に積極的でないので両親が婚活にでていくのをそういうらしい。代理婚活で相手の女性の母親に恋してしまった父親のお話。息子はその気がなく煮え切らず強引に話を進めようとしていたら大ピンチに・・・ところが実は相手は新手の結婚詐欺的なチームだと判明する。息子に救われたと思い、妻とのこれからの人生に期待が持てる気持ちの良いラストだった。


還暦過ぎたオヤジなので他人事だけど、当事者としたら切実な問題なんだろうか?そんなこともないはずだがなあと外野席からの観戦で楽しむ作品でした。






Last updated  2020.11.09 19:58:17
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2020.11.03
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
・自分の中で森沢さんは、心温まる、そして泣ける小説を書く作家で、どの作品も外れがないと認識している。この作品もやはり期待通りだった。

・今でいう「子ども食堂」が37年前にも「こども飯」として本当に存在していたのかどうかわからないが事実だとすれば凄いなと思う。
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おいしくて泣くとき [ 森沢明夫 ]
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2020.10.31読了


・37年前の「こども飯」、今でいう「こども食堂」の話。心也と夕花が中学生だった頃の話がメインストリームであり伏線になって現代の話に収束していい話になるパターン。

・家庭に様々な問題を抱えて貧困の中いる子どもたち、不良少年になった石村君やクラスでいじめにあう夕花、父親が自営の食堂で「こども飯」を提供する心也は「偽善者の息子」と机にマジックで落書きされた。今ではほろ苦い記憶となっている。そういえば、石村少年がその後どうなったか書かれていなかったのがちと残念だ。

・食堂をレストランに改装してからも「こども飯」を引き継いでいた心也の店が台風で損壊するが、とある業者が無料で応急処置をしてくれることになり・・・・実は37年の時を隔てて心温まるエピローグでの再会場面への準備が着々と進んでいっているのだった。

・店の前の桜の木が交通事故からマスターを救った、桜の木と言えば心也くんと同い年の桜の木が食堂の前にあったはず・・・マスターを交通事故から救った店の前の「桜の木」の存在に何となく2つの物語の接点を感じた。

・台風のエピソードが共通していたので、同じ時代の同じ台風だと思って読んでいた2つのストーリーが実は37年も時間の隔たりがある話だったとはちょっと反則かなとも思うがまあ許そう。いい話にまとまっていたので。

​〇人の幸せってのは、学歴や収入で決まるんじゃなくて、むしろ『自分の意思で判断しながらいきているかどうか』に左右される」(心也もお母さんの言葉)​
・森沢さんと言えば、各作品で名言が出てくるのがパターンである。今回はこれかなと思ったが、う~んイマイチ響かなかったかなという感じ。

​〇「お前は、母ちゃんとそっくりで、隠し事が下手くそなんだよ」​
・このセリフがまた、語る人と語られる人が入れ替わって繰り返されているのが面白かった。

以下、森沢明夫さんの名言満載作品も良かったです
「癒し屋キリコの約束」






Last updated  2020.11.04 21:48:26
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2020.10.07
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
​・「オベリベリ」というのは北海道の帯広のこと。乃南アサさんと言えばミステリーというかサスペンス作家だと認識していたのだが、こんな小説も書くのかと知って借りた図書館本。借りてあまりの厚さにビビってしまった660ページ。​
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チーム・オベリベリ [ 乃南 アサ ]
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2020.10.6読了


・いや~長かった!明治が始まったばかりの時代、北海道のオベリベリを開拓するために晩成社として同地に入った人たちの物語。晩成社幹部の渡辺勝の妻であり、鈴木銃太郎の妹であるカネの視線で語られている。彼女は武家の娘であり女学校を出て教師をしていた才女で父や兄とともにキリスト教に入信していた。著者の取材の努力や思い入れもかなり感じられた作品だった。とは言え、いろいろな事件はあるのだけど、あまり大きな盛り上がりがあることもなく淡々と紡がれ、いつ盛り上がるのかと期待しながら我慢して読んでいくもやはり淡々と綴られる北海道の開拓日誌みたいな小説だった。武家は落ちぶれても誇りは高く、まだ民族間の平等などという考えもなく、庄屋と小作人の力関係も残っている時代をそれぞれの立場で生きた人たちの生き方を記録した物語だともいえる。

・良かったのは、アイヌと和人の関係をわりとアイヌの立場にも考慮して書かれていたことだった。アイヌから見れば和人は侵略者だし、当時の和人はアイヌを土人=下等民族だとみなしていたのだから。そのあたりの葛藤も書かれていたと思う。

・全く別な見方だけど、酒を飲みすぎだろうと思っていたのだが、やっぱりアル中だったカネの夫である渡辺勝氏。酒をやめるがまた飲んでしまい最後は刃傷沙汰まで起こしてしまうというアル中の物語でもあったのだと思った。楽しい酒だったはずがだんだん・・・

・残念だったのは、カネの夫である勝の不自然な名古屋弁がかなり気に障ったことだった。時代が違うとはいえやはり不自然だと思う。






Last updated  2020.10.07 22:08:52
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2020.08.08
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
・河崎秋子さんの1作目「颶風の王」で自分の人生が上滑りしているだけで地に足が付いていないことを再認識された。読んだのは2016年3月、4年半も前になる。


2016.3読了


◇当時の感想
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●日常生活を上滑りしながらなんとかこなして生きている自分にとって、自然と人間と馬・・・大地に根を生やして自然の中で誠実に生きる捨造(そのネーミングからしそれらしくて魅かれる)生活って心を洗われるような感じで崇高な感じで憧れる。

○「むくいねば。むくいねば・・・」「もう及ばねぇ」
●及ばぬ定めで馬を捨ててまた新たな土地に・・・明治から昭和そして平成に時代が変わって「オヨバヌ」が

○「なんも。及んでるよ」
●って感動!泣ける!認知症になった家族との接し方についても示唆に富むと思う。
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・そう感じたことは覚えているけど小説の内容は残念ながら覚えていない。近いうちに読み返してみたいと思う。

・この次に3作目の「土に贖う」を読んだ。で今回この2作目「肉弾」で読んだことになる。


2020.8.8読了


・前半までは表紙でこちらを睨んでいる狐みたいな動物が何者か分からなかった。今は分かる。ラウダだ。裏表紙にはチワワが、表紙のもう一匹は白黒かも?

・飼い主に捨てられたり、飼い主から逃げたりして野犬化して共同生活するようになった犬たちがいる。行き違いから兄弟を殺して食した子熊が親の元を去って自分以外の生き物は敵でありエサであるとして生きる宿命を負いながら凶暴に生きている。その熊に父親を喰われた青年キミヤは、元陸上部の引きこもり。

〇こんなに穏やかなのに、こんなに温かなのに、昔、ここに住んでいた人間が食うや食わずの生活を送っていただなどと、実感を得られないまま・・・
・舞台は北海道道東の摩周湖付近の原野である。そこには北海道開拓時代の貧しい時代の歴史が埋もれている。開拓にまつわる辛く悲しい歴史、旅館のオヤジの祖祖父は自ら山に入って穏やかな死を選んだのだと話を聞く。

・その爺さんのものらしい大腿骨が重要なアイテムとして最後のほうまで生きていた。ラウダの首輪やキミの犬歯とともにラウダやその子孫たちに受け継がれていってほしいと思う。

・狂ってしまって自分を制御できなくなってしまった凶暴で悲しい熊、それぞれにいわれのある野犬化した犬集団、北海道の原野で父親を失って彼らとともに戦い共に生きる羽目になった青年キミヤが、生きることの本質的というか原始的な意味を感じる物語だったと思う。現代社会を生きているだけでは感じることのできない、ナマの生きている感覚を思い出すというか感じることがテーマだったと思う。

・正直、1作目、3作目と比べて、ちょっと期待と違ったせいかイマイチだなと思ったにだのだが、感想を書いているうちに何だかいい作品だったなと思い直した。河崎秋子さん、けっこう心にズシンとくる作家さんだな。






Last updated  2020.08.10 21:35:43
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2020.08.04
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
・読みはじめは、あまりの短さに物足りなさを感じ、内容にもあまり共感もできなかった。しかし、そこは何せ38連発なので、読んでいるうちに周波数が一致する作品も出てきて読み終わる頃には「なかなか面白かったじゃん」と思うようになっていた。森絵都さんやはり面白いなと思った。合わずに途中で読むのをやめた本やAudibleで聴いた短編(これがメッチャ面白かった)も入れて森絵都さんは6作目になると思う。


2020.8.4読了

​​
・「piece of resistance」をテーマにした原稿用紙5枚の連載を単行本化したもの。
小説のテーマにするほどには、そんなに大したことではないかもしれないけど、譲れない、こだわりたい、それとなく主張しておきたい・・・みたいなことが書かれた、
220ページに38篇のショートショート的な短篇集。

・「書き手が思っていることと読み手が受け取ったことが一致しなくていいと思っているんです」(著者のインタビュー記事​)
・以下、面白かった作品をいくつか

「イマジネーションの檻」
〇なんや、今日もまたおっちゃん一人かいな。目え覚ますたんびテンションががた落ちや。また昼寝したろか。わし見に来とるツラ、なんでいっつもおっちゃん、おばはんばっかやねん。檻の向こう側、平均年齢高すぎや。
・まず、この短編で心をつかまれた!動物園の像が関西弁でぼやくという設定。人気があるパンダやライオンをひがんで語るぼやきが笑える。「はな子」という名前に反応してないてしまう「ウィッキー」に共感してしまう。笑って泣いてというよくできたとってもいい短篇だ。

「書かされる立場」
〇主人公が、ちょうを捕まえるときのことを、「捕らえる喜びに息もつまりそうになり」とか、「微妙な喜びと、激しい欲望との入り混じった気持ち」とか書いているのを読んで、へんたいだと思いました。
・「少年の日の思い出/ヘルマンヘッセ」を読んで登場人物の誰かの立場に立って感想文を書きましょうという課題の作文で、これは蝶の立場で読んだ感想文でシュール。これも面白かったと思ったが、何とこれで終わりではなかった!
〇「取るに足りない子供の喧嘩」、「衣食住に困らない富裕層の価値観であって女中には関係ない話ですし」
・女中の立場の感想文も現実的でリアル、著者が言いたいことを代弁しているかのようだ。

「東京ドームの片隅で」
〇でも、最近はこうも思えるのです。えっちゃんと一緒にいる限り、ぼくはぼくにとって本当のクライマックスを迎えることはできないんじゃないか、と
・アンコール曲の演奏がまだ終わってないのに帰りの公共交通機関の混雑回避を重視して席を立つことを合理的とする彼女に決別!(何も分かれなくても話し合えばいいんじゃないの?とも思うが、価値観が決定的に違うってことなんでしょうね)

「医療現場の溝」
〇「今年から、あっさり、こってり、ふつう、のオプションがつきました」
〇一杯のバリウムも一期一会の出会い。軽んずるは茶の道に非ず。利休の心に非ず。
・胃レントゲン、バリウムは飲めるけどゲップしてはいけないと言われるのが苦手。で、我慢できずにゲップをしてしまうとレントゲン技師に舌打ちされてしまうのが屈辱なのだ。






Last updated  2020.08.09 19:14:37
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2020.07.21
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
・北海道を場として一時的に隆盛して廃れていった産業の中で生きた人々を描いた短篇集。いずれも時代の波に翻弄された人たちの物語と言えると思う。戦争や労働問題についても庶民の立場から書かれていたと思う。


2020.7.19読了

「蛹の家

 蚕農家の盛衰の幸福と不幸を思い出す農家の娘の視線から・・・

「頸、冷える」

 ミンク猟の盛衰を漁師の視線で・・・

「翠に蔓延る」

 ハッカ農家の盛衰とその後を娘だった女性の視線で

「南北海鳥異聞」

羽を採るために鳥を殴り殺す仕事が産業と言えるかどうか疑問ではあるが、素朴で力強く「生きる」ことが書かれていたと思う

「うまねむる

 農耕馬と農民の関係の物語

「土に贖う

 レンガ場で働く労働者

「温む骨」

 レンガを焼いていた土で焼き物をする脱サラ陶芸家

・この中で著者は何を描こうとしたのか?伝えたかったものは何だったんだろうか?読み終わって感じるのは希望ではない。かと言って絶望でもない。思い出したくないが心の奥底に澱んでいる哀愁であり望郷の念というものかもしれない。

・この小説を読んで同じような感情を共有できる世代の人たちってだんだん年を取って消えていってしまうのだろう。それを形として残していくのが文学の力なのかもしれない。そういう意味で後世まで残したい作品であり作家だと思った。

・僕ももう半分以上理解できない世界の小説だが、かろうじて共感することのできる世代なのだと思う。

・前作「颶風の王」内容はすっかり忘れてしまったが、地に足を着かずにうわ滑りしているだけの日々の生活を反省させられたことはしっかり覚えている(結局、生活態度は改まってないのだが)。地に足を着けて生きるために、「颶風の王」を読み返して、未読の「肉弾」を読んでみようかと思っている。







Last updated  2020.07.21 22:49:18
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2020.07.12
カテゴリ:現代文学一般

・タイトルからしてミステリーだろうと思って手に取った図書館本。宮下奈津さんは2作目で今回は短篇集。美味しいと評判のハライという名のレストランに103118時に予約を入れた6組の人たちの物語。ミステリーではなく、悩める人たちが何とか希望をみつけていけそうなシーンを切り取ったハートフルな短篇集だった。


2020.7.12読了

・夫の死が受け入れられない認知症の女性が主人公の「「予約2」がリアルで印象的だった。プロローグは彼女の視点かなと思った。認知症の当事者のリアルな気持ちはどうなのか知りたいと思う。本当に本人の立場に立った医療や介護をしていきたい。







Last updated  2020.07.12 20:50:22
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テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
​​・「愛なき世界」とは、脳も感情もない植物の世界。だが、実はその周辺は愛に満ち溢れていた。ちなみに、研究対象になっていたぺんぺん草ことシロイヌナズナについてもついついネットで調べてしまったのだった。

2020.7.12読了

〇脳の神経もない植物は、愛を必要としない。それでも光と水を糧に、順調に成長して生きていくことができる。食べ物があるだけでは決して満たされない人間とは、「生きる」という意味がまるで違うみたいだ。
・「愛なき世界」とは、植物の世界。確かに植物には脳も神経もないので感情もない、したがって「愛」もない。それなのにまるで意思があるかのように生きて世代を継いでいく。そんな植物たちの魅力に憑りつかれ植物を愛してしまった研究者たちの世界を題材にしたお話。

〇ごめんね、お母さん、私は植物と結婚したんです
・というクソまじめな大学院生の本村さんが主人公、彼女に惚れてしまった修業中の料理人藤丸君がアタックして2回もフラれるというストーリーではあるが、藤丸君は彼女が植物を愛していることを理解し、あきらめつつも抑えきれずにアタックしているのだろう。藤丸君自身が彼女の影響で植物に興味を持つようになって植物を研究する人たちに共感するようになっていく経過が味噌のような気がして、登場人物みんなを応援したくなってしまう。

・「愛なき世界」というタイトルだが、実は愛に満ち溢れていた。

・個性的な研究室のメンバーも味があったし、隣の研究室でイモを研究する師岡教授もいい味がでていた。そういえば松田教授の私生活の謎は解き明かされないままだった。計画的だったのか、ついつい放って置いたままになってしまったのか謎である。

〇松茸柄の服を着ている女性・・・「椎茸とか舞茸とか、無難な柄はなかったんすか?」
〇「交配、するんすか」「交配して欲しい」
〇「本村さん、俺はやっぱり人間でよかったと思います。だって気持ちいいでしょ」
・クスっと笑えるエッチな小ネタがちりばめられているのは相変わらずの、しをん流エンターテインメント的サービスか。毎度この小ネタがたまらんと思う。とはいえ、それはスパイスみたいなもので、「面白い本」ではあるけれど、「いい本」であったという印象。

おまけ
〇「いまさら肉売り場に置かれても、なんとなく違和感がりますけどね」
・野菜売り場で売られているキノコは遺伝子レベルでいうと植物より動物に近いそうです。
​​






Last updated  2020.07.12 20:14:15
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2020.07.01
テーマ:お勧めの本(5295)
カテゴリ:現代文学一般
・人気の本らしいと図書館で予約したものの、数か月して手元にやってきた本の装丁はラノベっぽい、そういえばタイトルもラノベっぽいなと思って読みだした。

・本当は水墨画をテーマにして、「生きる意味」とか「森羅万象」とかとても深いことが書かれているのだろうが、文章で書かれた水墨画の世界入門書のように感じた。実際に聴いているよりも聴いた実感がある小説と同じように、ほとんど見たこともない水墨画を実際に見るよりもリアルに画を感じることができたと思った。が、ネット動画等で実際の水墨画を見たらイメージはだいぶ違っていたのでちょっと肩透かし?と思いきや、改めて面白い世界だなと思った水墨画。やはり水墨画を書く著者が書いた小説「水墨画入門」のような気がする。

2020.7.1読了


・両親を事故で失って虚無感に陥って大学生になった主人公の青山が、偶然出会った水墨画の巨匠の弟子になって成長していく物語
・文書は読みやすい、ストーリーもそれなりに面白い。登場人物がそれぞれに迷いをもってそれと対峙し、またお互いを理解しあっているという人間信頼の話であったと思う。

〇まじめというのはね、悪くはないけれど、少なくとも自然じゃない」
●というのは分かるにしても

〇「現象とは、外側にしかないものなのか? 心の内側に宇宙はないのか?」
●に始まる観念的な問答や思索にはついていけなかったのだ。

・読み足りない部分は読者としての自分が未熟なのか?でも面白かったので◎だ。






Last updated  2020.07.01 21:58:41
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