おやじはニーチェ | 髙橋 秀実(認知症の父と過ごした笑える屁理屈ノンフィクション)
・屁理屈をこねまわしながらくすっと笑わせるノンフィクション作家の高橋さんにはまったのはたぶん「素晴らしきラジオ体操」だったかなぁ、「弱くても勝てます」や「はい、泳げません」が映像化されたときには、知り合いでもないのになんとなく「よかったですね」「おめでとうございます」と言いたくなってしまったものだった。・で、今回はなんと母親が急逝してやむを得ずに同居することになった認知症の父親と過ごした436日の日々を、転んでもただでは起きないぞ!と書いたノンフィクション作品。おやじはニーチェ 認知症の父と過ごした436日 [ 高橋 秀実 ]価格:1,815円(税込、送料無料) (2023/4/23時点)楽天で購入2023.4.15読了〇「メモしてないの?」と奥さん言われてからお父さんの言うことをノートに書きとるようになってから、従来のノンフィクション作家としてインタビューするスタイルで接することで苛立つことがなくなった。・さすがノンフィクション作家だけあって認知症について文献でかなり勉強されている・〇ノートに書きとめることで父の言葉を吟味することができました。「わけのわかんないこと」も書きとめているとわけがわかってくるようになるのです。・「認知症」→「ニーチェ」というダジャレというか語呂合わせ?認知症の父親をニーチェとするタイトル、、認知症の父親がしゃべる普通なら訳の分からない言葉を得意の屁理屈こねくり回しで理解しようとして、著者は分かっているつもりかもしれないけど読者としては難解な哲学的問題になってしまう。〇(それでは、私がさっき言った3つの言葉を思い出してください)「なんですか、藪から棒に」「そういうことは、前の日に言っておいてもらわないと。いきなり言われても困っちゃうじゃないですか」「物事には段取りってもんがありますからね・・・」〇(100引く7は?)「100引く7って、こう、引くのか?」「じかに?」「いいのか?」「それでいいのかって、訊いているんだよ」「お前ね、じかにって簡単にいうけど、そりゃ大変だぞ」(お父さんはニーチェじゃなくてハイデッカーか!?)・屁理屈作家のお父さんらしい言いつくろいが何とも最高で面白い!